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契約書の基礎固め #5 ハンコの押し方

契約書の「基礎」を確認するための記事です。契約書についてこれから詳しくなりたい方はぜひ読んでください。重要なポイントが「一気に」学べます。

契約書の基礎を短時間で身につけたい人のために

「どこから学べばよいかわからない」「契約書がチェックできるようになりたいけど、読んで何が分かればいいのかもわからない」

といった疑問にこたえます。

本記事の内容

・契約書に押すハンコの種類を解説します

契約書に押すハンコには、目的別に名前がついています。ハンコの名前ではなく押し方のタイプですね。

契印(けいいん)

具体的にはまず契印があります。ページの間にまたがって押されているものです。差し替えられていないことのしるしですね。契約書が2ページ以上になる場合は、ホチキスで留めて差し替えられないように契印するルールになっています。注意点は自分のハンコだけではなく、相手のハンコでも同じことをしなければならないことです(全ページ間に両当事者分の契印が必要)。

そもそも契約書はホチキス留めだけでもよいのですが、さらに製本テープを用いて補強する場合があります。ホチキスで留めただけの場合は、必ず全ページ間に当事者全員の契印を押して差し替えを防止します。

製本テープを用いた場合は、差し替えが容易ではなくなるので、ページ間の契印は省略でき、契約書の裏表紙の製本テープと用紙との間にまたがる部分に契印を押せば終わりです。よって製本テープで綴じた方が契印が少なくて済みます。ページ数が多い場合はやはり製本テープを使って綴じた方が良いでしょう。

割印(わりいん)

割印とは、関連する2つの書類にまたがって押すハンコです。契印は同一の書類のページ間にまたがって押すものでしたが、割印は別の書類を関連付けるために押します。


消印(けしいん)

契約書には収入印紙を貼ることがあります。このとき、印紙にハンコを押して、その印紙が使用済みであることを表す必要があります。これが消印です。割印でも契印でもなく、消印といいます。

消印は、印紙を使用済みにするためだけに押しますので、当事者の一方がすればよく、名前がわかりさえすればゴム印でも、手書きのサインでも構わないとされています。契約書に押したハンコ以外のハンコも使えます。


実印と認印のちがい

これは押し方の違いではなくハンコそのものの種類ですが、実印と認印とは明確にちがいます。実印といった場合は、実印登録されたハンコのことを指します。会社の実印といえば、それは法務局に登録されている法人代表印のことですし、個人の実印といえば、市区町村に印鑑登録されたハンコのことを指します。つまり、ハンコの材質とか立派さ、サイズをいうのではありません。登録の有無による区別です。

まとめ

契約書には署名欄があり、ここに名前を書いてハンコを押して、当事者の意思表示を確認します。最近は電子契約が使われるようになってきましたから、ハンコの押し方による種類は忘れられていくかもしれません。ただ不動産の契約書などはまだしばらく文書で交わされると思いますし、ページ数も多い傾向がありますから、知っていて損はないでしょう。

クイズ

下記のうち間違った説明はいくつありますか。

①収入印紙に二重線を引けば、消印の代用として認められる。
②収入印紙に消印するには、原則として契約当事者全員のハンコを押す必要がある。
③収入印紙が使用済みであることを示すために、契印を忘れずに押した。

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