「資産を増やすことは友達を増やすことより簡単なのではないか？」　
ボクはそんな問いを持っている。

現在、新しいNISA（Nippon Individual Savings Account）制度が導入され、多くの人々がどのようにして自身の金融資産を増やしていくかについて考えているはずだ。この機会を利用して、友達を増やしていくことの価値を再考するきっかけとしてほしいと思う。

ボクの結論は、友達を増やすことを優先すべきだというものだが、資産の増加も当然歓迎する。資産は1年間で大きく増やすことができるかもしれないが、友達を増やすことはそう簡単にはいかないだろう。人間関係を維持する、増やすためには相当な努力が必要だ。自己中心的になれば、友人や恋人を得ることはできない。そうなってしまうと、彼らは離れていってしまう。しかしボクの心を満たしてくれるのは、友人や恋人（私の場合はパートナー）だ。人は金銭を交換するよりも、言葉を交換し合うことで幸せを感じる生き物だと信じている。

大人になれば、人間関係を損得勘定で築いていく節がある。さらには経済のデジタル化が進み、ポイントやトークンなどが日常に溶け込んできているのも感じる。真の友達とは記録され得るトークンやポイントと何かを交換するだろうか。経済活動を管理するためには、台帳的な仕組みがあるけれども、友達台帳は必要ないだろう。もし必要になるのであれば、それはすごく寂しい事実となる。

ボクは、これまでと同じように、感情を共有し続けることが人に幸福をもたらす重要な行為だと考えている。社会がどのように変わっていくかは未知数だが、経済的、論理的な要素が増えれば増えるほど、非経済的、感情的な要素の重要性がより一層高まっていくだろうと考えている。

このような社会に適応するためには、自らの感情を自然言語でしっかりと伝え、他者の感情を理解しようとする習慣が不可欠だ。大人になっても、友達を作ることは決して難しいことではない。これからもボクはどんどん友達を増やしていきたいと思う。たぶん人生を終えるときに、増やして良かったのは資産ではなく友達だったと思うから。