見出し画像

エッセイ/描くこと書くこと

私は「描く」ことが好きだ。日頃から、絵を描くことが趣味だと公言している。
「書く」ことは、noteにて最近始めたばかり。

私のお絵描き遍歴について、少しお話させてほしい。
物心ついたときから、絵を描くことが好きな子どもだった。とりわけかわいい服を着た女の子やお姫様を描くのに執心していて、出来上がったプリンセスを家族に褒められては、得意な気持ちになっていたのをなんとなく覚えている。
画用紙は、ばあちゃんが取り置きしているいらなくなったチラシの裏。いつも黒色で線画を描いて着色はしたりしなかったりだったので、黒色のクーピーは、いつも他の色よりひどく短かった。

そんな私は自然と絵を描くことを趣味としたし、そのまま大学生になっても社会人になっても、あわよくば漫画家になりたいと思う程度には描くことに情熱を注いでいた。
だけど日々は、忙殺されてゆく。
新卒で入った会社はいわゆるブラック企業だったし、そこをやめて転職しても家庭を持っても、何だかんだ満足できるほどの時間は注げずにいた。(しかも私は筆が遅いのである。)

最近なんて、家事や日々の諸々を終えて描きかけの漫画をパソコンでようやく開き、15分もペンを走らせれば、もう寝るべき時間だ。
アウトプットを趣味としてきた以上、絵を描く時間が満足に取れない自分は、フラストレーションが溜まっていく。
そんなときに、思いつきで始めたのがこのnoteだった。これなら、ふと思い付いた言葉を、スマホへ即座に打ち込んで形にできる。
私にとって「書く」ことは、必要に迫られて始めた様なものだった。

「書く」ことを始めたとき、ひとつ取り決めたことがある。
文章を書くときに、私は良い人、良い子でいなくていい。
大切なのは等身大の私を、等身大の私で書くこと。その私が、思ったより小さくても大きくても。

上手く書けなかった、人に見せたい自分でなかったと勝手に落ち込んで、書くことをやめたくなる、なんてことがないように。
まちがっても、頑張りたくないときに良い子のふりして「頑張ります」なんて言わなくていいように。

そうしてnoteを始めて一ヶ月が経とうとしている。絵を描くときと同じく筆は遅い私だけど、書くことを楽しんだり、他の人の文章を読んでいいな素敵だなって思ったり、いい趣味を見つけられてよかったと思う。
描くことも好きだけど、やっぱり書くこともちゃんと好きだな、そう思う。

書くこと、それは希望みたいに。
もしいつか私に時間ができて、たくさん絵を描く日が来たとしても。
書くことよ、どうか私の側にいてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?