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真っ暗な未来をこじ開けて、たどり着く場所。

乃木坂46が10周年を迎えた。

なかでも最近4期生の活躍をよく目にする。

4期生がシングル曲のセンターに選ばれ、『ノギザカスキッツ』『乃木坂スター誕生』などの番組に出演し、昨年は4期生だけで歌番組に出演し『I see...』や『out of the blue』を披露する姿を何度も観た。

世代交代が進むと言われている現在の乃木坂46の中で、4期生というひとつのユニットとしてだけでなく、ドラマや舞台、ラジオなど個人の活躍の場も広げている。

4期生の楽曲『4番目の光』を聴くと、必ずと言っていいほど3期生楽曲の『3番目の風』を思い出す。

スカートを揺らしながら軽やかに歌う4期生と、動きの激しいダンスを繰り返しながら天へ拳を突き上げて歌う3期生は、あまりにも印象が違う。

眩しい日差しを受けて手を繋ぎながら坂道を駆け上がっていくのが4期生なら、3期生は強い風や雨や雪を真正面から受けながら、誰一人はぐれない様に必死で肩を寄せ合って進んで行く。

3期生本人達が口にする様に、3期生が加入した当時と比べると、4期生は落ち着いていて、しっかりしてるイメージがある。

3期生が加入した時より加入時の平均年齢が高い事もあるのかも知れないが、3期生は加入時から個性強めなメンバーの集まりだった。

例えば、沖縄から大志を抱いてやってきた伊藤理々杏、いかにも九州の田舎から出てきた感が溢れ出てる大園と与田、宮城県出身で雪の様に真っ白な久保史緒里は心配になる程、透明で繊細だった。

山下美月は配信番組で、そんな自分達を「私たちは動物園」と評した。


当時、3期生の加入には批判的な声があったりもした。

下積みとも言える時代を過ぎて、やっと乃木坂46の波が拡大し始めていた時に、3期生の存在が必要なのか、と言う者も存在したのだ。

実際、彼女たちは3期生だけでの活動がしばらく続く事になる。

『私たちは本当に乃木坂46になれるのか?』

そんな不安がずっとあったとの発言も聞いた。

しかし、シングル『逃げ水』での大園・与田のダブルセンターから始まって、彼女たちは名実ともに乃木坂46になっていく。

やがて久保、山下も選抜に入り、他のメンバーも選抜を経験し、またアンダーメンバーとしても力をつけていく。

しかし、彼女たちの行く手を阻もうとする風も雨も止んでくれる事はなかった。

久保が休業し、その後も山下、大園と休業するメンバーが続いた。

東京ドームでのライブも行い、レコード大賞も2度獲得し勢いに乗る一方で、卒業生も増え、次世代としての3期生に期待が膨らんで来ていた中で、なかなか全員が万全の状態で揃う事が出来ずにいたように見えた。

そんな中で印象的なのは休業していた大園が明治神宮のライブで復帰した際の『三番目の風』だ。

迎え入れる同期も大園も笑顔だった。

そして、歌い踊る彼女たちの姿に、その眼差しに強い決意を感じた。

全員で突き上げた拳で雨や風を跳ね除け、絶対に「真っ暗な未来をこじ開けてやる」という迫力があった。


もうひとつ印象的なのは、2020年白石麻衣の卒業となるシングル『しあわせの保護色』に収録された『毎日がbrand new day』だ。

この曲のMVで彼女たちはキャンプをたて、自分達の居場所を作っている。

そこは、12人で肩を寄せ合って嵐の中を突き進んできた彼女たちが、やっとたどり着いた居場所のように、僕には思えた。

雨が降る日も、雪が降る日もただ前に進み、もしかしたら、あの時全員のパワーで森全体を吹き飛ばして、誰一人欠ける事無くたどり着いた12人の場所。

笑顔の彼女たちは遊び、はしゃぎ、歌い、踊る。

センターには、休業を経験し、アンダーを経て、選抜へ復帰していた久保史緒里。


『今日はbrand new day♪』『明日もbrand new day♪』

メロディーは軽やかだが、強い芯と熱を感じ取る事ができる。

3期生特有の熱量と、仲間を思う温かみを含んだ名曲だ。

4期生が、元気に明るく自分を表現する事に一途になれるのは、道しるべとしての3期生があってこそだと思う。

3期生を見て『乃木坂46になれる道がそこにある』と信じる事ができる。

だから、みんなでそこへ駆け上がっていけばいい。

真っ暗だった未来は、もう3期生がこじ開けてくれている。


個性豊かな3期生は、これから僕たちの期待を上回っていくだろう。

一方で、大園桃子が3期生から初めての卒業生となってしまった。    

叶わない願いだが、12人でのライブをもう一度観てみたかったとは思う。

だが、彼女たちに不安も心配も必要ないだろう。

12人で作った彼女たちの場所は永遠にそこにあるのだから。




ごく個人的感想を一度まとめてみたくて書いてみました・・・。

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