村上世彰『生涯投資家』を読んで

読もうと思ったきっかけ

ビジネススクールでケースメソッドをやる理由として、知識というよりは「経験」を得るためだというのを記事で読み、なるほどと思いました。ということで、ケーススタディではありませんが、間接体験ツールとしてその手の本をたくさん読もうと思っているところです。

どこから始めてもよかったのですが、かつて大学時代に後輩が藤田晋さんの『起業家』を手に持っていたのがなぜか思い出され、Kindleでポチるに至りました。そこから堀江貴文さんや宇野康秀さんといった面々にも興味を持ち、その登場人物のひとりとして村上世彰さんのことも勉強してみたいと思った次第です。名前が似ているというのも、くだらないですが理由のひとつです。

僕ももっとストイックになろう

「村上世彰」さんや「村上ファンド」という単語はもちろん知っていましたが、具体的に何をやった人なのかというのは全く理解していませんでした。インサイダー取引で逮捕されたという情報と紐づけて、イリーガルな印象だけ持ってしまっていました。あるいはファンドという響きと紐づけて、とても強欲なイメージです。

実際に本を読んでみると、むしろ正義感が強すぎる人だったんだと認識を改めました。極めてストイックな考え方の持ち主でした。

著書の中では、東京スタイル、ニッポン放送、阪神鉄道といった会社に対する村上さんの取り組みについて紹介されています。ファンドやアクティビスト(モノ言う株主)という仕事内容・仕事哲学について学ぶことができ、またひとつ賢くなれたと思います。正直なところ、何を巡って攻防しているのか理解が及ばない部分/なんとなくで止まっている部分もあったので、もう少し財務について詳しくなりたいところです。

いずれにしても、村上さんの追求した「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」という概念について、その意義をよく理解することができました。

ゆとりを持ちたい気持ちで、どうしてもなあななな環境を自分の周りに用意したくなりますが、それは責任感の薄い考え方だったと反省しています。優れたパフォーマンスを発揮するためには、株主と経営者との間には適切な緊張関係を働かせるべきなのでしょう。そうしたストイックな価値観・倫理観を持ち合わせたいと思います。本書に気合いを入れてもらいました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?