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竹美映画評

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アデイonlineからnoteに移行して、自分で書いてみた映画評です。
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記事一覧

竹美映画評97 サブコンテクストも美味。インドホラーの新しい傑作 ”Bramayugam”(…

そのうちマジで『ホラー映画で巡るインドの旅』という本を書きたいという企画を持っている。需…

竹美映画評96 韓国女幽霊映画と『エクソシスト』のマリアージュ 『너 또한 별이 되…

(ま、写真は月なんですけども…) 前回紹介した韓国映像資料院の2009年の季刊誌から見つけた…

竹美映画評95 有害な男性性をデトックスするプラバース 『Salaar: Part 1 – Ceasef…

南インドアクション映画に結構前から飽きていたのだが、二か月も映画館に行けなくて寂しかった…

竹美映画評94 北朝鮮の「RRR」 『猛獣の狩人(맹수 사냥군)』(2001年、北朝鮮)

土曜日早朝(朝五時半ゴゴゴゴ)から研修を受けたり、土日にも少しだけ仕事を入れたりしたせい…

竹美映画評93 そっとしておいてくれる妖怪譚 『すみっコぐらし 青い月夜のまほうの…

最近、『すみっコぐらし』の最新映画が上映中で、内容はブラック企業を描いたホラー的な作品と…

竹美映画評92 戦争に取り囲まれた平和 『少年期』(1951年、日本)

久しぶりの日本映画、木下恵介の作品『少年期』を観た。 あらすじ 昭和19年、東京に住む少年…

竹美映画評91 悪魔と神がアメリカを再生させる 『The Exorcist: Believer』(2023年、アメリカ)

映画は、異文化や相容れない人々の世界を覗き込み空想するための窓である。 宗教保守主義と自由民主主義という、相容れないはずの価値観を体現するアメリカは、悪魔映画という窓から覗き込むと、とても面白く滑稽で、いつも真剣である。 70年代の悪魔映画の金字塔、『エクソシスト』シリーズの最新作を観て来た。 3部作として計画されている本作、第1作である「信じる者」は批評家や観客の批評はいまいちのようだが、私には2020年代らしい混乱と悲嘆と希望が描かれた、とても満足のいく物語だった。

竹美映画評90 見たか!グローバルサウスの盟主の力を!! 『The Vaccine War』(2023…

何度か取り上げてきたヒンディー語の映画監督ヴィヴェク・アグニホトリ監督最新作、『The Vacc…

竹美映画評89 インド・パヨクの黄昏 『Buddha in a traffic jam』(2014年、インド、…

※一部加筆 アンチボリウッドの旗手として日々舌鋒鋭くボリウッドやリベラル系メディアを非難…

竹美映画評88 家族主義と息子 ”रॉकी और रानी की प्रेम कहान…

ボリウッドのラスボス、カラン・ジョハルが監督として帰って来たァ! しかも、カランにとって…

竹美映画評87 全てはサイコーの私になるには?『バービー』("Barbie"、2023年、アメ…

バービー人形…私が子供の頃は、ジェニーちゃんという名前になっていたが…私は小学生の頃、妹…

竹美映画評86 ヒステリーを起こしかけているアメリカ? 『フォーエバー・パージ』(…

今やホラー・スリラー映画のヒットメーカーであるブラムハウス社がライフワークのごとく続けて…

竹美映画評85 神経衰弱ぎりぎりの弱者たち『Bhoothakaalam』(2022年、インド(マラ…

(2023年6月23日:タイトル追記。観て直ぐ書いたので、何度か読み直すうちに、本作に出て来て…

竹美映画評84 スローモーションの威厳『Adipurush』(2023年、インド(ヒンディー語))

日本ではプラバースファンが毎日息も絶え絶えのようなツイートをしており、インドでは賛否両論(半分はいつもの難癖)だった、プラバース主演『Adipurush』が公開された。彼氏もとても期待していたので観て来た。 お話は、インドの神話ラーマーヤナの翻案。ラーマの妻シータがラヴァナに誘拐されたので、弟や途中で仲間になったハヌマーンやクマや大猿と共に攻め込んでいく物語を元にしている(らしい)。 字幕と事前説明無しで観たため、「なぜ主役をラーマじゃなくてラガヴと別の名前で呼んでいるの