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竹美映画評

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アデイonlineからnoteに移行して、自分で書いてみた映画評です。
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#映画

竹美映画評94 北朝鮮の「RRR」 『猛獣の狩人(맹수 사냥군)』(2001年、北朝鮮)

土曜日早朝(朝五時半ゴゴゴゴ)から研修を受けたり、土日にも少しだけ仕事を入れたりしたせい…

竹美映画評92 戦争に取り囲まれた平和 『少年期』(1951年、日本)

久しぶりの日本映画、木下恵介の作品『少年期』を観た。 あらすじ 昭和19年、東京に住む少年…

竹美映画評91 悪魔と神がアメリカを再生させる 『The Exorcist: Believer』(2023年…

映画は、異文化や相容れない人々の世界を覗き込み空想するための窓である。 宗教保守主義と自…

竹美映画評88 家族主義と息子 ”रॉकी और रानी की प्रेम कहान…

ボリウッドのラスボス、カラン・ジョハルが監督として帰って来たァ! しかも、カランにとって…

竹美映画評87 全てはサイコーの私になるには?『バービー』("Barbie"、2023年、アメ…

バービー人形…私が子供の頃は、ジェニーちゃんという名前になっていたが…私は小学生の頃、妹…

最近観たインドの映画たち

(5月2日:またしても思い込みで人名をタイプミスしたので直しました。プージャ・ホグデ→ヘグ…

竹美映画評76 笑って震えて 『Evil dead rise』(2023年、アメリカ)

インドでアメリカホラー映画を次々に観ることができ、(字幕無しだったり英語字幕はつらいものの)かなり満足している。しかも日本よりずっと公開が早いのに驚かされる。先週観た『The Pope's Exorcist』もよかった。ラッセル・クロウのスター性と、「できれば何でも悪魔のせいにしたい」キリスト教メンタリティ(特にアメリカ)の本音も滲ませて面白かった。アモルト神父がさかんに悪魔祓いをした時期は、『エクソシスト・コップ: NY心霊事件ファイル』のラルフ・サーキと重なるので関連性も

竹美映画評72 私達の煉獄『ハスラーズ』("Hustlers"、2019年、アメリカ)

今朝、このツイートを見て、これ『ハスラーズ』と同じだ!と思って本作を観ることにしました。…

竹美映画評67 ボリウッド戦線異状なし『Pathaan』(2023年、インド、ヒンディー語)

おかえりボリウッド!!!!出演:シャールク・カーン、ディーピカ―・パドゥコーン、ジョン・…

竹美映画評56 『セイント・モード/狂信』(“Saint Maud”、2019年、イギリス)

今回の『セイント・モード』は、若い看護師の女性を主人公に、信仰は救いになり得るのかと問う…

竹美映画評55 太陽族は今も健在 『あのこは貴族』(2021年、日本)

日本映画は、コロナ禍を境にちょっと変わってきているんじゃないかと言われてない?勝手にそん…

竹美映画評53 狂気の師弟関係と脱走した悪い弟子 『風の丘を越えて 西便制』(1993…

イム・グォンテク監督と言えばこれ!というほどの韓国映画決定版『風の丘を越えて』を久しぶり…

竹美映画評52 ロードムービーが見せる社会の断面 『Happy Journey』(2019年、インド…

遂にインドに来てしまった。インドに行く途中のエアインディアの飛行機では、豊富なんだかやっ…

竹美映画評51 悪魔は不都合な真実を隠蔽する 『ダーク・アンド・ウィケッド』(“The dark and the wicked”、2020年、アメリカ)

今年劇場で観た作品も観た映画も少ないけど、本作は今年の一番かな。二番目は『マリグナント 狂暴な悪夢』だな。 『ダークアンドウィケッド』は、あまりにも悲しいホラー。もはや死だけが安らぎなのではないか、悪魔に降参してしまう方が楽なのではないかと思えてしまった。そして実際のところ、登場人物の心理もそうだったのではないか。そんな家族の崩壊のドラマも、ホラー描写を入れることによって、主題がずれ、最後まで観られるお話になる。このストーリーなら、ホラー描写の代わりに家族の過去や秘密の描写