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歴史本の山を崩せ

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歴史本に関するレビューです
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記事一覧

【歴史本の山を崩せ#042】『原敬』清水唯一朗

≪平民宰相の足跡をたどる評伝≫ 本書の著者が明治以降、大衆的な人気がある政治家として挙げ…

鉄仙斎
3週間前

【歴史本の山を崩せ#041】『元老』伊藤之雄

≪大日本帝国を動かした真の権力者たち≫ 昭和初期頃までの日本で総理大臣が辞職するたびに天…

鉄仙斎
1か月前

【歴史本の山を崩せ#040】『聖断』半藤一利

≪終戦を成し遂げた鬼貫太郎の歴史ドキュメンタリー≫ 主人公は鈴木貫太郎。 鈴木は海軍軍人…

鉄仙斎
1か月前

【歴史本の山を崩せ#039】『未完のファシズム』片山杜秀

≪「持たざる国」はファシズムにもなれなかった≫ 第一次世界大戦以降、国家間の戦争は総力戦…

鉄仙斎
1か月前
3

【歴史本の山を崩せ#038】『日本のいちばん長い日 決定版』半藤一利

≪終戦ドキュメンタリーの定番書≫ オリジナル版の初版は1965年。 当初は営業上の理由からジ…

鉄仙斎
1か月前
3

【歴史本の山を崩せ#037】『関ケ原合戦と石田三成』矢部健太郎

≪秀吉が目指した支配秩序がもたらした合戦≫ 敗者の立場から日本史を読み直そうという吉川弘…

鉄仙斎
1か月前

【歴史本の山を崩せ#036】『世説新語』井波律子(訳注)

≪井波解説が白眉の世説新語全訳≫ 『世説新語』は後漢末から東晋期の貴族・人士たちの逸話集です。 脚色や伝承・伝説の類も多く、歴史史料としての信憑性は高くないものの、当時の世相や貴族たちの雰囲気を知るには良い漢籍。 何よりも多士済々・海千山千が遺したエピソードの数々は読み物としても十分面白いです。 後漢末期から三国時代も登場するので三国志ファンもニヤリとするような人物も出てきます。 権力奪取に燃える野心家、亡命政権を支える老練な政治家、清談に耽る貴族、世俗を離れる隠者などなど

【歴史本の山を崩せ#035】『諡 天皇の呼び名』野村朋弘

≪呼び名に「光」をまとう天皇出現の意味は?≫ 諡(おくりな)とは死後に送られる名前のこと…

鉄仙斎
2か月前
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【歴史本の山を崩せ#034】『実録三国志』于涛

≪中国人研究者による三国志前伝≫1800年も前の異国の歴史なのに日本人が大好きな三国志。 令…

鉄仙斎
2か月前
1

【歴史本の山を崩せ#033】『劉備と諸葛亮』柿沼陽平

≪カネを切り口に語る三国志は成功したか?≫ 副題はカネ勘定の『三国志』。 中国貨幣史など…

鉄仙斎
2か月前
5

【歴史本の山を崩せ#019】『田中角栄』早野透

《田中角栄を間近で見続けた番記者による評伝》 戦後日本を代表する政治家の名を挙げろと言わ…

鉄仙斎
1年前
3

【歴史本の山を崩せ#028】『王安石』小林義廣

《頑固一徹に己を貫こうとした改革者》 王安石は中国北宋時代の宰相。 山川世界史リブレット…

鉄仙斎
1年前
2

【歴史本の山を崩せ#024】『ヒッタイトに魅せられて』大村幸弘・篠原千絵

《考古学者と漫画家による異色の…しかし納得の対談本》 ヒッタイトとは今から三千年以上前(…

鉄仙斎
1年前
3

【歴史本の山を崩せ#032】『思考と行動の中国史』竹内康浩

《中国を理解するために…価値観からのアプローチ》 他者を理解するためには、相手がどのような思考をもっているのか知る必要があります。 異文化理解、対話の大切さを強調するのはよいのですが、相手も自分たちを同じ価値観を持っているという前提のもとで語っているのであれば、それは不可能であるばかりか傲慢な態度であるといえるかもしれません。 歴史的に中国人はどのような価値観を持ってきたのか? 史料を駆使して人間観、社会観、世界観を知り、その行動原理を理解しようというのがこの本の狙いです