『そこに闇があるのなら』存在を証明できない私たち#04
濱田さんとは不思議な縁で知り合った。それを説明しようとすると一章を割かねばならない。そのため、まず不思議な縁とだけ書く。
年始に彼女の事務所の方向へ用事があって連絡すると、すぐに応じてくれて国立駅で待ち合わせることになった。濱田さんは、化学物質過敏症に特化した建築家である。
時間より早く着いてしまった私を心配し、会うなり「久しぶりに降りたら雰囲気が違ったわ」と仰る。
「何年も前に再開発計画が出たんだけど」と南を向き、「あっちの方に一橋大学があって、ビルが建ったら学園