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Message(著:横山黎) 読書感想文

Message(著:横山黎、2022)



人が親に伝えたいこととはなにか。

この本はnoterさんの横山黎さんの書かれた小説です。


本からあらすじを引用させていただくと、

成人の日の夜、歩道橋の階段から転落死した1人の青年がいた。彼の手元には「110」という血文字が……。人生最後の瞬間、人はどんなメッセージを遺すのか。その疑問と真摯に向き合ったヒューマンミステリー。

という話です。

深い悲しみの絶望の果てに希望があるとすれば、それは結局は自ら動かないと希望の光はいつまでも灯らないのである。

ミステリーとなっているが、作者が伝えたいことは、誰が犯人だとかどうやって犯行をしたのか、動機は……という意味でのミステリーではなく、人生の最後に人というものは誰に何を伝えたいのか、まさしく最後のメッセージとはなんなのだろうかということを深く考えさせるという意味での、いわば人生のミステリーを書きたかったのだと思った。

……でも私だったらあの言葉は書けないかなあ。「ありがとう」しか思い浮かばない(笑)

ただ正直推理小説として読むと穴やアラはいくつかあります。でも前述した通りこれは本格ミステリーというわけではないのだし、重箱の隅をつつくような真似はしません。
作者が本当に伝えたいことはすごく熱意こもって伝わってきたので素直に感動できました。


余談
この小説に出てくる遊馬のモデルって…作者の横山黎さん自身なのかなあ。


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