たけのこ建築設計室┃齋藤邦之┃多田ゆかり

北海道釧路市で建築家夫婦が営む建築設計事務所です。 https://takenoko9…

たけのこ建築設計室┃齋藤邦之┃多田ゆかり

北海道釧路市で建築家夫婦が営む建築設計事務所です。 https://takenoko92.iza-yoi.net/

マガジン

  • episode【住宅設計の中で建築家は何を思ったのか?】

    普段、住宅を設計するプロセスの中での私たちがどのように思考を積み上げてカタチを決めていくのかをお客さんのお話することがあります。 時には「目からウロコ」のように言って頂けるそのお話の内容は、これから住まいづくりを考えていく方の参考になるのかなと思い、[episodeシリーズ]として過去のプロジェクト事案の中で、特に私たち「たけのこ建築設計室」がどのように思考し、取り組んだのかをマガジンとしてまとめました。 これから住宅を建てようとお考えの方々に私たちの住まいづくり思考を知っていただければ嬉しいです。

最近の記事

これからは小さな家を①

未だ物価や人手不足の影響を受けて建築費の高騰が続いています。実感としては3年前の30%増し。3年前が3000万で建てられた住宅も今現在は4000万円近くなるようなイメージです。徐々に建てられる人が限られてきて、今や住宅を建てる事は夢のまた夢。なんて考えている人も多いのかもしれません。 でも、本当はそうではなくて今まで通りの予算でも住宅を建てる事は可能なんです。ただ少しだけ考え方を変える必要がありますけどね。 今日はそんな考え方の変え方のお話をしようと思います。 予算の考

    • 家を建てると色々なお金がもらえるのか

      住宅を新築や改修すると、その年度や条件が色々ありますが、国や各自治体からの補助金や助成金、給付金など利用できるかもしれません。単純に当初から決めていた仕様で申請だけすれば手にすることが出来る給付金ならば申請するべきです。しかし、補助金に目がくらんであれもこれもと欲張ると本末転倒になってしまうかもしれません。 補助金がもらえる理由補助金は、国や自治体のさまざまな政策目標を達成するために条件を与え、クリアするためにかかる費用のいくらかをサポートするための制度です。 建築だけで

      • たけのこ建築設計室の仕事(仕事依頼)

        改めまして、私たち「たけのこ建築設計室」とは 私たちは北海道釧路市を拠点に、夫婦の建築家がふたりでひとつのデザインを考えている建築設計事務所です。住宅をメインに小規模な建築の設計を行っています。男性と女性、両方の視点からひとつの住宅を設計する事で、見た目の美しさと使い勝手や性能を両立させることができるのが強みです。 そんな私たちの仕事の内容を整理しましたので、ご相談・ご依頼をお考えの方は以下の目次よりご覧くださいね。 新築住宅 私たちのメインとなるお仕事。建て主さんか

        • アパートの窓[episode#03]

          今回はepisodeシリーズの第三回。 お話のテーマは「アパートの窓」です。賃貸のアパートを探した経験のある人も多いと思います。でもアパートに住んで「暮らしやすいな」って思ったことのある人ってどのくらいいるでしょう?「暮らしやすいアパート」なんてあるんでしょうか? 今日はそんなお話を。 段ボールだらけの事務所で 2017年の3月。建てたばかりの我が事務所の中は、デスク廻りだけなんとか作業スペースを確保して、山積みの段ボールだらけでした。仕事に追われ片付けが進まない中、電

        マガジン

        • episode【住宅設計の中で建築家は何を思ったのか?】
          3本

        記事

          再生

          かわいそうな住宅のお話

          こんにちは、齋藤です。 もう少しだけきちんと考えてつくれば、もっともっと使い勝手がよくなったのにな、とか。そう感じる住宅をよく見かけます。 この動画では設計にしっかりと時間をかけて、丁寧に考えることの大切さをお話しています。 ぜひご覧くださいね。

          流行りの『職住一体』書斎があればいいの?

          『職住一体』という住まい方はコロナ禍以前からあったのですが、私達の様な自営業やフリーランスの仕事をしている人達に特化していました。コロナ禍以降、テレワークであったり副業など多様な働き方をする人たちが増えてきているようです。そこでハウスメーカーなどは挙って『職住一体』の住まいを提案していますが、書斎となる個室があるだけ、家事スペースがあるだけ、これで本当に仕事がしやすいのか? 我が家の職住一体生活10年の例を紹介します。 一人暮らし→二人暮らし ~2LDKアパート編所謂一般

          流行りの『職住一体』書斎があればいいの?

          建てないことを選択する[episode#02]

          こんにちは、たけのこ齋藤です。 建築をつくるために設計するのが私たちの仕事ですので、誰かが「建築しよう!」と決めてくれなければ私たちの仕事は発生しません。 それでも過去に「建てないこと」を勧めたことがあります。その建築を建てる事がお客さんにとってプラスにならないと判断したからです。今回はそんなお話を。episodeシリーズの#2です。 はじまり 20代半ばの知人から、ある日電話で相談されました。内容は「予算500万円で、妻のサロンを作って欲しい。建物はトレーラーハウスの

          注文住宅のデメリットをお金で解決

          チープな印象新しい家で最新の住設が入っているのになんかチープに感じる。ハウスメーカーで建ててもらったのになぜか安普請感?何だろうな―この感じ…。そういう印象の建物に出会ったことはありませんか? そう感じるのはきっと、印刷された物が多く使われているからです。 例えば、木目調のプリント合板を貼ったドアやフローリングの柄の入ったクッションフロア、タイル模様のビニールクロスなどの事です。わざわざ違う素材の模様を印刷すると、すごく安っぽくダサい感じが出ます。なぜなら偽物だからです。

          注文住宅のデメリットをお金で解決

          我が家に必要なスペース

          建築工事費の高騰昨今の建築工事費の高騰は凄まじいものがあります。この状況を見て、家を建てようと思っていたけれどもう少し待ってみよう。そう考えているご家庭もあるかもしれません。2年前にウッドショックが発生した時にも、建築業界では『今は建て時ではない』と言われていました。しかし、輸入木材の価格が落ち着いてきても、他の資材や運賃、燃料、工賃全ての価格が値上がり続けているのが現状です。今後も高止まりはしても下がるというのは見込めないと思います。 これからの予算の考え方最初、40坪

          対面キッチンに向く家族

          みなさん、唐突ですが対面キッチンはお好きですか?最近の新築の住宅やマンションは対面キッチンが多いですね。 最初、対面キッチンの種類の説明やそれぞれのメリットデメリットなど記事にしようかなーと書いていたのですが、そんな事はネットで探せばすぐにわかるし何となく たけのこ らしくない気がして消しました。 話がちょっとそれますが、最近記事にする前にチャットAIに内容を質問してみて、正確な答えが返ってくるならその内容の記事は書かないという方法を取っています。AIに聞いて答えが解るなら

          マンション、戸建てどっちにしよう

          家族計画に大体めどがついた、子供が小学生になる、単純に家が手狭、色々な理由でそろそろ家の購入を考えた時に、まずは戸建てかマンション、どちらが良いのかな?と迷うと思います。 ネットで色々調べるとそれぞれのメリットデメリットの比較が並べてあったりして、結局どっちなの?!とますます混乱を極めたり。 面倒なのでズバリ言います。夫婦二人暮らしか単身ならマンション、子供やペットもいるなら戸建て住宅がオススメです。もちろん夫婦二人暮らしや単身でもこだわりがある人は戸建てがおすすめですが

          マンション、戸建てどっちにしよう

          構造見学会

          設計事務所、建築家に設計を頼む。というとまず皆さんは、奇抜なデザイン?変わった間取り?そのような見た目の工夫に力を入れた住宅を思い浮かべるかもしれません。 しかし、私達設計の専門家は実はもっと内面的な性能を考えて設計しています。 いつもは竣工後にオープンハウスを行い皆さんに建物自体を見て貰うのですが、今回は出来上がると中に隠れてしまう部分、軸組の段階で見学会を行い、色々な工夫を説明させていただきたいと思います。 耐震性や断熱性、構造のお話など皆さん本当は一番気になるとこ

          設計事務所のススメ

          家族が増え住んでいる住居が手狭になってきた 子供が小学生に入るまでには持ち家が欲しいな ローンの支払期間を考えるとそろそろだな 終の棲家が欲しい   …etc 住宅の購入を考える時期や理由は様々だと思います。どんなタイミングであれ、新築・中古問わず先ずは設計事務所のドアを叩いてみるのが”はじめの一歩”だと思います。建築の専門家を賢く使って得しちゃいましょう。 うちは普通の家で良いんで…作品展や住宅相談会などに来てくださった方に「お家を建てる計画があるのなら設計事務所

          住宅メーカーの比較?

          こんにちは、多田ゆかりです。今回はハウスメーカー等の耳障りの良いキャッチフレーズについて、個人的な意見を書いてみようかなと思います。 女性建築家の設計する住宅うちの設計部では女性建築士が活躍していて女性目線の設計をしています このようなフレーズよく見聞きするのではないでしょうか。若い女性が図面に向かっている写真と共に。 しかし、実際にはただ女性だからといって特別な設計ができるわけではありません。それに、建築の専門的な知識が身についていない若いスタッフに設計を任せない会社が

          模型にこだわるわけ

          3Dパース?模型?はじめまして、多田です。ちょうど今工事中の建物の模型を作ったので、設計事務所における模型の意義を説明します。 最近の建築3Dソフトは、ハウスメーカーや他の業界でも広く使用されており、プランニングと一緒にウォークスルー機能を使用して簡単にプレゼンテーションを行うことが一般的になってきました。 3Dソフトでパースを描くのと、模型を作るのでは圧倒的に時間も手間も後者の方が掛かります。 それでも私たちの事務所は模型でプレゼンする事にこだわっています。そのわけは?

          住宅の形をつくったひとつの条件[episode#01]

          はじめに こんにちは、たけのこ建築設計室の齋藤です。 普段、住宅を設計するプロセスの中での私たちがどのように思考を積み上げてカタチを決めていくのかをお客さんのお話することがあります。 時には「目からウロコ」のように言って頂けるそのお話の内容は、これから住まいづくりを考えていく方の参考になるのかなと思い、今回よりnoteにて[episodeシリーズ]として過去のプロジェクト事案の中で、特に私たちがどのように思考し、取り組んだのかを書いていきます。 試行錯誤しながらの執筆にな

          住宅の形をつくったひとつの条件[episode#01]