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"性能"の対象ユーザー、iPhoneの機能

iPhoneの新製品が出る度に、「これ以上性能良くしてどうするの?」という意見が散見される。

「性能を上げておけばよい」というのは、いつの時代も"勝者"にのみ許されてる選択肢、特権のようにも見える。ただ性能上げていれば良かった時代、というのが日本にもかつてあった。性能を上げていれば、製品は売れた時代。

そのような時代を経験した上で、性能アップについて価値を見いだせない人は多いのかもしれない。電話が出来れば良い、メールが出来れば良い、LINEが、Webが...。確かに、「これ以上性能良くしてどうするの?」という意見は真っ当のようにも思える。

でも、落ち着いて考えて欲しい。モノには対象ユーザーが必ず存在する。このNOTEの文章も、それを見てる画面も、普段の食事も、誰かが誰かの為に作っている。また、通常多くのモノは、有形無形の人工物が複雑に組み合わさって成り立っている。

iPhoneはとても複雑な人工物だ。電話も出来るしメールも出来るが、それだけじゃない。カップ麺を作るときに3分計ってくれる機能、20分後に起こしてくれる機能、写真を撮る機能、写真を見せる機能、写真を魅力的にする機能、映画を作る機能、得た情報で誰かを好きになる機能、革命を起こす機能、かわいいアクセサリーを取り付ける機能、持っているだけで安心する機能、見る度に力がわいてくる壁紙を設定出来る機能、「新しいiPhoneだぁ」って女の子から声をかけられないかどうかワクワクして待てる機能、、、。あと、たまーに、文鎮にだってなる。iPhoneの機能全てを言い切れる人は、この世に存在しないと断言出来るほど、複雑で多機能な製品である事は、多くの人が同意してくれると思う。見いだす限りの全てを使う人もいれば、ちょびっとしか使わない人もいる。

もし、あなたが「これ以上性能良くしてどうするの?」と思ったのなら、その性能はあなたの為に用意したモノではない可能性を否定しきれない。でも、ガッカリする必要は無い。今回のアップデートで他の誰かが素敵な機能に出会えるかもしれない。性能を上げることで、機能表出の阻害要因が減る...この事について、多くの人が同意してくれると思う。

...正直に言うと、僕は今回の発表について全然満足していない。デカいし重いし割れるし置き忘れるだろうし、まだまだ色々なんとかしてほしい。でも良いんだ。誰かの可能性が広がる事が喜ばしい。

素敵な機能は自分じゃ見いだせないかも知れないけど、他の誰かが教えてくれるかもしれない。新しいアプリかもしれないし、新しい使い方かもしれない。

今よりもこの先も、モノは自由になりたがっている。多くの人が、まだ見い出していない素敵な機能に出会えることを願って。

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