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書く瞑想(ジャーナリング)について

心を整える方法として、マインドフルネスや瞑想に関心がある。古川武士の『書く瞑想』は心の赴くままに書くことで、マインドフルネスを実践する「ジャーナリング」について詳しく紹介している。本書を読了してからジャーナリングを実践しており、今日でちょうど100回目となった。今回は「書く瞑想(ジャーナリング)」について語る。

目を引く表紙とすんなり入れるイントロ

本書との出会いは行きつけの丸善本店。1階入り口そばにドーンと面陳されていた。白地の表紙に黒い字で「書く瞑想」とあり、目を引かれた。以前にnoteで書いたとおり、アンディ・プディコムの『頭を「からっぽ」にするレッスン』を読み、瞑想を実践したことはあったが、タイトルを見て、思わず「瞑想って、書きながらできるの?」と惹きつけられ、手に取った。

書くことは、自分を回復すること。
書くことは、自分を深く知ること。
人生を変える力は
自分の中にあると気づくこと。

古川武士『書く瞑想』P.9

イントロで「書く瞑想」の効用を大きなフォントを使った、詩のような短い文章で語りかける。すんなりと本論に入れる心地よいイントロだ。

書くことですべて整理されていく

専門家ではないので、詳しく語ることはできないが、「マインドフルネス」や「瞑想」は心を整えるための、非常に実践的なメソッド(方法)であり、理論の習得よりも、実践を通じて効用を得ることに重きが置かれる。

書くことを習慣として続けると、自己を回復でき、さらには自己を管理し、心の奥底に眠る本来の願望・価値観とつながることができるようになります。

古川武士『書く瞑想』P.38

毎日15分で行う「デイリージャーナリング」では、怒りや悲しみなど、心のエネルギーを損ない、「放電」した出来事と、喜びや楽しみなど、心をエネルギーを満たし、「充電」した出来事について、それぞれ書き出す。

1日を振り返って、まず放電したことを箇条書きで書き上げ(ログ)、そのことについて振り返る(セルフトーク)。次に充電したことを箇条書きで書き出し、同じくそのことについて振り返る。

先に気分を損ねた「放電」について書き、次に気分を高める「充電」について書くことで、前向きな気持ちでジャーナリングを終えることができる。このルーティーンを繰り返すことが基本となる。

デイリージャーナリングのフォーマット

毎日、書く瞑想を実践する「デイリージャーナリング」のほか、毎月、自分の行動を振り返り、書くことで心の片づけを行う「マンスリージャーナリング」や、3か月に1回、長期的な視点で人生を振り返り、書くことを習慣化する「クォータージャーナリング」など、コンサルタントとして活躍する古川が10年以上の経験を通じて、開発したメソッドが詳しく紹介されており、誰でも取り組みやすい内容になっている。詳しくは本書で確認してほしい。

果たしてその効果は?

正直なところ、三日坊主の私が毎日、心に思うことを書き続けることができるか、不安だったが、思いのほか続けることができ、今日で100回目を迎えた。イントロで謳われているとおり、書く瞑想によって、「自分を回復」し、「自分を深く知ること」ができ、その効果が実感しているからこそ、継続できている。

では「自分を回復することや深く知ることとは、どのようなことなのか?」「その先にどのようなご利益があるのか?」と問われると、私には答えることができない。これはとても哲学的なことであり、私が実感したことを他人に正確に伝えることはとても難しい。

関心を持った読者にも書く瞑想を実践してもらい、その効用を体験してもらうしかない。仮にその効用が現れなかったとしても、私は責任を負うことはできないが、正しく実践すれば、きっと自分と深く向き合う体験ができると思う。なぜなら私でもできたから。

書く瞑想のカスタマイズ

100回目を迎えたといったが、決して100日連続でジャーナリングをコンプリートできたわけではない。始めてから70日間は毎日継続できたが、あるとき中断してしまい、以降は断続的ながらも続け、今日に至る。

当初はデイリージャーナリングを本書で紹介されているとおりに実践していたが、続けているうちに放電で書くことが減り、ジャーナリングをしても、筆が止まってしまい、思うように書けなくなった。「書く瞑想」の実践で、心が整った証拠とも考えられたが、毎日のルーティーンがスラスラと進まないことは煩わしい。

そこで今では古川が紹介するフォーマットを簡略化し、放電と充電の区別も、ログとセルフトークの区別もなく、思うように頭に浮かんだことを書くことにしている。おそらく書くことや考えることの癖というのは、個人で大きく異なるので、自分に合う形にカスタマイズするのが適切な実践法といえよう。

ハシゴ本

最後に本書の後に読み継いだ、ハシゴ本を2冊紹介したい。

本書ではマインドフルネスの例として、チャディ・メン・タンの『サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)』が紹介されている。メンは元Googleのエンジニアで、ストレスフルな職場環境においても、心の平静を保つため、マインドフルネスを取り入れた人材研修プログラムを開発した人物だ。

『書く瞑想』を読み、ジャーナリングの効果を体験したことで、マインドフルネスについてより深く知りたいと思い、『サーチ・インサイド・ユアセルフ』も読んだ。今は書く瞑想だけでなく、一般的な瞑想も実践している。SIYも良書なので、ほかの機会に触れたいと思う。

また『サピエンス全史』や『ホモ・デウス』の著者として有名なユヴァル・ノア・ハラリの『21 Lessons』も挙げたい。本書のテーマはマインドフルネスそのものではないが、20代から瞑想を実践しているハラリの経験に基づき、混迷を深める世の中で、心を安定させる方法として瞑想が有効であることが紹介されている。

まとめ

古川武士の『書く瞑想』をレビューをした上で、私が実践した書く瞑想(ジャーナリング)の経験について触れた。まだまだ自信をもって、心が安定していると言うには至らないが、少なくとも実践する前よりは改善していると思われる。マインドフルネスや瞑想については、多くの書籍が出版されているので、それらを読み進めながら、自分なりに心を整える方法を確立していきたい。

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