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ブルー・キャッツ/ブルー・キャッツ (‘80)

The Blue Cats / The Blue Cats (‘80)
ストレイ・キャッツの登場により、イギリスのロカビリーシーンは盛り上がってきた。それは以前から文化として定着していたロカビリーと、新しい世代のロカビリーがシンクロするタイミングであった。そして多くのバンドが注目されることになる。本作のブルー・キャッツもそんなバンドの一つである。

カーロとステッフのエドワーズ兄弟は’77年にサウス・レベルズなるバンドで活動をしており、そのバンドにベースのデイヴ・フィリップスが合流する。そしてバンド名をブルー・キャッツに改名、クライヴ・オズボーン(サックス)も加入し、新たなるスタートに踏み切った。この時点でストレイ・キャッツが渡英し、ネオロカビリーの快進撃となる。

彼らはバンド名や出立からもわかるように、ジーン・ヴィンセント&ヒズ・ブルー・キャップスに影響を受けている。カーロ・エドワーズのプレイスタイルは、ブルー・キャップスの初代ギタリスト、クリフ・ギャラップからの影響も垣間見れる。しかしながら、単なる’50年代ロカビリーのコピーではなく、彼らの魅力はそのスウィング感にあった。’40年代のジャズ、ジャンプ、スウィングなどの軽快なグルーヴが人気を博した理由の一つである。

ロックハウス 国内盤
レーベル
ライナーノーツ
‘90年代初期のネオロカビリーシリーズ

本作のオリジナルのアナログレコードは’80年のリリースであるが、このCDは’95年に初期ネオロカビリーのシリーズとしてリリースされたものである。

この後、ベースのデイヴ・フィリップスはバンドを脱退し、自身のバンド「デイヴ・フィリップス&ザ・ホット・ロッド・ギャング」を結成する。こちらも素晴らしいバンドである。ちなみにホット・ロッド・ギャングは、ジーン・ヴィンセントが出演していた映画のタイトルである。

YouTubeの音源をどうぞ。

Spotifyには該当アルバムがないので、近い年代のプレビューを。

‘80年代初期〜中期のネオロカビリーは、その後に細分化されていくロカビリーよりも、’50年代ロカビリーと新しいロカビリーが同居する「懐かしくも新しい」部分が多かったように思う。

個人的にはアナログレコードで所有したい一枚である。

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