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42歳、8社目の転職【下】入社編

従業員200人グループ5社の人事部長だった私が、人事職で転職活動をしていたのに最後に入社を決めた会社は、自分でも想定外の、私含め9人(しかも大半が20代)の研修会社の研修講師というポジションでした。(【上】退職編【中】転職活動編

情熱を持って仕事をしているか

その会社の名前は、株式会社情熱。前職の会社のバリュー(行動指針)の一つにも「情熱を持とう」があり私は好きでした。私自身が仕事大好き人間で常に情熱を持っていたい、というよりは、情熱を持っている状態が意識せずに通常運転でありたい。退職を決めるということは、少なからず、その情熱を持てなくなっていたわけで、私にとっては、熱さは大切なことの一つでした。

転職活動を始めて1週間くらい経った頃、株式会社情熱の採用担当である日下(くさか)さんから、wantedlyでスカウトメッセージが送られてきました。実は情熱は、4年前、一度だけ、私が人事として取り引きをしたことがあった会社でした。人事職で転職活動をしていた私にとっては、研修講師というポジションはまだ次の選択としては可能性は高くなかったのですが、4年前の記憶があったので、まずは面談をお受けすることにしました。恐らく4年前のことがなければ、そのスカウトメッセージはスルーしていた可能性の方が高かったのではないかと思います。

そして迎えた日下さんとの面談。グループ会社化で4年前の社名から私の所属している社名が変わっていたこともあり、面談をしている中で、私が実は取り引き先の人事であったことを明かしていくことになるのですが、その時、私が驚いたのは、日下さんの熱さ、もっと言うと、4年前担当してくださって、現在は株式会社情熱の営業責任者である石井さんと、全く同じ熱さを日下さんから感じたことでした。

4年前、私が人事部を立ち上げてすぐに新卒採用を始めたばかりで、採用方法を色々検討していた中で、採用イベント会社の代理店として提案を持ってきてくださったのが石井さんでした。その時、採用イベントの内容そのものよりも、石井さんが熱く語ってくださった情熱という会社の熱さに惚れ込んで、採用イベントを石井さんに発注しました。採用イベント自体は他社さんの商品なので、直接的にその熱さは関係なかったのかもしれませんが、日本のビジネスパーソンを熱くしたい、という石井さんや情熱という会社の理念に私も共感することが多く、1度きりの取り引きではありましたが、石井さんに依頼することにしたのです。

今回の転職活動は、人事責任者ポジションで進めていたため、面談面接でお会いしているのはほとんど責任者レベルか経営者の方。皆さん秘めた熱さは持っているものの、日下さんのような圧倒される熱さの方は他にはいませんでした。面談が始まって20分くらいの時点で、「金谷さんは情熱に入社して必ず活躍します」と日下さんは言い切りました。「活躍していると思います」ではなく、「活躍します」と言い切ったのです。さすが、営業できる方なんだろうなーと思ったし、採用担当としても見習うべき姿勢だなーと思いました。

研修という仕事は私のスキルタグの一つだった

せんのみなとさんのキャリアツーリズムで、古民家一泊二日のキャリア棚卸しの旅を今年の4月にさせていただいた時、私のスキルタグを洗い出したのですが、私自身が考えていた以上に様々なスキルが出てきた中で、研修講師や研修企画もその一つでした。

面談で日下さんの熱さに圧倒されたので、人事職の募集ではないのに、情熱の選考を進めさせてもらうことにしました。次にお会いしたのが、取締役で情熱の研修企画を一手に引き受けている矢間(やざま)さんでした。まずはオンラインで面接をさせていただき、その後、研修のお題を事前に渡され、対面でお会いして情熱の研修コンテンツの一部を実際に矢間さんの前でやってみる講師体験をさせていただきます。選考試験の一部ではありますが、私は緊張することもなく、ただただ楽しく講師体験をさせていただきました。思えば人事として研修や1dayインターンは講師役としてやっていましたが、内容は全て私が作っていたので、人様が作ったコンテンツ(スライドや台本)をインプットして講師するということがなかったので、それすらも楽しく感じる経験でした。

講師体験をして矢間さんからフィードバックをいただくのですが、その時、情熱の研修コンテンツの設計意図も教えていただきます。それを聞いて、コンテンツの裏側はしっかりロジカルに組み立てられていることを知り、感動を覚えました。私が人事として社内で企画していた研修は、アマチュアだったな〜と思いました。

矢間さんとの面接、講師体験も無事通過して、全員参加の定例MTGを見学させていただいたのちに、最終選考は社長である水野元気さんとの面接でした。4年前に石井さんとお会いした際から、こんな熱い会社の社長にもお会いしたいと思っていたので、4年越しにそんな念願も叶った面接でした。私と同い年である水野さん。会社が10年以上続く割合が低い中で、15年を迎える会社の社長をしてきただけでも同い年として尊敬です。水野さんは面接で、会社をどうしていきたいのかということを、想像とはちょっと違って、声高らかに熱く語るというよりは、言葉を選びながら、ゆっくりと語ってくださいました。45歳になった時、50歳になった時、お互いどんな人生を歩んでいるのかな、そんな話をしました。今思い返すと、バーで飲みながら語り合っている、そんな最終面接でした。

その頃には、選考を進めていた他の会社も最終面接前後でしたが、水野さんに最終面接の場で内定は出します、とおっしゃっていただけた時点で、まだ正式な内定通知は出ていなかったものの、進んでいた他社選考は全てお断りをしました。気付けば、情熱以外に惹かれている会社がなくなっていたのです。企業理念の共感、研修講師という仕事の楽しさの再認識、お会いしてきた方々の熱さと人の良さ。そういった全てのことが、4年前の石井さんとの出会いから繋がったのが、今回の入社理由でした。

まさかの入社式。懐かしいアットホーム感。

入社式、代表の水野元気さんと。メンバー全員からのメッセージ色紙のサプライズも。

2022年10月3日。各地では来春新卒入社予定の内定式が行われている中、私は中途入社でありながら、私一人のためにメンバー全員が集まって準備してくださった入社式を開催していただきました。当日会社に行くまで知らされていなかったので、まさか自分のために入社式が行われるなんて思ってもいなく、何度も転職をしているものの見事にサプライズでした。自分の入社式は20年前の新卒入社以来だし、自分一人のための入社式は生まれて初めてでした。もう8社目の転職なのに!

8社の転職で、何千人規模の上場企業も、今の情熱よりも人数の少ない会社にも、いろんなフェーズのいろんな規模の会社を経験してきました。大手かベンチャーか、という選択肢がSNS上ではよく盛り上がりますし、実際のところ、どちらかに向いている人、という性質はある程度あると思います。一方で私の場合は、どちらもそれぞれで居心地が良いし、そこでやっていけるかは自分次第でもあり、規模やフェーズに関係なく、どちらが良い悪いではなく、単純な相性もあると思っています。100人のぼっち人事から200人の人事部長にまでなった前職に比べると、規模も職種も全く異なりますが、最後は人で選んでいる私にとっては、そこまでの違いとは捉えていないわけです。

新卒採用メインでやってきた株式会社情熱は、中途採用の受け入れは、ほぼ初めてのことだったらしいのですが、全員全力の入社式も、入社してからの1週間を振り返ってみても、ウェルカム感はハンパなく、誰に聞いてもわからないこともすぐに丁寧に教えてくださるので、今まで人事だった自分がここまで出来ていたかどうかも勉強になりますし、感謝しかありません。

入社式にいただいた感謝状。嬉しすぎます。

仕事に情熱を傾け楽しみを見出す人を増やす

休み明けの月曜が楽しみになる人を増やしたい。4年前に営業の石井さんにお会いする前から考えていたことで、情熱の企業理念とは最初から一致していました。仕事が大好きな私も、ビジネス人生の中では、上手くいかなかったり、病んだり、紆余曲折ありました。だからこそ、仕事があること自体幸せなことだと思うし、人生の大半の時間を過ごす仕事、そして人生全てをキャリアと捉えると、もっと人生を楽しめる人を増やせたらと思います。自分自身も仕事や人生にいつまでも熱くありたいし、世の中に一人でも多く、仕事に情熱を持つことで幸せになる人を増やしていきたいと思います。8社目の転職、新たな一歩のスタートです。

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ここまで読んでいただきありがとうございました!