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「デジタル看護入門」第14回 〜在宅医療とICT その1〜

 前回の最後に、在宅療養をしている患者さんにも人工呼吸器が使用されているというお話をしましたが、今回は、在宅医療における医療機器、とくに呼吸器系の解説をします。いくつか種類がありますので、簡単にご紹介します。

★HOT(Home Oxygen Therapy:在宅酸素療法)
おそらく呼吸器系の疾患の患者さんの在宅療養で、一番歴史のある療法かと思います。昔は、機械ではなく、直接、あの大きな酸素ボンベから直接、酸素吸入を行っていましたが、現在では、空気中から酸素を取り出す、吸着型酸素濃縮器が主流です。この酸素濃縮器もどんどんコンパクトになり、いまではおよそ空気清浄機ほどの大きさで、ベッドサイドに設置できます。携帯用までは、もうすこしICT技術の進化が必要であり、外出時などは、携帯用酸素ボンベを使用します。携帯できるくらいコンパクトな酸素濃縮器が開発されたら、HOT利用の患者さんのADLやQOLはグッと向上すると思います。

★CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続式陽圧呼吸療法)
睡眠時無呼吸症候群などの患者さんの在宅療養、および治療などに使用されます。様を対象に、睡眠時などに、鼻の部分を覆うようなマスクを装着し、陽圧換気で、直接、空気を送り込んで、呼吸状態を補助します。使用する機器は、ほぼ人工呼吸器と同等の機能があり、患者さんの呼吸を細かくモニタリングしながら、適切な量と強さで、呼吸による換気をバックアップしていきます。

※いま、この二つの療法は、新型コロナ感染症の対症療法として注目されていますね。医療機器の進化により、在宅でも酸素療法が、わりとスムーズに行えるようになりましたが、実際の導入についてはしっかりとした準備やサポートが必要です。また詳しく解説をしていきたいと思います。

フライトナースや離島の保健師の経験を還元できるようなバーチャルリアリティ環境の構築およびコンテンツ作成が主な研究分野です。研究のための寄付を募っております。研究の成果はこのnoteで公表していく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。