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「デジタル看護入門」「離島の保健師をやってみた」合同テーマ 番外編③ 〜実際に離島で経験した医療✖️ICT その3〜

 ICT事業導入後、2年間は、特定保健指導対象者にアクティブタグを配布し,運動面でのデータ(毎日の歩数)とバイタルサインのデータ(毎日の血圧・体重)を蓄積しながら、健診結果をもとに「ヘルスメック」という健康管理支援ソフトを使用して,健康管理や保健指導を行いました。「フレッツフォン」というテレビ電話を使用して、遠隔保健指導も実施しました。

 ICT実証実験対象者60名に対してアンケート調査を行っており、毎日の運動量の変化が、日々の生活改善のきっかけとなったと答えた対象者が半数おり、自身の健康問題や生活改善への関心の高さが分かりました。対象者にとって日々ストレスなくデータ登録が行われ、そのデータを自ら確認することによって、さらなる健康改善意識の向上が期待できることも分かりました。今回、保健師による具体的な生活改善への取り組みを行う「保健指導」を、ICT技術により遠隔的に行うことが可能となり、今までよりスムーズに保健活動を進めることができました。

 今回ご紹介したICT医療は、自身が経験した、「特定保健指導」においてのICT技術(ユビキタス)の活用でした。よりICT技術が発展すれば、さらに安定した高速通信技術を活用して、「独居高齢者の安否確認」や「引きこもりの予防」、「自宅における遠隔的な健康相談」などの保健事業や地域包括事業への発展的な実施が可能となります。

 離島における保健活動は、地域に密着しており、保健師の人数が少ない分、一人の保健師の仕事量はとても多いです。私が保健師として保健活動を行った村は離島であり、さらに村内の島々も離島でした。今後、限られたマンパワーの中で、その地域に住む住民の方に十分なサービスを提供していくためには、新しいICT技術の効果的な活用が必要になってくるかと思います。

 しかし、新しいICT技術にすべてをゆだねるのではなく、うまくそれを活用しながら、人間と人間の直接的な心の通ったやり取りを、やはり私は一番に考えていきたいと思っています。「地域のナースコール」として、この最新のICT通信技術を上手に活用することで、地域の住民の皆様の健康に対する適切な保健活動が可能となるでしょう。さらなるICT技術の進歩と発展を期待したいと思います。

※今回の内容は、当時、沖縄ローカルテレビの取材を受けており、映像が残っています。下記のyoutubeのリンクから閲覧可能です。ぜひご覧ください。

https://youtu.be/mtU7h4UXsWA



フライトナースや離島の保健師の経験を還元できるようなバーチャルリアリティ環境の構築およびコンテンツ作成が主な研究分野です。研究のための寄付を募っております。研究の成果はこのnoteで公表していく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。