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「デジタル看護入門」第7回 〜体温計とICT〜

 今回は、主流の電子式体温計と、コロナ禍で一躍有名になった非接触式体温計の2種類の体温計のメカニズムを解説します。

 電子式体温計には、おもに「サーミスタ」という、温度が変わると電気抵抗が変化する電子部品が使用されています。この温度変化で抵抗値が変わる作用を電子回路により数値化して、体温測定時に、測定値を表示します。

 測定方法としては、予測式と実測式の両方ができる電子式体温計がほとんどであり、実際の体温を測定する「実測式」の場合、ある程度の時間を必要であり、おおよそ数分から10分ほどかかります。「実測式」だけですと看護師さんのバイタルサインの測定が、体温測定だけで、日が暮れますので、看護師さんは「予測式」でほとんどの場合は、体温測定をしているかと思います。
 
 「予測式」の場合は、前回もお話ししましたが、測定を開始してからの体温上昇データ(アルゴリズム)を活用して体温を予測します。予測式は、短時間で測定できますので、とても便利ですが、あくまでも予測の数値ですので、ものすごく正確な体温測定には、実測式で測定するか、他の方法で体温測定を行う必要があります。

 そしてもともと赤ちゃんなどの体温測定をスムーズに行うために開発された非接触式体温計についてですが、最近ではコロナ禍ということもあり、感染予防のために一気に需要が高まり、いまでもなかなか入手困難となっております。

 非接触式体温計は赤外線を活用した仕組みになっています。温度のある物体は、その温度に準じた量の赤外線を放出します。非接触式体温計はこの赤外線の量を測定して体温を計算します。電子式体温計のように、ある一定の体温の変動を計算して測定値を出すことに対し、赤外線式は測定した瞬間の体温になりますので測定値に誤差が出ることがわりとあります。

 患者さん全体をサーモグラフィーのように感知し、赤外線の状況を確認することで、体温だけでなく、炎症や神経障害などの変化を確認できるような測定システムも現在では開発されています。

フライトナースや離島の保健師の経験を還元できるようなバーチャルリアリティ環境の構築およびコンテンツ作成が主な研究分野です。研究のための寄付を募っております。研究の成果はこのnoteで公表していく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。