見出し画像

★我楽多だらけの製哲書(16)★~街中で配られる冊子とルソー~

昨日は午前中に勤務校で授業をし、午後に業務委託契約している会社との関わりでオンライン会議をした。会議が思ったよりも早く終わったこと、関東のコロナ感染者もかなり落ち着いたこと、そしてタイミングよく以前勤めていた学校の同僚から食事でもどうかという誘いがあったことなどが見事に結びつき、久しぶりに小田急線を利用して、以前住んでいた街の近くまできた。

昨日は良いタイミングの結びつきが、他の様々な事象とも繋がって、良いことが連続しているように思える。昨日は、衆議院総選挙の投開票日前日にもかかわらず、以前に日本に住んでいたときならば簡単に手に入っていた各政党の政権公約をまとめた冊子(マニフェストとか政策パンフレットなど色々呼び名がある)が、街を歩いていても入手できていなかった。ビラやビラ兼うちわなどは手に入るものの、政権公約冊子を見かけなかったのである。しかし、昨日久しぶりに訪れた街の駅前で、「念願の」政権公約冊子を受け取ることができたのである。

以前に比べ、ネットによる選挙活動が主流となったことも影響しているのだろう。しかしアナログで育った私としては、画面を見て目に飛び込んでくる政権公約の情報と、冊子を見て目に飛び込んでくる政権公約の情報では、何となく後者の方が情報の重みというか、責任というか、そういったしっかりとした印象を持ってしまっている。

現在の勤務校では政治経済を担当しているので、この時期の選挙の話題はとてもありがたい。本当ならば、投開票日の前に、全ての政党の政権公約冊子を手に入れて、それを使いながら、政策について考える授業をしたかったが、残念ながらそれはできなかった。それでも、選挙の仕組みを一通り確認し、以前の選挙を材料にして、選挙に対する関心を喚起するように努めたつもりである。

スライド1

スライド2

スライド3

スライド4

スライド5

スライド6

以前集めた政権公約冊子も紹介してみた。まんべんなく集めたつもりだったが、改めて確認してみると、手に入れていた政党には偏りがあった。

今回は日本に戻ってきて初めての国政選挙である。ここ7年間くらいは大使館で在外投票するのが当たり前になっていたので、国政選挙の投票は本当に久しぶりである(まあ、7月に都議会選挙で投票はしているので、日本国内での投票自体が久しぶりということではないが)。

マニフェスト2

マニフェスト1

一方、シンガポールは5年ごとに選挙が行われ、2015年の選挙のときは、タクシーを乗り継いで、授業の空き時間にも外出して、様々な選挙区のポスターを撮影して回った。そして、去年、5年ぶりにシンガポールの選挙があった。私は日本にいたので、撮影や資料集めはできなかったが、私がかつてそうやって撮影したり資料を集めたりしていたことを覚えていてくれたシンガポールの知り合いが、わざわざ新聞やら政党のパンフレットやらを集めていてくれた。それを、出張で日本を訪れた際に手渡してくれたのである。

シンガポールは与党である人民行動党(PAP)が議席のほとんどを占めている事実上の一党独裁制である。以前に比べ、いくつかの選挙区で野党が議席を奪うようになってはいるものの、政権交代には程遠い。それでも、各党はパンフレットを用意して、自分たちの政策を国民に訴えかける。

そしてパンフレットから、シンガポールが多民族・多文化の共生を大切にしている国であることをうかがい知ることができる。パンフレットは、同じ内容が英語・中国語・マレー語・タミル語(インド系)で示されている。(以下で、シンガポールの選挙のパンフレットを紹介しておく)

日本も多民族国家であるが、複数の表記をすることは見かけない。だが、もし複数の表記をするとしても、同じ内容を異なる言語で表記すると印刷代が気になるという意見が出てきそうな気がする。だが、それは選挙と公約との繋がりを軽んじたものではないだろうか。

「イギリスの人民は自由だと思っているが、それは大間違いだ。彼らが自由なのは、議員を選挙する間だけのことで、議員が選ばれるやいなや、イギリス人民は奴隷となり、無に帰してしまう。」

ここから先は

379字 / 4画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?