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★我楽多だらけの製哲書(48)★~数字の持つ意味とジョン・ミルトン~

今日は2022年2月22日である。
これだけ同じ数字ばかりになると、何となく特別な日に感じてしまう。
2022年2月22日なので、「2」が6個であるが、同じ数字がたくさんある月日のトップは11月11日であり、2011年11月11日も「1」が6個であった。11月11日は月日で既に「1」を4個持っていて、しかも月日で同じ数字を4個持てるのは「1」だけである。

だからこの先の2111年11月11日には「1」が7個も揃うことになる。さらに100年以上経てば2222年2月22日という全てが「2」になる日がやってくるが、「2」は月でゾロ目を作ることができないため、7個止まりである。

そう考えると、現在から見たときに同じ数が多い年月日というと、1111年11月11日であり、このときは「1」が8個もあったわけである。もちろんこの先、9000年以上経てば西暦が1ケタ増えるので、もっと同じ数が多い年月日は出てくるだろう。しかし、そのとき地球が存在しているかは分からない。

さて、これまでで一番同じ数字が多く、しかも全て同じ数字であった1111年は一体どんな時代だったのだろうか。

日本では、1111年(天永2年)に、白河上皇が院政を行っており、この年に天永の記録荘園券契所が設置されたようである。ただ、後三条天皇が初めて設置した延久の記録荘園券契所や、後白河法皇の時代の文治の記録荘園券契所などは、同時期に出された荘園整理令に対応した荘園の整理・調査の機関(令外官)と考えられるが、天永のものについては全国的な荘園整理令が出されていないため、これを延久や文治のものと同列に扱うことができるかについては議論がある。

ヨーロッパでは、神聖ローマ帝国の皇帝としてハインリヒ5世の戴冠式が行われたのが1111年とされている。彼は、ハインリヒ4世の息子である。ハインリヒ4世といえば、ローマ教皇グレゴリウス7世と対立し、破門されたため、雪が降る中で3日間許しを求めた「カノッサの屈辱」で知られる人物である。ハインリヒ4世はその後もローマ教皇に反撃し、教皇の追放に成功するが、息子であるハインリヒ5世の反発によって廃位されることとなった。

他の地域についても1111年にどんな出来事があるか調べてみたが、ピンポイントでこの年に起こっているものを探すことはできなかった。

さて、夕方のニュース番組でもやはり今日は2がたくさん並ぶ日であり、もともと2月22日が「にゃんにゃんにゃん」で「猫の日」とされているが、さらに2022年ということで「スーパー猫の日」と呼ばれていることが報じられていた。

このような数字の並びなどについて、それぞれに意味を持たせるものは「エンジェルナンバー」と呼ばれている。その中でも同じ数字が揃うゾロ目は特に縁起の良いものとして紹介されることが多い。さらにスロットゲームなどでも、同じ数字が揃うと大当たりになるので、縁起が良いというイメージが強化されているのだろう。

しかし、ゾロ目であればどんなものでも縁起が良いわけではない。

「16 また、小さき者にも、大いなる者にも、富める者にも、貧しき者にも、自由人にも、奴隷にも、すべての人々に、その右の手あるいは額に刻印を押させ、」
「17 この刻印のない者はみな、物を買うことも売ることもできないようにした。この刻印は、その獣の名、または、その名の数字のことである。」
「18 ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は六百六十六である。」

これは新約聖書の「ヨハネの黙示録」第13章の言葉であり、ここでは「666」が獣の数と記述されている。この「666」がネガティブな数字とされるのかについては、様々な説がある。また、この「666」という数字のネガティブなイメージを強化したものとしては、映画の『オーメン』がある。この映画には、頭に「666」のアザを持つダミアンという孤児が登場する。そして彼は悪魔の子として話が進んでいく。

「ヨハネの黙示録」や映画『オーメン』に登場する「6」という数字は、聖書の世界では不完全な数字とされるものである。旧約聖書の「創世記」で、神が天地創造を完了したのが「7」日間であることに関連し、他の部分においても、7つのラッパ、7人の天使、7つのパンなど「7」は神に関わる数字として扱われている。

これに対して、「6」は、神の数字であり完全な数字ともされる「7」にたどり着けなかったものと考えられ、神的な存在になれなかった堕天使ルシファーを表すと考えられている。そして、堕天使ルシファーは、サタン(悪魔)と同一のものとされている。そのため、「6」は悪魔の数字なのである。

イギリスの詩人ジョン・ミルトンの著作『失楽園』では、ルシファー(サタン)は神に反逆し、戦いに敗れて地獄へ落される。そして、神の元にいるアダムとイブを堕落させるため、ルシファー(サタン)はヒキガエル(ガマガエル)に姿を変えて、イブに囁き、悪い考えを吹き込もうとするのである。この作品はルシファー(サタン)のイメージに大きな影響を与えたとされている。

「善良な人間以外に自由を心から愛せる者はいない。それ以外の人間は、自由ではなく、放縦を愛しているのである。」
これはジョン・ミルトンの言葉であるが、人間は自由と放縦を勘違いしがちであり、善という神的な要素を備えなければ、人間は過ちを犯してしまう人間の弱さ・脆さを示しているように感じる。そして、この弱さ・脆さゆえ、堕落した象徴的な存在がルシファー(サタン)だったのではないだろうか。

さてゾロ目に話を戻すが、ゾロ目にも縁起が良くないものがあることが分かった。しかし、縁起が良い数字かどうか、最初のうちは数字と密接なエピソードを用いて、数字の意味づけが行われてきたので、それなりの説得力があったと思う。しかし「エピソードがあるから意味がある」という流れは、いつしか「何とか意味を持たせるためのエピソードを捻り出そう」というものになってしまっている気がする。だから、数字によってはその意味に強引さを感じずにはいられないものも散見される。

この流れは日付にもいえる。2月22日が「猫の日」というのはまさにその代表例である。「にゃんにゃんにゃんだから猫の日」という理由は、単に音だけであり、強引さを感じずにはいられない。他にも強引なものがあり、2月22日は様々な理由から「忍者の日」や「食器洗い乾燥機の日」でもあるらしい。これはまさに「理由があるから日付に意味を持たせる」ではなく「何とか意味を持たせたいからこじつける」という流れである。

ちなみに、今日は「乃木坂46の日」でもあるらしい。

(この投稿では関連する写真が特にないので、ルシファーが姿を変えたとするヒキガエルにちなんで、我が家のルシファーの様子を紹介しておく)

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(以下で我が家のルシファーを紹介)

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