見出し画像

「5年後も、僕は生きています ㊿「さとりをひらいた犬」執筆と出版」

㊿「さとりをひらいた犬」執筆と出版

2019年の12月にSBクリエイティブの吉尾編集長のご助力のもと、僕のガンからの生還体験記「僕は、死なない。」が出版されました。

原稿の出来も良かったことと、なにより吉尾さんが

「僕の目標のひとつは、刀根さんの本を定期的に出版することです」

と、ほんとうに嬉しいことを言っていただいたこともあり、僕は早速以前書いた原稿をいくつかお渡していました。

僕は10年ほど前からっ下手くそなりに小説を書いていて、何回か応募した経験もありました。もちろん、全部一次審査すら通りませんでしたが。

そのなかに「ジョンの冒険」がありました。

主人公の猟犬、ジョンが自分の魂の声を聴き、冒険の旅に出て、様々な存在と出会っていく中で成長していくというストーリーです。

この物語を書き始めたきっかけは、心理学のセミナーです。

僕は当時(というか、今でも)交流分析/TAという心理学を教えています。

企業研修という形であったり、主催セミナーであったり、形は様々ですがメインコンテンツはTA(交流分析)です。

そう、おおよそ10年前のその日も、僕はTAを教えていました。

その日はTAの中でも最も根深い部分である「人生脚本」を取り扱っていました。

「人生脚本」とは、9歳から12歳をピークに「私は~生きていき、~して死んでいく」という無意識の脚本、プログラムです。

人生脚本には大きく3つあり、

①勝者
 「私はOKだ、私は出来る」という自己概念がベースで、それをベースに自分の可能性を発揮する「生き方」

②敗者
 「私はダメな人間だ」という自己概念がベースで、自分の可能性を発揮しない自滅的な「生き方」

③非勝者
 自分の可能性の一部しか発揮せず、目立たずに安全に人の後ろについていく「奴隷的」な生き方

誰でもこの3種類は持っていて、その色合いや使いやすい脚本があり、それらが複雑に絡み合って人生というタペストリーを織りあげています。

いちばん問題になるのは敗者の脚本ですが、これには最悪の行きつく先というものがあり、それはというと…

①病院…重い病気になる、あるいは何度も病気を繰り返す

②刑務所…何度も犯罪を犯す

③墓場…①と②を通り抜けて、墓場へ

僕の場合、この心理学、TA的な見地から見てみると、こういう心理学専門家と言う仕事をやりながらも、無意識の底に埋め込まれていた強い敗者の脚本に気づかずに、その脚本通りに、肺ガンステージ4になったんだと、説明することが出来ます。

TAに興味がある方は、時々セミナーやっていますので、来てくださいね。

さてさて、心理学の話はこれくらい位にして、その人生脚本のセッションの中に、「自分を動物に例えて、童話を書いてみる」というセッションがありました。

その例え方も「~をしている、〇〇」という例え方です。

「昼寝をしている、猫」

「お散歩している 犬」

「森で遊んでいる ウサギ」

約20分の持ち時間で、受講生たちがみんな書き始めました。

とたんに僕は暇になりました。自分の机に集中しているみなさんの顔を眺めながら、「あ、僕もちょっと書いてみよう」と思いつきました。

最初の動物ですが、どう考えても「犬」しか思いつきません。

そこでここは「犬」しました。

つぎに{~している」ですが、僕は就職した時は営業マンだったので、「猟犬」がピッタリでした。

名前もすぐに出てきました。

「ジョン」です。

なぜだか分かりません。

どこから出て来たかも、分かりません。

ただただ、直感がささやいていたのです。

名前は、ジョン。

そして、ジョンは「僕」と。

そう、これが「猟犬・ジョン」誕生の瞬間でした。

僕のその後の人生を辿ると、営業マンを退職し、いろいろな仕事を点々としました。変わった仕事は片手では数えられません。

ドイツ製掃除機の訪問販売

トラックの運転手

エアコン掃除の会社設立

北海道の怪しい石の販売

カルチャースクールの企画と運営

日本最大級の教育会社で企画や人事

心理学の講師

まだまだあったかな?

忘れました(笑)。

ま、とにかくいろいろな道をだどって、今ここにたどり着いていました。

主人公「ジョン」が人間の元を脱走するところまでは、すぐに「想定」出来ました。

なんたって、僕もそうでしたからね(笑)。

「魂の声を聴く」

当時営業マンだった僕は、僕の先輩たちや上司たちを見ながら、

「僕もこうなるのか?」

「これで、いいのか?」

「これが、僕の生きたい人生なのか?」

そういう問いかけが心の中に渦巻いていました。

そう、それが「さとりをひらいた犬」のダルシャの呼びかけとなって、あらわれたのです。

「お前は、ほんとうの自分を、生きているか?」

「生きるのと、生存するのでは、その形態は決定的に違うのだ」

「お前は、ただ、生存しているだけだ。生きては、いない」

これは、書かねば!

僕は講義が終わった後も、僕は憑りつかれたように、物語の続きを書き始めました。

すると、出てくる出てくる、次々と新たな展開と、登場人物たちが。

そして10万字を超える大作となったころ、物語は完結しました。

何人かの人に読んでもらったところ、面白かった、という評価も頂きました。

僕の最初の本「ストローク・ライフのすすめ」を出版していただいた編集の佐藤さんにも読んで頂いたところ

「これはアニメ化するといいね」

と言っていただきました。

でも、そのときはそれで終わりました。佐藤さんを通じて何社か当たってみたものの、反応がありません。

そう、いまから振り返ると、その現然たる理由が分かります。

あのときのあの原稿は、まだまだ未完成、不十分だったのです。

あの原稿を完成するためには、僕が「肺ガンステージ4」という体験を通り抜ける必要があったのです。

あれから約10年の歳月が流れ、2021年、「僕は、死なない。」の何度目かの増刷がかかったころ、吉尾さんと僕のどちらともなく、次の本についての話になりました。

「あの犬の話、いいですよね」

吉尾さんが言いました。

「ああ、ジョンの冒険、ですね。あれ、僕が一番初めに書いたものなんです」

「あれ、いいと思います。次はあれでいきませんか?」

こうして、僕の次の本が決まりました。

原題は「ジョンの冒険」。

正式名はまだ決まっていません。

でも、僕はジョンが僕の手元からこの3次元世界に飛び出していく姿が浮かんできて、ワクワクしてきました。

吉尾さんと会った翌日から、「ジョンの冒険」のリライトを始めました。

そして、それが驚きだったのです。

本編の大まかなストーリーや登場人物は変わらないものの、話の展開、登場人物たちからあふれ出す「言葉」、その「メッセージ」が全く異質で深いものに変わったのです。

それはまさに「書かされている」という感覚でした。

僕がどこか「創造の源」みたいなところにつながっていて、そこからエネルギーのパイプラインみたいなものに接続し、僕という翻訳機で文字となって3次元世界に出現している…

そんな感じです。

ですから、僕が「最初の読者」なのです。

出てきた文章を見て

「おお! すげ~ いま、これ言うのか!」

と、驚き、

話す言葉を書き留めながら、一緒に涙を流し…

それは僕にとって「至福」の時間でした。

「創造の源につながる」というのは、自分を超えた大きなエネルギーとつながることです。

それは、「自分」を「超える」ところからやってきます。

そして、それはぼくにとって「至福体験」以外の何物でもなかったのです。

こうして約2か月半ほどで、新しい原稿が完成しました。

2021年の8月頃、言葉の取り回しなどの細かな修正を終え、喫茶店で最終原稿のチェックをしている時でした。

突然、何とも言えない感覚が襲ってきました。

それは言葉に表すことは難しい「感覚」だったのですが、強いて言葉に表すと

「僕は、この本を書くために、生まれた」

「僕の人生は、すべてこの本を書くためにあった」

「肺ガンになったのも、そこから生還したのも、すべてこの本を書くためにあった」

その瞬間、涙が溢れて、僕は喫茶店で号泣しました。

こうして「ジョンの冒険」は、僕の手元から旅立っていきました。

あとは敏腕編集者、吉尾さんのお仕事です。

吉尾さんは素晴らしい西淑さんという素晴らしいイラストレーターを見つけ、ついにジョンがビジュアルになりました。

スッキリとした風貌、碧く澄んだ瞳…

ジョンの瞳に吸い込まれそうです。

他の登場人物(動物)たちも、素晴らしく魅力的です。

千里眼のクーヨ

大熊ゾバック…

特に癒しの女神「シャーレーン」は、著者である僕の想像を超えるオーラを放っていました。

装丁もすばらしく、どこでページをめくらせる、ということが丁寧に計算されていて、まさに読者がジョンに成り代わって冒険を繰り広げる展開になっていました。

そして、題名が決まりました。

「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」

名前をつけてくれたのは、吉尾さんです。

こうして「ジョンの冒険」は、数段階もバージョンアップして「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」に生まれ変わったのです。

2021年12月20日、「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」が出版されました。

今回はスピリチュアル界の大御所である「山川紘矢さんと亜希子さん」のご推薦を帯にいただきました。

大変光栄なことです。

本を読んだ方から

「この本は、私のバイブルになりました」

「この本があれば、生きていける」

「この本で、人生が変わりました」

そういうご感想を、たくさん頂きました。

僕もそうです。

この本は、僕の宝です。

いま、ジョンは僕の手元を離れて、ひとりで旅立っています。

ジョンがひとりでも多くの人と一緒に冒険を繰り広げることで、多くの人たちの人生に、魂の声に出会い、「ほんとうの自分を生きる」お手伝いになることを願ってやみません。

がんばれ、ジョン!

道のりは、まだ長いぞ!

51へ続く

第1話から読みたい方は、こちらから読むことが出来ます。

第1話から読みたい方は、こちらから読むことが出来ます。

肺ガンステージ4からの生還体験記です。
ベストセラーになりました。


「読んだら人生が激変する」とご紹介頂けるほど、ご推薦いただいて感謝しかありません。10分ほどの画像です。よろしければ見てくださいね。

★4月24日の講演画像です


いわぶちゆういちさんの「ぶちの気ままライブ」出演させて頂きました。「さとりをひらいた犬」を書き始めたきっかけ、書いていた時の想い、感じたこと、その体験などを中心にお話させていただきました。
よろしければ、ご覧くださいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?