24.キイトルーダへの挑戦

 この時期、A病院では、免疫チェックポイント阻害薬の「キィトルーダ」を3週に一度のタイミングで点滴投与することになりました。
腫瘍マーカーであるCEAは32、シフラは4となっています。
しかし残念ながら最終的には4回のみの投与で中断することになりました。それは投与後の副作用として、息切れが激しく、また長い期間、咳が止まらず続き、それとともにホルモン分泌異常も生じ、甲状腺数値が0.01(基準値は0.5~5)と低く、代謝の低下で倦怠感も酷くなり、内分泌専門医の診察、治療を受けることになりました。

しかし検査結果の甲状腺エコー検査では「異常なし」とのことです。ただ身体の状態は増々辛くなり、食欲もなく、起き上がること自体も苦痛となり、血圧も95~56と高血圧気味の私には考えられない数値となっていました。その旨を担当医師に伝えるのですが、返ってくる言葉は相変わらずの「副作用だから、我慢しなさい」の一言でした。

 私の身体はいつもの状態とは全く異なり、この数週間寝たきりの生活、身体の節々も痛く、歩行もままならぬ状態である旨を、福岡の藤本先生に伝えると、すぐに「副腎機能障害」の疑いがあるとのことで何としてでも福岡の同クリニックまで来所するようにとの指示でしたが、動くにもひと苦労。「来週にでも伺います。」と伝えると「来週では遅すぎる。死にますよ。」との驚きの言葉です。

 A病院での血液検査ではナトリウム等の数値も異常なく「副腎系ではない」と聞いていましたが、そこは信頼する先生の言葉です。這うようにして義弟の送迎で伺いました。検査ののち、おそらくステロイド系の点滴だったのでしょうか。30分後には血圧も120―85となり、驚くことに身体の痛みもおさまり、別人のように体調もすこぶる快調となりました。
同先生からは「キィトルーダ」は中止するようにとの指示もあり、同時に検査の結果、コルチゾールの数値が0.47(基準6.24~18.0)で副腎機能障害であり、ひどくなれば生命にもかかわる状況とのことでした。
A病院での検査とは視点が違っていたのでしょうか。再び藤本先生には助けて頂いたようです。

その後2018年1月のA病院での検査入院において、ストレス、咳などでホルモン分泌が少なくなる「ACTH単独欠損症」との病名で、低下しているコルチゾールを上昇させる「コートリル」錠を毎日服用し、数値も14まで上昇、現在まで4年近く朝、夕の服用を続けています。それにしても担当医師からは数ケ月遅れの結果報告でした。

 2018年4月には時折38度台の発熱と倦怠感、咳もひどく、閉塞性肺炎との診断でA病院へ緊急入院しましたが、退院後も暫く倦怠感が続き、ゴールデンウィーク期間で休診のところを福岡の藤本先生に点滴をお願いすることもありました。その後CEAも77(前回39)シフラ9(前回4)へと上昇し、CT検査でも肺の下部から上部にかけて大きくなっているとのことでした。また熊本の脳幹などの定期検査時でも、同時に検査をしてもらった肺の腫瘍は8.6センチへと大きくなっている旨の指摘を受けました。
A病院では中断していた「キィトルーダ」を再開されましたが、以前の厳しい副作用の事もあり、新たに「テセントリク」という薬を要望しますが、またまた「あなたには効果はない」との返事で「試してみなければわからないのでは」と申し出ますが、鬼に金棒を持った担当医師は無視。

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