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育休から戻ったら仕事が無い?闇落ち期間を経て見つけたものは

先日、大阪の中之島美術館で開催していた岡本太郎展を見に行きました。
ビビっときた言葉はいくつもあったのですが、特に刺さったのが「マイナスに飛び込め」「心地よくあるな」といった言葉たちです。

私の平安伸銅での役割は、外の世界に飛び込んで、感覚を、感性を研ぎ澄ませ、たくさんのことを吸収して会社に還元すること。どちらかといえば本能的に、自ら変化を起こし、周囲を巻き込んで突き進んでいくこと、だと思っています。「みんなの才能を爆発させるきっかけを提供すること」とも呼んでいたり。

同じ経営者である夫は対してロジカルに、それらを実現するための仕組みを整備していく役回りを担ってくれています。社長と常務という職務で仕事内容を区切るのではなく、お互いの強みと弱みを補い合うように働いている、おそらく経営の形としては珍しいのではないでしょうか。

会社を継いだ当初からそうだったわけではなく、そんな風に「みんなの才能を爆発させる」役回りをより意識するようになったのは、割と最近の話です。

子どもが生まれるまでは、夫との明確な役割分担はなく、目の前の課題に対してできることをお互いに巻き取って仕事を進めていました。夜中まで作業することもあったし、講演会やさまざまな立場の人が集まる勉強会など、時にはいろんな世界に飛び込み、そこで得たエネルギーを会社に吹き込んでいきました。

2015年、LED関西(近畿経済産業局主催)にて

でも、子どもを産んで半年間の育児休暇を取り、職場に復帰すると、私の仕事は無くなっていました。休む前に実務的な仕事はすべて夫やメンバーに引き継いだので当たり前です。

目の前の実務をやろうとすると「これはもう他の人ができるんだから、かよさんの仕事ではないのでは?」と取り上げられる(この時は「取り上げられた」と思っていた)。子どもはもちろん大切だけど、育児もあり前のように外の世界に飛び込むこともできず、新しいアイデアもエネルギーも沸いてこない、動ける時間も行動範囲も限られてくる。

じゃあ今の私がやるべきことって何??というか、私が何もしなくても会社が回るのなら私って要らなくない?とそれはもう、かなり病みました(この時期を「闇落ち期」と呼んでいる)

会社どころか家族も崩壊の危機でしたが、時間をかけて自分と向き合う中でたどり着いたのが、やっぱり私は外の世界に飛び込み感覚を研ぎ澄ませ、そこで得たものをエネルギーに変えて会社に吹き込み、みんなの才能を爆発させていく役割を担うべきで、それができないと、羽をもがれた鳥のごとく仕事どころか生きる糧も失ってしまうという結論でした。

夫も、このまま私に家の中で鬱々と暮らされるよりも、外に出てポジティブなものを持ち込んでくることが会社にとっても家庭にとっても良く、自分が今より子供の面倒を見る時間を増やすことでそれが実現できるなら。と、必要なサポートをとってくれるようになりました。

とはいえコロナで外に出る機会が制限され、なかなか理想通りにはいかなかったのですが、最近、人に会うことが徐々に解禁になり、ようやく実現されようとしてきています。じわじわと羽がまた生えて会社の中にエネルギーを吹き込む機会が整ってきました。

そんな機会や環境を整えてくれている主人やメンバーたちには感謝の思いでいっぱいです。そしてその分、とことんまで外の情報を吸収し、会社の中にエネルギーを注ぎ込むことが私が全うすべきことだと思っています。きっと、その行動が極端さを増すほど、反発にあうことも、大変なことに向き合う場面も増えてくるのでしょう。でもそのたび、岡本太郎の言葉を思い出しながら、マイナスを恐れず、また新しい世界に飛び込んで才能を爆発させ続けていきたいと思います。

2022年10月、大阪市内のイベント「えほんpicnic」でメンバーと

そういえばこの前、夫が某有名人が会社の社長とは、について語っている動画を見せてくれました。
『会社の社長ってさ、常識もないし当たり前のことができないバカばっかり!!

でも、そういうバカってさ、普通の人がためらう挑戦を恐れないの。で、そういうバカの周りに優秀な人が集まって、結局なんとかなっちゃうんだよねー』

夫は言う「ね、かよちゃんは、この通りだからそれでいいんだよ。」

・・・・バカで上等だい!!


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