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竹馬舞台評「遥かなる空」〜最先端の笑いと遭遇してしまった話〜

先日、友人が役者として出てる舞台、「遥かなる空」を観てきた。ストーリー、演技、歌、殺陣、生演奏、とても良かった。お疲れ様、友人🌻

まぁそれはいいんだ、それはここでは置いておこう。

ひとつ、観劇していて衝撃を受けた出来事があったのだ。

正木慎也だ。

竹馬の観た回、なんとゲストに旧ジャニーズの正木慎也が出てくる回だった。

まぁそれは前情報として知っていたのだが、ゲストといってもチョイ役で出演したりアフタートークで出てくるくらいのもんかなと思っていた。

竹馬は知らなかった。正木慎也が時空を超えるという事を—————。

物語の後半戦、話も佳境に差し掛かるといった祝賀会の場面でその事件は起きた。

「特別ゲストにお越しいただいています!」

政府側の役の方がそんな感じの掛け声をすると、それはどこからともなく現れた。

正木慎也だ。

しかも、「2065年の和国で流行りのスーパースター」役とかそういった生ぬるいものではない。

正木慎也だ。

そこにゲストとして現れたのは正真正銘正木慎也役の正木慎也だった。

正木慎也が普通に正木慎也として出てきて正木慎也のライブが始まったのだ。


しかもそれだけではない。驚くことに正木慎也、ちゃんとコメントは世界観に沿いやがるのだ。
ちゃんと「この度はこの祝賀会に招待していただき…」とか言うのだ。


ストーリーの中休みとして一旦世界観をお休みしてライブするってのならまだ分かる(金曜ロードショーで言うところのスバルのcmみたいな)。だがそうではなく、世界観はそのままに、そこに正木慎也が現れたのだ。「2019年」の「日本」に生きるはずの正木慎也が「2065年」の「和国」にいるのだ。そして正木慎也は3曲ほど歌ってから帰っていき、まるで何事もなかったかの如くストーリーが再開した。

正木慎也は激戦間近の緊迫した場面にコンビニ寄るみたいな感覚で時空超えて来やがったのだ。革命軍との戦いが目前に迫ってるんだぞ。「そ〜れそれそれお祭りだ〜!」ではない。

その衝撃たるや、それまでの前半パートが正木慎也登場の為の壮大な前フリに見えたレベルである。 それ以降なんてもう頭の片隅でセルフbgm「そ〜れそれそれお祭りだ〜!」がチラついてしょうがなかった。


そして壮大な、本当に壮大な物語の終演後、竹馬の心に残ったのは、因果に巻き込まれ死んでいった者達の想いか。それとも家族や仲間、国を想う心か。身分や階級、立場を超えた愛か。それとも最後まで潰えることのなかった朧の行く末か。

いや、正木慎也だよ。

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