見出し画像

イビルアイ(2022)

「パラドクス」「ダークレイン」で注目されたメキシコのアイザック・エスバン監督の新作「イビルアイ」を観た。

都会に住む13歳の少女ナラは、奇妙な病気にかかった妹の療養のため、家族とともに母の田舎である村にやってくる。そこには年老いた祖母がひとりで暮らしていた。

妹の治療のためだと両親が出かけてしまったため、姉妹は慣れない田舎で祖母と過ごすことになるが、次第に不穏な空気が漂い始め、ナラは祖母が人間ではない何者かであると疑い始める…

予告編で、田舎に行ったら祖母が怪物だった的な単純なホラー映画かな?と甘く見ていたら、とんでもない。かなり捻りのあるアタマの良い脚本に感心しました。

不慣れな場所に不安を感じる少女の思春期の幻想か、または夢か…とも思わせつつ、かなりツイストの効いた後半に持ち込む荒技が見事。

全体のトーンとしては「狼の血族」あたりを思い出しました。

予備知識なしに、これは観るべき!

【以下、ネタバレです】

田舎に帰って母と祖母が最初に交わす会話のがこちなさ、ナラの台詞「お母さんは、自分のお母さんのことを名前で呼ぶじゃん!」、祖母の顔が徐々に包帯に包まれていく過程など、終わってみれば最初から丁寧に伏線を仕込んでいたのがよくわかる。

祖母の家にあった昔のアルバムを見ているうちに、親子3代の写真だと思っていたのが実は…と本当のことがわかり、ラストの祖母の策略に結びついていくあたりなども巧すぎる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?