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65/シックスティ・ファイブ(2023)

久々に凄い映画を観た。スコット・ベック&ブライアン・ウッズ脚本・監督「65/シックスティ・ファイブ」。これは… ビックリしたなぁ!!!

まず、予告編で「未知の惑星に不時着した。そこは6500万年前の地球」と説明がされて、主人公を演じるアダム・ドライバーが英語を喋ってる姿を見ていたので、てっきり「猿の惑星」のようなタイムスリップ物かな。どうやってタイムスリップして、どうやって元の世界に戻るのかな?と考えながら劇場へ…

正直、とはいえ予告編がイマイチなのと、脚本・監督コンビを個人的には信用していないので(過去作の脚本を良いと捉えていないので)不安を抱きつつ、製作がサム・ライミってとこに一縷の期待を持ちながら。

そしたら、映画ののっけから、アダム・ドライバーは惑星ソマリスの人で、病気の娘の治療費を稼ぐため探査船で2年間宇宙を捜索する任務に出たが、宇宙で隕石群にぶつかって宇宙船は大破し、謎の惑星に不時着するというシチュエーションが描かれ、どどーん!と「65」というタイトルが出て、テロップで「6500万年前の地球に他の惑星から訪問者が不時着した」と、文字情報だけで舞台設定が説明されちゃう。

そもそもアダム・ドライバーがそのまんま英語圏の地球人にしか見えないんだけど、「彼は惑星ソマリス人です」ってテロップで説明したわけで。しかも、たどり着いたのは6500万年前の地球ですって… 全部文字で説明しちゃうのかよっ!?

その後は、彼の他に唯一生き残っていた少女と2人で脱出ポッドを探すために地球上を彷徨うわけですが、この6500万年前の地球ってのは恐竜が闊歩しており、しかもたまたま今夜は隕石が地球に降り注ぎ恐竜たちが絶滅する日だから大変だ!! という前提で、木から落ちたり、沼にはまったり、洞窟から抜け出せなくなったりと、"よくあるちょっとしたピンチ"が次々と彼らを襲う。

ライドアトラクションのようにタイミングを見計らって必要なときだけ登場する恐竜も、なんとも言えない…(逆に、作りがライドアトラクション的である。)

「どんな映画でも観なければ、良し悪しの判断は出来ないんだから、まずは観るべし!」という気持ちで常に前向きに映画に対峙するスタンスの僕ですが、さすがにこの作品の"想像力のなさ"には「観なくてよかったなー、これ…」と思わざるをえませんでした。こんな思いを抱かせるレアケースな「65」は、凄い!?

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