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リンダはチキンがたべたい!(2023)

キアラ・マルタ&セバスチャン・ローデンバックが監督・脚本を手がけたフランスのアニメーション映画「リンダはチキンがたべたい!」を観た。アヌシー国際アニメーション映画祭2023の長編アニメーション部門クリスタル賞受賞作品。

筆で描いたような描線とキャラクターごとに単色で塗られている独特の色彩表現がポップで、それぞれのキャラクターが賑やかに動くのと相まってとにかくカラフルで楽しい画が躍動する。それだけでも見る価値がある。

リンダが赤ちゃんだった頃のかすかな記憶は、ママのお気に入りの指輪と、パパが作ったパプリカ・チキン。とっても幸せな食卓だったのに、パパが突然消えてしまい、いまは少ししか思い出せない。

8歳になったリンダは、ママとふたり暮らし。ある日、ママの勘違いで叱られたリンダは、お詫びに何でもするというママに「明日、パパのパプリカ・チキンがたべたい!」とリクエスト。

次の日、ふたりはチキンを買いに出かけるが、なんと街はその日、肉屋もスーパーもストライキでやっていない! それでもパパのパプリカ・チキンを譲れないリンダのために、ママは鶏を飼っている家から生きたままの鶏を盗み出す。

そこから先は、逃亡する母娘、追いかける警察、逃げ出す鶏、鶏を追う母娘、リンダを手伝おうとする友達たち、尻拭いで振り回されるママの姉、次々と巻き込まれる周囲の人々… と、とんでもなくクレイジーなてんやわんやのドタバタ劇が繰り広げられる。

とにかく、このママの行動がめちゃくちゃで、僕みたいな"長男タイプ"からすると目を覆いたくなる惨状に、お姉さんの苦労に同情しちゃうわけですが、この物語の中でママがまともなら、こんなハチャメチャ劇にならないから、仕方ないか! ま、キャラクターの絵が可愛いから許せちゃうよね。

【以下、ネタバレ】
たくさんの人を巻き込んだ大騒動のあげくに、無事にパプリカ・チキンは作られて、街の人も一緒に幸せそうに食べて、いくつかの新しい人間関係も出来て、リンダはパパの記憶を取り戻してハッピーエンド。いろいろあったけど、終わり良ければ全て良しってとこかな。

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