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正義の行方(2024)

1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された「飯塚事件」。状況証拠の積み重ねとDNA型鑑定などで犯人とされた久間三千年被告は、2006年に最高裁で死刑が確定、2008年に福岡拘置所で刑死した。

しかし、後にこの初期のDNA鑑定の精度に疑問が呈されたことで、被告が真犯人である証拠は揺らぐ。

何よりも悲しいのは、登校中の小学生一年生女児ふたりが殺されたこと。それは、許し難い。その犯人を捕らえようと必死に捜査した警察と、それを追ったマスコミ。

そして、犯人とされながら無実を訴えた男と、その家族。さらに、男を無実だと信じた弁護団。こちらは、無実の人間が死刑にされたことは許されないことだと主張する。

登場する誰もが自分の信じる"正義"を追求し、"正義"のために全身全霊をかけて事件に挑む姿を、どちらにも加担しない視点で描くドキュメンタリー映画。

これだけ時間をかけて、これだけ多くの人が事件の解明に挑んだ結果、いまだ誰もが納得できる結論に至らない事件は、もはや全てが解明することはないのだろう。

先だって観た「落下の解剖学」が頭をよぎった。

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