理系大学生がアルバイト先と裁判をしてみた 〜労働基準監督署へ行った編〜

 さて、不信感が募り、ここまで信頼が置けない相手に対しては自身の権利はあまりなく主張しようと、深夜残業手当、有給休暇、新型コロナウイルス感染症対応支援金・給付金における損害賠償を行えと事業主に伝えたわけだが、当然認めるわけがない。
 この店は30年以上続いた店、事業主の城同然だった。

 なら、どうしたらいいのか。というわけで向かったのが労働基準監督署である。

正しくは逆であり、労働基準監督署に事前に軽く相談はしていた。ただし、その時点ではどうしようもなかったため、まずは労働者から雇用主へ不法行為の是正を願い出ること、それを否定されて初めて対応してくれる、との案内を受けその通りに行動していた。

 ただ、労働基準監督署では次のように述べられた。


1、深夜残業手当については訴えの通りである。

2、有給休暇をこの時すでに申請されていたが、その期間がシフトが入っていない期間だったため、有効とは言えない。また、有給休暇についてはシフトが確定し、有給休暇として出勤せず、その分の給与が支払われない、ここまで確認しないと対応できないから対応開始まで少なくとも1ヶ月はかかること。

3、給付金については管轄外であるから対応できない。


 というわけで深夜残業手当についてのみ対応をお願いすることとなった。

実はこれ以外に労働条件の明示も行え(労基法15条)との指導もお願いし、実際に認められた。

 その先の対応は私が直接関わっていないわけだから伝聞だが、かなり苦労したようである。何せ法律についての理解をしようとしないらしい。ただ、私が不法行為の是正を行えと言っているのに認めない時点でわかってはいたことである。相談記録について開示したが、労働基準監督官の苦労が読み取れる内容だった。

 結果として、深夜残業手当の一部のみは認めるが、有給休暇や労基法15条については認めない、と相手方が主張して申告処理は終了した。いくら労働基準監督官が不法行為であると訴えても動じなかったというわけだから大したものである。

 これを受けて、最後の手段である裁判を行うことを選択して私は動いていった。

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