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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(27)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(27)

 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。
 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


リーダーは、意思決定の正しさをその後の行動によって立証しなければならない。このことも十分に考慮して下すべきである

  
 リーダーにとって意思決定とは、困難な選択の中で自分の意思と行動を確認し、創造力を働かせて下すものである。したがってリーダーは無難な多数には疑いの目を怠らず、安易な妥協をしてはならないし、一見可能性の薄いように見える少数意見を無視してはならない。
 そしてリーダーは、意思決定の正しさをその後の行動によって立証しなければならない。このことも十分に考慮して下すべきである

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <79>                  


意外にもAやBよりCのほうがよかったということもあるのがこの世の中なのである。だから選択肢を広げることだ

 
 選択肢は多ければ多いほどいい。ところがほとんどの場合、AかBしかないと思い込み、他の選択肢を欠点が大き過ぎるなどと言って取り上げず、絞り込んでしまう。よく考えてみれば、欠点が大きいと思った選択肢も少しひねったり、修正すれば、思いの外欠点が隠れてよさばかり出ることがある。意外にもAやBよりCのほうがよかったということもあるのがこの世の中なのである。だから選択肢を広げることだ

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <80>                  


人生の重要な選択の多くは、プラス面、マイナス面が相半ばし、どちらのプラスを取り、マイナスを我慢するかの判断に立つものである

 
 選択、決定をする上でもう一つ非常に重要な技術に「トレードオフ」がある。人生はあれこれ迷う選択の連続である。誰が見ても成否がはっきりしているもので選択に苦しむ人間はいない。人生の重要な選択の多くは、プラス面、マイナス面が相半ばし、どちらのプラスを取り、マイナスを我慢するかの判断に立つものである。レストランに入るとき、値段は安いが味は今一つの店で食べるか、美味しいけど高い店を選ぶかというような微妙な岐路に、誰もが日常的に直面している。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <81>                  


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社


✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「選択肢は多ければ多いほどいい。ところがほとんどの場合、AかBしかないと思い込み、他の選択肢を欠点が大き過ぎるなどと言って取り上げず、絞り込んでしまう」

誤解を恐れずに言います。
「選択肢が多いとめんどくさくなって無難なものを選択する」という傾向があることは理解できます。

その一方で、選択肢が絞り込まれ5つ程度しかない場合、往々にして結論を誘導している可能性があります。

Hobson's Choice (ホブソンズ・チョイス)という言葉があります。
この意味は「選り好みができないときに使う表現」ということです。
つまり、選択肢がいくつもあるように見えて、実際には選択肢は一つしかないということです。

⭐ 出典元: Success ENGLISH 選択の余地がないを英語で言うと?


⭐ 参考になるウェブサイトをご紹介します。

大前の4つの基本戦略:大前研一氏の企業戦略フレームワーク

このウェブサイトを見ると、次の事柄が紹介されています。

「優れた企業戦略とは、受け入れ可能なコストで競合相手に何歩も先んずることを許してくれる戦略のことになる」

「KSF(キー・サクセス・ファクター、カギとなる成功要因)に基づく企業戦略とは、既存の事業に成功要因に経営資源を集中させて、競合に対して正面攻撃を試みる戦略」

「大きな1つの市場でも顧客のニーズや製品ラインでセグメント分けをすると、異なった性質が見えてきます。そのセグメントごとの特徴を分析することで、戦略的にどのセグメントを集中して攻めるべきか判断します」

「もう一方のKSFを発見する方法は、勝者と敗者の『違い』と『その理由』を見つけることです。勝者が実行していた違いをKSFとして、経営資源を集中させます」

Consumer:顧客に基礎を置いた戦略
 Corporation:自社に基礎を置いた戦略
 Competitor:競合相手に基礎を置いた戦略」
これは3Cと呼ばれるものです。

「先制攻撃の反復による企業戦略とは、停滞した業界で現在有効なKSFを台無しにする戦略です。この戦略は『なぜ?』を繰り返して、常識となっている問題の解決に繋げる方法です。簡単に言えば、顧客の評価基準を別のものに変えてしまう戦略です」

どれも今では当たり前のことばかりではないか、と思った人がいるかも知れません。

ですが、大前氏は今から40年前にこれらの概念を提示しています。

⭐ 出典元: ビジネスの教科書 大前の4つの基本戦略:大前研一氏の企業戦略フレームワーク 2019/07/20



✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。
(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。


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