見出し画像

日記;20240304 シャンプーの格下げ、『デリケート』

 寝付きが悪い時というのは頼んでもないのに眠らされるような、つまるところ睡眠が前提でない世界に放り込まれることと同義だ。それなのに、夜なのだからお前は目を閉じてしばらく気を失っていろという要請をされているかのようで、無意味、と思いながら浅い眠りを繰り返したいた。

 起床後久々にJ-WAVEをかけてみた。TOKYO MORNING RADIO。あー別所さんの声が懐かしい。そういえば引っ越してから一度も、ラジオとともにある朝がなかった。いろんなリズムが崩れてしまったのだと思う。結局すべてを変える必要なんてなかった。J-WAVEの内容は意識高すぎてよくわからんし、あんまり聴いてない。けど時々聞こえてくる別所さんの元気いっぱいのシャウトが愛おしくて聴いていた。あれはほかの局では味わえない。ただこの日は気づかなかったが、今週は別所さんおやすみだった。一部のジングルだけで懐かしさを与える声すごい。

 金曜と同じ時間の電車に乗った。今日は千代田線で大手町まで行ってから乗り換えた。こっちの方が便利だ。日比谷で一気に人が降りるので確実に座れるし、大手町までやってきた半蔵門線はアホほど空いておりなんか得した気分になる。東急線のキャラクターは "のるるん" で、1ミリもやる気がなかった。東急線以外でも通用する名前つけるなよ。格好だけ東急線、それも田園都市線ではなく東横線の格好をさせられたそいつは、天気予報の関東地方の横でたたずんでるだけだった。

 電車の中で山口慎太朗さん『デリケート』を読み進めていく。おもろすぎでしょ。これ、自費出版であるがゆえとてつもなく広がることはないのが悔しいな。例えば音楽は、たとえメジャーでなくともいい作品というのはいっぱいあって、別にレコード大賞をとった作品がいい作品というわけでもないんだけど小説はちょっと違ってどうしても "受賞デビュー" という敷居があるし、独立系書店に行かない、いやそもそもその存在を知らないあまり読書習慣のない人がZINEを手にする機会はほぼない。でも有名さが担保するのって所詮は一定のクオリティのみで、そんなもん関係なく手に取れば自分の奥底まで刺さることがあるのはLaura day romanceの例があるからすでに知っている。『デリケート』も同じだった。そんな構造ゆえ『デリケート』が芥川賞を取ることは絶対にないんだろうけど、好きな文章、文体がどんななのか問われたら迷わず差し出せるような本。美工藤さん、という苗字が好きすぎるし、"Delicate" も聴いた。映画だ、映画みたいだった。

 自分が上京1年目でフヅクエを見つけて、その流れで "ファイヤーダンス失敗" という一人の書き手を見つけて、その人の日記を3年読み続けなければに手に取らなかったかもしれない本と思うと、いや日記読んでたからおもしろいんかもというのもあるけれど、出会わなかった大量の可能性をくぐり抜けて、こうして3社目に向かういまのわたしの手元にこの本がたどり着いているだけで奇跡だった。そういうことを考えられるようになってる。

 今日は業務システムの研修を諸々。血糖値スパイクが牙を剥き、めっちゃ眠い。それにしても前々職と比べてもオフィスにぜんぜん人がいない。外出したっきり戻らない人も多いらしい。これはこれで好きだな。職場ガヤガヤしてるのもそれはそれで好きなんだけど。仕事や労働というという言葉はいろいろなことを一緒くたにしてしまうが、実際いろいろな場所で働いてみると、そういう包括的な言葉は成人以降の様式でしかなくて、いくらでもグラデーションがあることを知った。

 社用携帯がXperiaでうれしい。前職ガラケー、前々職AQUOSPHONEだったもので。あとレッツノートは神。世の中の会社はすべて、社用PCにこれを導入すべきである。次プライベートPCもこれにしようかな。キーボード配列だけ変なのが難点。

 帰り。代々木上原で千代田線降りた瞬間に向かいの急行の扉が閉まるのやめてほしい。そんなことせんでもええやんといつも思っている。あとちょっと早く彼が出発すれば防げること。

 お風呂3点(シャンプーコンディショナー洗顔料)が同じタイミングで切れた。気分で、頭回りはすべてメリットにした。もうここ3年くらい、というか一人暮らしをしてからずっと、頭回りは1000円を超えるものを使っていた。野球部だった反動で髪の毛を、頭皮をいたわりたくて。しかしそんなことしても髪の毛が増えることはなく、年々分け目がはっきりしていくばかりでだんだんアホらしくなってきて、別にメリットもアムウェイとかが出しているわけではなくて花王が出しているのだからと、"ハウルはキムタクが演じているから大丈夫" と、ハウルにおびえたわたしをなだめた母の息子はこうして長いものに巻かれる大人になった。実際メリットで頭を洗ってみたら悪い気はしないしいい匂いだし、髪の毛はサラサラだ。いったい今までなんのためにあんなに金をかけたのだろう、これを使い切るころには気変わりするのだろうか。先のことはわからなすぎる。

 スシローで寿司を2000円分食べた。前々職の後輩のMくんからLINEが来ていて「今日の昼〇〇の交差点にいませんでしたか?」とのこと。全部話す。前々職と同じ職場で働くことになったことも。どちらにせよ今月会う予定だったからそのときでいいと思っていたけれど。おじさんたちには順を追って話そうと思ってた、と送るとMくんは当然のように「もちろんす!」と返してくれた。この子は、こういうとき本当に誰にも言わないんだよな。そういう思慮深さがこの子にはある。だからやめてもなおかわいい。彼は今までと相変わらず頑張って工事現場に行っていて、その行きしななのか帰りしななのか、信号待ちをしていたときになぜかそこにいるわたしを見かけたらしく、それは複数の因果が絡み合った末の必然だった。

 購入したポメラが届いていた。しばらくしない、でかい買い物。もうしません。ポメラで書くと机が揺れたり画面が揺れたりしない。音声入力+ポメラで日記の文字数がさらに増えていきそうで、書くことをやめることはない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?