瀧本緑

27歳、生まれながらの花粉症。 エッセイ | 日記 | 小説 メモ書きはしずかなインタ…

瀧本緑

27歳、生まれながらの花粉症。 エッセイ | 日記 | 小説 メモ書きはしずかなインターネットにて→https://sizu.me/howeverbeloved

マガジン

  • 日記;

    日記屋月日さん主催の「日記をつけるワークショップ」に参加し、2023年11月18日から毎日日記をつけています。 その日記の中から抜粋。

  • 架空の会話

    ここは、存在しないファミレスのボックス席。これは、存在しない会話 会話のみの脚本。

  • 愛憎芸

    東京生活の記録です。定期的なマガジンだと思ってください。

  • エッセイ

    単発エッセイ

  • 音楽

    音楽にまつわる話を書く

最近の記事

  • 固定された記事

愛憎芸 #35 『中央線じゃない/慣れ親しんだ地獄』

 布団の中に潜りながら想像したことをそのままなぞれる人生、それはフィクションを好むひとがつい夢見てしまうものだと思うが、よくよく考えるとそれはただの予定調和でしかなくて、ひとつも面白味がない。わたしがあの時、いや、日々描き続けていたもの。阿佐ヶ谷に住む。23時まで残業をして、それでも小杉湯は深夜まで営業しているから寄ることができて、ミルク風呂でほくほくになって、チルアウト片手に高架下を阿佐ヶ谷まで歩いて帰って、そんな夢のような平日が待っている、と。夢?——まるで広告屋が見る夢

    • 日記;20240416 『アンメット』、Uberの水炊き、マイブーム

       週末からこじらせていた風邪に対する自然治癒をそうそうに諦めてパブロンを飲んだら功を奏した。これが、『効いたよね、早めのパブロン』なんか…と感動しながら起床。全然、全快ではないが。小田急が15分くらい遅れやがり、ギリギリに出社して印刷をしてから外出。同行したのち、午後は自分メインの商談。緊張とそもそもの口腔環境の悪さで喉がからからになりながらどうにかプレゼンを終え、ぜーはー。直帰。多分元気だったら、夜のWSの集まりまで新宿中央公園で仕事してただろうけどムリだった。悩んだけど今

      • 日記;20240403 知らない人に話しかけられる(良い場合)

         小田急、千代田線、半蔵門線が一切遅延せず、これは...!と期待しつつ九段下駅に到着したら都営新宿線が12分遅延していた。12分て。影響をモロ受け、ギリギリに出社。昼休み寝ないと午後の座学が眠くなるので、どうにかセブンでうどんを買うことができた。  昼休み、今日は一人だったのでWSのみんなの日記を読んだりする。Cさんが𝕏を始めていた。みんなで本を作る春も一人で作ろうとしている冬も、文フリに関わるなら𝕏はまだまだあった方がいいもので、かつ母から、会社でXを運用しようと思うから

        • 架空の会話 #1『誓いのディープキス』

          ✳︎ここは、どこにも存在しないファミレスのボックス席。これは、どこにも存在しない会話—— 咲花:新郎が、舌、入れちゃったんだよ。 苑子:え? 咲花:誓いのキスで、舌。 苑子:え、なんで。 咲花:愛の強さを表現するにはそれしかないだろと思って、アドリブでやったらしい。 苑子:え、示し合わせてないの? 咲花:示し合わせようとしたら絶対に中止すると思う。 苑子:たしかに。 咲花:それで、新婦もそれに応えちゃったんだよね。 苑子:え?ディープキス成立してるじゃん。 咲花:そうなんだ

        • 固定された記事

        愛憎芸 #35 『中央線じゃない/慣れ親しんだ地獄』

        マガジン

        • 日記;
          15本
        • 架空の会話
          1本
        • 愛憎芸
          44本
        • エッセイ
          35本
        • 音楽
          25本
        • マジで絶叫していると思う記事抜粋
          9本

        記事

          愛憎芸 #44『POPEYE:ポイント10倍デー特集』

           スーパーマーケット・オオゼキのポイント10倍セールのことがPOPEYEに載ったことはあるのだろうか。「月に一度、バーゲンだよね」みたいなコピーが添えられ、10倍セールで得られるポイントの1000倍くらい高い服に身を包んだ、パーマがかかった外国籍のお兄さんが、激安を強調する黄色のPOPに囲まれた青果コーナーで野菜と睨めっこしている、がバーゲンのわりに人は少ない。紙面の左上に、彼が着ている服のブランドや価格が「プラダ ¥350,000」みたいに書かれていても「ブロッコリー ¥1

          愛憎芸 #44『POPEYE:ポイント10倍デー特集』

          日記;20240330 秒速5センチメートル、ダウ90000『30000』

           前日遅くまでパワプロをしていた。わたしのパワプロの中で山本由伸はやたらと打たれる。しかし三振は取る。8回3失点被安打10奪三振15くらいの投球内容。夢中になって3試合くらいやる。これではルーティンでも何でもじゃないか。目覚めたのは9時半くらい。今日は一人で過ごす予定だけだが、一人の予定が頻繁にある人って自分だけではないことを知れて人の日記を読むという行為は心にやさしい。  ああUber!配達員やったからってUber頼むことが義務付けられるわけではないのにまだ頼んでる。節約

          日記;20240330 秒速5センチメートル、ダウ90000『30000』

          愛憎芸 #43 『回らなかった打席/冬の具体的な愛おしさ』

           草ソフトボールの試合で自分に回ってこなかった打席のことを考えていた。このまま自分に打席が回れば、自分が打つか打たないかでこの試合の勝敗が決まる場面がやってくる、とわかる場面。ふと思い出した、独特の緊張感。わたしはそれをかき消すために、そしてなにより自分を奮い立たせるために、チャンスで打席に入ったら打席でお尻を振ることにしていた。イチローが打席に入る際にバットを垂直に立てるあのルーティンが、わたしの場合はお尻を振ることだった。要は、大事な場面の直前でそういうめちゃくちゃアホな

          愛憎芸 #43 『回らなかった打席/冬の具体的な愛おしさ』

          日記;20240326 優しさの取捨選択、後藤さんは本当はすごくかっこいい

           ぜ、全然眠れていない、、、最近Apple Watchで睡眠を記録しているので、本当に寝た時間というのを自認できてしまい、大抵イメージと剥離している。6時台前半に目が覚め、せっかく早く起きたから動くか!というアレを最後にできたのマジで小学生の頃じゃないか、と思った。中学生に上がったタイミングで低血圧で起き上がれなかった時期があったことをたまに忘れている。ああいうことがあったにしてはずいぶん普通にやっている。  横になりながら、大谷翔平の会見を見た。例の件以降初めてメディアの

          日記;20240326 優しさの取捨選択、後藤さんは本当はすごくかっこいい

          そいつのささやかな不幸を祈って叫ぶ夜がわたしたちには必要

           このクソ世界で、優しさや控えめであることは基本的に仇です。優しさの類を重んじると悪意の矢面にいつも立たされ、基本的に言われっぱなしです。優しさは時々「ガチ」で報われることもあるとて、天秤にかけてみればとてもイコールにはならないと思う。そもそも見返りなど求めていないし。  また言葉を飲み込んでいる。のに、お前は言いたいことを全部言っている。何か思ったときに、誰に対してもすぐに意見を表明できる人とそうでない人がいるわけだが、別に前者がいいわけではないし、後者に属する人が前者に

          そいつのささやかな不幸を祈って叫ぶ夜がわたしたちには必要

          愛憎芸 #42 『ペンネームのこと』

           日記のワークショップ(期間は終わっているがほとんど全員が今も日記を書いている)で何人かが名前について語っている。実名も筆名も問わず。Cさんの日記の中でこの筆名を褒めてもらっていて嬉しかった。わたし自身も2024年になってようやくこの名前が馴染んできたところ。この「瀧本緑」というペンネームが定まったのは2021年の終わりだったと思う。瀧本美織とハードライム踏めると気づいたのはかなり最近。  わたしは2017年にはnoteへの投稿を始めていたので、定まったペンネームがないまま

          愛憎芸 #42 『ペンネームのこと』

          日記;20240304 シャンプーの格下げ、『デリケート』

           寝付きが悪い時というのは頼んでもないのに眠らされるような、つまるところ睡眠が前提でない世界に放り込まれることと同義だ。それなのに、夜なのだからお前は目を閉じてしばらく気を失っていろという要請をされているかのようで、無意味、と思いながら浅い眠りを繰り返したいた。  起床後久々にJ-WAVEをかけてみた。TOKYO MORNING RADIO。あー別所さんの声が懐かしい。そういえば引っ越してから一度も、ラジオとともにある朝がなかった。いろんなリズムが崩れてしまったのだと思う。

          日記;20240304 シャンプーの格下げ、『デリケート』

          日記;20240224 6畳信者と物欲モンスター

           10時新宿集合を指定されたので頑張って起きる。改めて今の立地に感謝。ほんとうはここにあと5歳くらい若く住んでいたかった。次行く会社に新卒で入っていたらへたしいかなったことである。幸せを遠回りしつつも最終的には必ず掴めるようにしている。  南口で待っているとRが来た。なんだかんだで1年半ぶりくらいである。大学5年生をともに迎えた3人組で、前年度で解散すると思われていた演劇サークルを存続させ(最初は3人で)公演成功まで導いたうちのひとり。Rは香りオタクでありこの日もマスクスプ

          日記;20240224 6畳信者と物欲モンスター

          愛憎芸 #41 『Uber配達員をやる/知らない景色の一翼を担う』

           1ヶ月半という限られた無職期間の最後の1週間で、Uber配達員を30配達だけやってみた。例の特大専用バックは傍から想定していたのよりも大きかったので、玄関で鞄を壁にぶつけてから出発するのが定番に。定番といっても、2日間のことでしかなかったのだが。  Uber Eatsでは、配達員の数と注文の数、すなわち需要と供給によって、1配達あたりの単価が変わる。だから、よく晴れて過ごしやすい日には配達員も配達する気になるし人々もデリバリーするくらいなら外へ出て食事をすることを選ぶから

          愛憎芸 #41 『Uber配達員をやる/知らない景色の一翼を担う』

          日記;20240215 運と縁とタイミング

           昨日の面接が合格だと信じたいが、まだ連絡は来ていない。この日はエージェント経由で受験する面接が2つ設定されており、重い腰をあげて受けにいく。  ニコタマへ。1次面接だったが5人くらいの部長・役員クラスがこられて、やっぱ小さい会社ってそうだよな...と思う。ここでもやはりおじさんウケがいい。というか仕事のできるおじさんへウケがいいのかもしれん。この日一番話したおじさんとは一緒に仕事したいな、と思った。この人の求めることなら自分はあっさりできちゃいそうって気持ちはちょっと嬉し

          日記;20240215 運と縁とタイミング

          三宅唱 『夜明けのすべて』 -他人の坂を上って下ってみる-

           自転車から見る光景は特別だ。サドルに跨ったゆえの視線の高さ、15km/h前後の独特のスピード、それゆえの絶妙な向かい風。マンションが木になって、電信柱になって、ネットフェンスがしばらく続いて、電車がわたしに目もくれずにゴオオと音をたてて追い抜いていってしまう。その電車を遠くに見やったところで坂を上り終えていて、ふと振り返ると富士山が見えていたりする東京の空。  坂はアップダウンを繰り返す。まるで彼らのままならない体や心の調子のように、上がったり下がったり。山添くん(演:松

          三宅唱 『夜明けのすべて』 -他人の坂を上って下ってみる-

          日記;20240210 Homecomings、御所の木は太い

           起床、丸太町まで行こうとしている昼までできることないねと言いつつも、実家近くにある昔はタバコプンプンの来たい人だけ来れば感があったのに、わたしが上京したあとオシャカフェ路線へイメチェンしたカフェに行き、前日分の日記を書いた。  HomecomingsのライブはKBSホールだった。メンバーが薦めてくれたお店にも行きたかったけれど、今回は母とそば屋「花もも」へ。すだちそば(温)を食べた。びっくりするほどおいしい。花ももはなんだかんだ2回目で、源さんが来たことある、というふれこ

          日記;20240210 Homecomings、御所の木は太い