同世代サービスの聞いたことない台頭前夜「ネット興亡記」
普段利用するあれやこれのネットサービスについて、よく考えたら気付けていた筈の新しい側面が浮き彫りになったので、備忘録くらいの文章でまとめようと思います。
それからこの本に触発されて思い浮かんだことを書き留めてみます。
あらすじ引用
備忘録
そもそも自分は「Z世代」にあたる年齢なので、これらIT企業の進退はちょうど自分の成長過程と重なります。
ホリエモンが収監されているのをテレビで見ていた小学生の自分は、モヒカン頭、柔らかい言葉使い、そしてヘラヘラした仲間を従えていたことから「捕まるのが好きなのかな」と思っていました。
当時顧問だった先生に電話をかけるとき、その先生がソフトバンクを使っていたせいで電話が繋がらないことが多々ありました。
それなのに「お前は人に報告することも出来ないのか!」と怒鳴られて草むしりをしていた夕暮れ時、ソフトバンクとかいう出しゃばりが電話事業に参入したからこんなことになった、と内心では思っていました。
iモードなんて知らなかったですし、連絡手段はLINE以外にありえないですし、ミクシィは最初からモンストの制作会社です。
今考えると大した幸せ者ですが、IT分野に無頓着だった同年代の人も大概はこの認識だと思います。
だからソフトバンクの暴れ具合を知った時には若干引きました。
LINEの誕生秘話も、これだけで話が成立するくらいには面白かったです。
また興味深かったのが、これらネットサービスは全て現実における何かしらを主体にして派生しているということです。
楽天は商店街。
Amazonはショッピングモール。
Google検索エンジンは図書館。
こんなことは少し考えれば分かることですが、あまりにも生活に浸透していたため気付かなかったです。
それはもう街から人がいなくなりますよね。
街の人だかりを丸々ネット空間に移してしまったのだから、家にいるだけで楽しさが成立してしまいます。
冷静に考えてもすごいところまで来ましたね。
同じような時期に産まれて、同じような成長過程を歩んでいたはずの自分とネットサービスが、いつの間にか指数関数的な伸びで成長して行くのを横で見ているのは、何もしてない自分と努力を続けているネットサービスとの対比として見れば面白かったです。
考えまとめ
ここからは、この本の野心に触発された人間のビジネス的思考です。
メタバースについて
多分メタバースがそこら中で勃興する時代になるんだと思います。
この先、ネット空間でのコミュニティを形成する流れはさらに加速するでしょう。
個人に関する情報を平気でプロフィールに書き込む人、写真を投稿する人が増えましたし、それだけネットというものが現実に近寄っている証拠だと思います。
メタバースが流行ることでそういう繋がりを目の当たりにできるのであれば、人はこぞって別世界にログインすることになると思います。
ただ、自分からすればこれはラッキーです。
おそらくネット空間を成り立たせるためにはコンテンツが必要になるので、その空間を老若男女全員が漏れなく楽しめるように設計する筈です。
しかしそうなると現実世界が手薄になります。
子供のために建てられた公園はゲームの魅力に劣ってしまい、老人のために作られた公共施設の健康器具は備え付け式の圧迫スーツで事足りてしまいます。
結果、誰もいなくなった公園で僕は一人日向ぼっこをするのです。
楽しみで仕方ありません。
子供と老人は早くメタバース空間に行ってくれないかな、としみじみ思います。
こうなればみんなが幸せなので、その時代が一刻も早く到来するのを待つばかりです。
ちなみにメタバースに関しては日本に勝ち目があると思ってます。
別に背伸びする必要もなく、今まで通りに作っていたコンテンツをメタバースに置き換えればファンはついてくるんじゃないでしょうか。
最低限の使い勝手は保証されている前提ですが。
YouTubeのコメントを見ていたり、観光地に行ったりすると気付きますが、割と日本のコンテンツを好む海外の方は多いみたいです。
また日本人は国内コンテンツに注力する傾向にあります。
ここで無闇にメタバースっぽさに寄り添おうとせず、ファンを裏切ることなく粛々とコンテンツ作りを続けていれば結構いい線行く気がします。
日本のコンテンツというのは結構独自路線を走る傾向にもあるので、他国が来ようともしないエアスポットを作れたら最高じゃないでしょうか。
任天堂が買収されたら終わりだと思いますけど。
通貨について
話は変わって通貨の未来です。
現状で既に各国通貨は息切れしているように見えるのですが、その流れはさらに加速するでしょう。
ドル、ユーロ、それから規模を拡大してきた元の三強時代が始まるとともに、それ以外の通貨が軒並み力尽きる未来を予想します。
理由は単純で、もう刷られすぎてます。
ここ数十年で株などの資産が軒並み暴騰していますが、それは言い換えれば各国通貨の資産的価値が軒並み暴落しているという意味でもあります。
そして通貨はこれからも変わらず刷られ続けて行くでしょうし、それでも決済手段としての地位は揺るがないと思います。
ただ資産価値を測るための役割は別のものに取って代わられると予想します。
ズバリ指標です。
指標と言っても広義になりますが、ここでいう指標とは人間の心象です。
何かを感じたときに発する心象の平均値、中央値、それらが次の資産価値を測る役割になると思っています。
心象というと聞こえにくいかもしれないですが、評価と言えば分かりやすいでしょうか。
何かを経験したときに、その人は独自の価値基準に従って何らかの評価を下します。
そういうものを統計的に計算して、算出されたものを指標として測りに使用する未来です。
現状ではまだ難しいですが、人工知能の技術、カメラ性能等を使えば人の感情を数値化できるようになるらしいです。
これを指標として導入すれば、通貨価値よりさらに測りとしての役割を果たせると思います。
指標を作ることの難しさについても、将来的には人工知能が発達していくので、それを使いこなしつつ発想を付け加えていくことで価値基準に等しい指標を作ることが出来るのではないでしょうか。
まあ僕はやらないですけど。
誰かやってください。
ちょっとならお金出すので。
感想
これだけ触発されて、こんなに考え込んだのに、起業する気だけは全く起きませんでした。
よっぽど起業に対して嫌悪感を持っていたんでしょうね。
ビジネス熱で頭が浮かされるほどだったのに、この先の一歩が果てしなく重いです。
この本を読んでいるとき頻繁に顔が歪んでいたので、多分あれは起業に対するアレルギーだったのだと思います。
別にこの本は面白かったのでいいですけど、多分人工知能がこの本における僕の評価を算出した場合、マイナス値を叩き出していたかもしれません。
そういう意味で言えば、人工知能に頼らなければ新境地を開拓できるということがわかったので、これは今後の教訓として生かしたいと思います。
この感想はさておき、エネルギッシュな方であれば一読する価値は十分にあると思います。
起業して、夢を叶えて、僕たち穀潰しの人生を豊にしてください。
よろしくお願いします。
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