マクベス読んだ

シェイクスピアのマクベスを読んだので思うこと吐露します。

簡単に話をまとめると、まばゆい予言に唆された主人公のマクベスがあらゆる手を下し満身創痍になる話です。

ここで問題になるのは、予言を唆される前のマクベスはどんな男だったか、ということです。

支配者と化したマクベスのことを皆一様にボロクソにこきおろすのですが、しかしそれ以前の彼を形容する言葉は主に清廉潔白です。
つまり予言を授かる前のマクベスは真っ当な人間だったにも関わらず、目の前に差し出された輝かしい未来に魅せられたことで人が変わってしまったのでしょう。

これ多分月見マックバーガーのCMに踊らされる自分たちと同じようなことだと思います。

そのCMを見るまではマックのことなんて露ほども頭にないのに、いざ飯テロみたいな見栄えを目にしてからはもうそれ以外の食事の選択肢がなくなります。
そうやって欲望の根本をかっちり掴まれて、気付かぬ合間にマックにお金を落とし続けているのが自分たち、現代のマクベスとも言えるでしょう。

しかもそれを滑稽とは思わせない世間の風潮もありますし、マック食べ過ぎて命落とすとかもないので引き際さえ見定めれないです。

あと絵にもなりません。
中世の時代感に振り回された豪傑の最期には一服の風情もありますが、欲の赴くまま飯を頬張る現代人は滑稽にもなれないまま風景に溶けてしまってます。

こう考えてみるとCMという仕組みがどれだけ先鋭的か分かりますし、それすら当たり前になっている現代はそりゃ生きにくいに決まってますよね。
自分の生きる道を決められないのは構造主義っぽい見方も出来ますが、今日何するかも人の支配下にあったのでは息が詰まって当然です。

しかしマック断ちをすれば解決する話でもないし、一人で山籠りするくらいなら適度な田舎にいる方を選びます。

ということで結論は、何事もほどほどにです。

たぶん中世に比べれば若干生きやすくなっていると思うので、ほどほど幸せになれたらいいのではないでしょうか。
ただマクベスみたいに欲望をぐるぐる回す生き方はかっこいいので絶えず誰かにはやって欲しいです。
自分はそれを見て笑うので十分です。

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