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好きな看護師と嫌いな看護師

悪性腫瘍で長期入院していたころ、好きな看護師と、どちらかといえば嫌いな看護師がいた。

あの頃を振り返ると、好きな看護師の人たちは、人として関わってくれていたとわかる。

一方、嫌いな看護師は、患者として見られていた気がする。

当時はその差を無意識に感じて区別していたのかもしれない。

自信を失い将来を絶望して心が腐ってた僕を人として看てくれていた人たちの名前は、数十年経ったいまでも覚えている。

弱音を吐ける相手だった。涙も流してくれたし、バカみたいに一緒に喜んでくれた瞬間も記憶に残っている。

世間知らずの10代だからか叱られたときは反発もしたけど、いい人の、いいアドバイスはあとからじわっと効いてくる。
そのことに気づけたから素直に聞けた。

この人たちに褒められたい認められたいと思えた。

どうしようもない僕に人として関わってくれた人たちが、たまたま看護師資格を持っていた。

資格に看てもらったのではなく人に看てもらっていたのだ。

そんな気がする。

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