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【2022年12月の台湾旅行記:1日目】

 仕事の出張で急遽、台湾の台北に行くことになった。出発日の一週間前の通告で驚いた。初台湾。パスポートの有効期限はOK、ワクチンも3回打っている。仕事の内容はミーティングと視察。上司は日帰りで、僕は一泊二日。2日目は仕事なく、一人で観光してもいいとのこと。もちろん航空券とホテルは、会社の経費。なんてこった。このチャンスを有効に使うために、一週間で色々情報を収集。収集しすぎて、一泊二日では全然まわれなかったの実際だ。まあいい。頑張って仕事を続けていれば、台湾との仕事はまた来る。
 フライトは8時。朝めっちゃ早起きして、羽田へ。3年ぶりの海外旅行だし、コロナ禍だし、色々警戒した。フライトの2時間前には搭乗ゲートの前へ。早く来すぎた感。一時間後、上司と合流、飛行機へ。久々の飛行機にもっとワクワクするかと思っていたが、そんなでもなかったのは今回の旅行は、ビジネストリップだから。仕事による緊張。ふわっと飛び立つ飛行機、グングン高度を上げ。窓から外を眺めていると、ヌーっと雲海から突き出た富士山。オォー、でかいなー、やっぱり。まずは仕事がんばろー。機内食が来た。食べたら眠くなった。早起きしたからな。素直に寝る。

雲海から突き出た富士山

 起きたら着陸態勢。4時間のフライト。近いな。11時に松山空港に到着。天気はくもり。思っていたより寒い。入国手続きなど、電子化されていて、やたらとスムーズ。預け荷物もないので、30分くらいで空港の外へ。タクシーで先方の会社へ。おっ、右車線。そうだよなここは台北。窓を流れる景色、古ぼけた建物、漢字の看板。道ゆく人の顔つきは、日本人と同じなんだけど、ここは異国なのだ。景色に高層ビルが増え、ビジネス街へ。先方の会社に到着し、挨拶。オンラインでミーティングできるけど、身体を移動させ、空間を共有することはとても大事だ。大歓待を受ける。美味しい中華弁当を食べながら、ミーティングと視察をびっしり4時間。帰りの飛行機の時間が近づき、上司はタクシーで空港へ。僕は徒歩でホテルへ。台北101ビルでけーなーなどと、感嘆しながら通り過ぎる。ホテルでちょっと仕事。

 18時、よし外に出よう。カメラにフィルムを入れ、気分を写真家に切り替る。外に出るともう暗い。地下鉄。システムは世界共通だな。24時間の乗り放題券を買う。市井の台湾人としばし、地下鉄に揺られる。
 中山駅で降りて、寧夏夜市。みんなマスクをした上での、外歩き。台湾の人はあまり自炊をせず、外食中心の生活をしていると話には聞いていた。夜市、たくさんの人でわいわいガヤガヤ、どうやらその話は本当らしい。仕事終わりに、家にすぐに帰らずに、夜市など町をフラついて帰るライフスタイルを想像する。仕事や家のことから心と身体が離れ、宙ぶらりんな自分が現れる。僕はコンビニで缶ビールを買って、写真を撮りながら夜市を歩いた。何を食べようか? 鼻に届いたの臭豆腐の強い匂い。ヒョエー。池袋の友誼食府で食べたものと、全然に匂いのレベルが違う。20m離れたところでも、彼の存在を感じることができる。でも結局のところ、現状では苦手なのでチョイスせず。ごめんな。おいしそうなものはたくさんだ。ジュージューと焼かれる串焼き肉、ふわふわの魚介オムレツ、もうもうと湯気がたちのぼる麺、きらきらスイーツ、色とりどりのフルーツドリンク、屋台ズラズラーっと300m。端から端まで歩き、来た道を戻る。何を食べようかと目をつぶって思案すると、白いふわふわの饅頭。うん、これだな。先ほど見かけた屋台に向かい、白い饅頭を指差しで注文。実際のところ、それはぱかっと口の空いた饅頭で、そこにでかい豚の角煮が挟まれる、刈包(gua bao)という料理。屋台の看板をよく見るとメニューに日本語があり、「ソーセージのスープ」とあり、それも注文。屋台裏のスチーのテーブルセットに座って待つ。夜はちょっと涼しく、各屋台、大鍋にて煮込まれるスープは、もうもうと白い湯気を発散している。その光景は、非常に魅力的だ。さて、刈包とスープがきた。このスープ、ソーセージとあったが、それはぶつ切りになった腸が、ゴロゴロ入っている。ちょっとビビったが、えいやとすすると、とろとろでアツアツで、モツの旨味が凝縮している。お腹が温まる。刈包は予想通りのうまさ。やわらい角煮は八角の香り。ピーナッツ粉の甘さと、パクチーの爽やかな味わい。それぞれ主張の強い彼らは、饅頭の中で喧嘩しないで共存している。ガブガブっとすぐに食べちゃう。鼻を抜ける香りは、どこか美しい。あっという間に食べる。
 さて、まだ食べれるな。僕は缶ビール片手に、夜市をさらに散歩。肌寒さの中、惹きつけられるのは、熱い食べ物。熱々の麺を、ずるずるーっとすすりたいな。夜市の隣にも、飲食店が立ち並んでいて、その中に「麺」の文字をめざとく見つけた僕は、すぐさま店の中に飛び込んだ。中は清潔感がある綺麗な内装で、お客は若者が多かった。カウンター席、テーブルに埋め込まれた、一人用の鍋にはスープが煮込まれてる。メニュー用紙の中から「牛肉麺」を指差して、英語で注文しようとしたが、店員の女の子となかなか意思の疎通ができず。その時突然に、隣にいた女の子から日本語で話しかけれた。彼女の助けを借りて、無事に注文することができた。謝謝。話を聞くと彼女は以前、東京に住み、日本語を勉強していたそうだ。日本語検定はN2。「あなたは今、日本語を使って仕事をしているの?」「いや、残念ながら日本語は使わずに仕事をしている」「それは残念だ。でもこれからビジネスは再開するから、日本語を使える仕事もできるかもね」「そうなると、とてもいいね」「僕も実は観光じゃなくて、東京の会社から仕事で台北に来たんだ」「へーそうなんだ」などど、雑談。たっぷり野菜の大皿が来た。野菜の下には待望の麺。そして牛肉の別皿。しゃぶしゃぶのスタイル。熱々のスープに、たっぷり野菜を入れる。僕は野菜からの出汁を重んじる。野菜が柔らかくなってきたタイミングで、牛肉をしゃぶしゃぶ。甘辛い特製のスパイシーだれに、牛肉と野菜をぐるりと絡ませて、口の中へと運んだ。うんめえ! ビリっと辛いスパイスが、脳天を突き抜けていく。モリモリ食べる。そして念願の「麺」へとたどり着いた時には、スープはうまみハイパー体になっていた。麺をドボドボとスープに入れ、ぐるぐるとかき混ぜた。スパイシーだれには生卵を入れ、こちらもハイパー体へと進化させた。熱々になった麺を箸で引き上げ、たれにからませて、ずるずるーっとすすった。ハイパーうんめえ! 胃袋の中がほかほかにあったかいぜ。お腹の中でぐっと膨らむ炭水化物は、満腹中枢を一気に刺激。麺をたいらげた僕は、もう食べらない、満足。胃袋おっこちそう、左手で胃袋を支えて、右手で女の子にバイバイ。注文助けてくれてありがとう。またいつかどこかで会いましょう。両手で胃袋抱えた僕は、夜市を後にし、地下鉄でホテルに帰った。


謎モツスープ
刈包とソーセージのスープ
最後の晩餐めいてる
ハイパーうんめえ
注文助けてくれてありがとう
さらば寧夏夜市よ

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