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ZレンズでFマウント機種の写り+αを求めて(前編)

・はじめに

 最近になり、やっと自分が求める写りが見えてきました。もし自分と同じような悩みを持っている人がいるとしたら、お金を一切かけずにすぐ試すことのできる方法です。何か参考にしてもらえることを祈りつつ、ここでまとめてみたいと思います。


・Zは「ゼロ」のZだ!

 表題の通り、ちょい古なFマウントレンズ風味のピクチャーコントロールの設定方法を紹介します。キレのいい写りではなく、バランスのとれた、ほどよいメリハリを残した質感が得られます。一連のミラーレスZシリーズを使っていて、かつマウントアダプターを介したレンズでなく、ニコン純正のZレンズを使っている方にオススメします。
 iボタンのメニューからピクチャーコントロール設定に進みます。そこで「スタンダード」を選択、そこで表示される「輪郭強調」「ミドルレンジシャープ」「明瞭度」それぞれのパラメータをすべて0にします
 その下は「コントラスト」となっていますが、これは-0.5にします。
 「明るさ」は逆に+0.5へ上げます。
 「色の濃さ(彩度)」はほんの少しだけ上げて+0.25にします。
 併せてトップ画像もご参照ください。
 以上6項目を操作した後、OKボタンで保存することもお忘れなく。
 
 一つ注意としては、月等の天体、夜景、都会のビル群、航空機や乗用車などの金属製オブジェクト等の、「パキッカリッとした解像力」を求められるであろうシチュエーション、つまり本来のZレンズの潜在能力が発揮されるべき状況では、物足りなくなるであろう設定です。つまり、それ以外の人物ポートレート、動植物、テーブルフォト、景色といった環境ではオールマイティに使用できます。私は主な被写体が花・虫・鳥・野良猫・景色なので、最近では他の設定をほぼ使わなくなりました。

 

・以下、この設定にたどり着いた経緯

 本格的にカメラに取り組むにあたり、ゼロからのメーカー選びは私にとって、とてつもなく難しく、苦しい判断でした。身近に相談できる人もおらず、ネットでの情報収集はかえって混乱の一因となりました。何はともあれニコンZ5購入を決断し、実際に手にしてもうすぐ一年が経ちます。
 「Zレンズは写りが違う」「Zレンズに外れなし」、価格コムでのレビューに踊る謳い文句です。とある人は、特に金属の固い描写が秀逸であると語っていました。
 私がニコンに決めた理由は、そのようなレンズの性能や、写りの結果として期待される写真ではないです。それはカタログスペックには表れない製品の操作性や堅牢性だったり、不器用な職人気質キャラを吹聴されるメーカーに親近感を持ったり、キヤノンやソニーといったマジョリティ雰囲気が大嫌いな私個人のひねくれ者気質によるものであったり、そういった理由からでした。
 実際、投稿サイトで見た他のニコンZユーザーの作品を見ても、ピンとこなかったり違和感が拭えなかったりでした(元々絵画は大好きですが、写真を観る目はありません)。良すぎるとされる写りが好きになれなかったのです。自分自身も外出のたびに持ち出し始めてしばらくは、思い通りの写りが得られない、そもそも自分が何をどう撮りたいのかわからない、撮影から帰ってきてSDカードのデータをPCへ移行し、その日の成果をあらためてディスプレイで確認しはじめるとつい眉間にしわが寄ってしまう、そんなことばかりでした。つい落ち込んだり八つ当たりしたくなる気持ちをぐっと抑えつつ、「道具は使い手次第」「道具のせいにはしない」、このことを忘れないよう手探りする日々でした(そうは言ったもののファーストレンズだった24-70mmf4Sはつい手放しましたが)。


・そこで試したこと

 自分で体験しないとわからないことばかりです。他社メーカーとの癖の比較がしたかったので、サブ機も兼ねてCanonのコンデジを買いました。他にもTakumarなどいくつかのオールドレンズを入手し試してみました。レンタルできるサブスクを契約し、D750やDfといったレフ機も使ってみました。クリエイティブピクチャーコントロールをいじくりまわしたり、そのクリピクも外部のダウンロードサイトのものを定期的に漁ったりしました。ニコン以前には、表現手段ではなく単に記録用(兼なんとなくのお供)としてフジのエントリーミラーレスを所持していたので、色味の比較としてだけ過去のデータフォルダを漁ったりしました。あとはいよいよ、月額課金してLightloomでRaw現像するしかない、それくらいまでは試行錯誤してきたと思います。


・旧バージョンエンジン+ちょっとだけCanon

 そういった中でわかってきたことがあります。一つは、自分は写りだけで言えばキヤノンが好きだということです(自分で言っておいてズッコケそう)。写実的というよりはやや脚色がありつつも、素直に綺麗だと思える色を出してくれます。サブ機としてのキヤノンコンデジは最近ではもっぱら通勤鞄の中にだけ常駐していますが、特別に設定を変えなくてもそこそこ良く写してくれるので、買ってよかったと本当に思っています。

Canon Powershot G5X Mark-Ⅱ,f2.8,1/25,iso1600,WB日陰,露出+1.5,DPP4にて編集

 もう一つは、画像処理エンジンについてです。Zシリーズが積んでいるのはEXPEED6です。一方、名機として普及したフルサイズ一眼レフ「D750」(2014年発売)はEXPEED4、Zfcに先駆けてヘリテージデザインを採用したフルサイズ一眼レフ「Df」(2013年発売)はEXPEED3を搭載しています。勝手な想像ですが、「いかなる環境でも」「より明確に」「より鮮やかに」画像を生成できるよう進化を続けてきたのが画像処理エンジンなのでしょう。

Nikon D750,AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G,f2.4,1/750,iso640,WB晴天,露出±0,ピクチャーコントロール[スタンダード],JPG撮って出し


Nikon Df,AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G,f2.5,1/100,iso5000,WBオート2(電球色を残す),露出±0,ピクチャーコントロール[スタンダード],JPG撮って出し

 最新のエンジンを積んでいる方がユーザーにとって有益かというと、私個人にはあてはまらないかもしれない。そのような気づきを得ることができました。シンプルに、この写りは好きだと思えたのです。


・では旧型レフ機+Fマウントレンズでいいではないか

 そうなんですが、そうではないのです。言わなくてもお分かりいただけることを期待しそうになりますが…。レフ機とミラーレスで何が一番変わったのか?重さとボディサイズですよね。
 今更アマチュアの中のアマチュアである私が語ることではないですが、レフ機とミラーレスに優劣はなく、それぞれ優れたところがあるのは間違いないです。私の場合、かさばるボディはそれだけで写真活動に大幅な影響があるので、ミラーレス機のサイズ感は譲れないポイントです。ですが、レフ機の電源入れっぱでさっと構えれば即OVFという「リアルなレンズ越しの視界」「即応性」「バッテリー持続性」、これらは時代が変わっても廃れない魅力だと考えています。

フルサイズFXフォーマット機としてはかなり軽量なDfだが、個人的にはデカいカメラの部類



 ・長文になってしまった

 今回はいったんここで区切り、次回は設定を変えて比較した実例を記事にしたいと思います。

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