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映画「チアダン」に学ぶ目標達成の技術

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とある県立高校に通う落ちこぼれの少女が、軽い気持ちから弱小チームのチアダンス部に入部。
部員全員が努力をした結果、チアダンスで【世界制覇】を成し遂げたという「実話」を基に作られた映画が「チアダン」です。

この映画「チアダン」の、弱小チームから世界制覇という途方もない”夢”を実現するまでのサクセスストーリーには、私たちも実践できる目標達成への手法が描かれています。

今回は「チアダン」に登場した、部員たちが目標を達成するために書いた【夢ノート】に着目しながら、目標達成を実現させる手法について解説していきます。

映画を見ている・いないに関わらず、目標の実現が難しいと悩んでいる人や、コーチングでクライアントの目標設定が上手くいかないと悩む人に役立つ記事になっています!

夢ノートの効果をコーチ視点で紐解くと、どうなるのか?

チアダンから学べる目標の設定方法や実現に役立つ手法や考え方とは?

コーチとして伸び悩んでいる方も、目標が決まらないと悩む人も、是非最後までお付き合いくださいね!

チアダンにも登場した「夢ノート」とはどんな物なのか?

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「夢ノート」は映画「チアダン」でも登場していますが、実は超一流アスリートも実践している目標を実現させる有効な方法として有名です。

元サッカー日本代表の本田圭祐選手や、イチロー選手なども「夢ノート」を作成して自分の夢を実現させているとの話もあります。

夢ノートには「書き方」があり、その目標実現に向けたアプローチの手法は、コーチという立場から見ても理に適っていてとても参考になります。

チアダンから学ぶ!「夢」とは掲げる人次第で実現の成否が決まる

世間一般的に、希望や将来の展望を表す「夢」という言葉には、2通りの意味がありますよね。

1つは、漠然とした【現実的に実現が難しい事柄】や【叶うはずはない空想】などを意味する「夢」です。

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魔法を使えるようになりたい!とか、空を自由に飛びたいな!みたいな夢ですね。

もう一つの夢とは、その人が掲げる【具体的な最終到達点】や【実現させたい目標】という意味を持つ「夢」です。

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ここで、すごく重要なことをお伝えします。

実は、夢とは思い描く人によって「ただの夢」で終わるのか、「実現しうる夢」になるかが決定づけられます。

ファンタジーな夢は難しいかもしれませんが、例えば誰かが「いつか世界一周旅行に行きたいなぁ」と言っていたとしましょう。

これが【ただ言っているだけ】の夢なら、その人が人生を終えるまでに世界一周旅行を実現することは十中八九無いですよね。

でも、本気で心の底から「世界一周旅行をしたい!」という夢を持っている人ならどうでしょうか?

資金をどうやって集めるか、ルートはどうするか、移動手段や日程はどうするか・・・

本気で夢を追う人は、実現するために様々な努力をしますし、全ての行動が「具体性を帯びている」ので、実現できる可能性は高くなります。

もちろん掲げた夢が大きすぎて、挫折したり諦めてしまう人も多く、実現に向けて行う努力の全てが報われる訳ではないことも事実です。

映画「チアダン」のストーリーに当てはめて、この「夢」について考えてみましょう。

主人公が所属するチアダンス部は、いわゆる弱小で一時は廃部寸前という状態にまで追い込まれていました。

こんな状況の中で、部員や顧問が「全米大会で優勝する!」という夢を語ったとしたら、世間や周囲の目にはどう映るでしょうか?

ほとんどの人が「夢物語」と馬鹿にしたり、まともに取り合ったりしないですよね。

つまり、最初に言った2種類の夢で言えば「叶うはずがない空想」に近い夢をチアダンでは掲げていると言えます。

しかし、チアダンで夢ノートを書いた部員たちは「ただ言っているだけ」だったり、「負け惜しみで口走った」訳ではありませんでした。

夢ノートを書く事で、彼女たちが掲げた「夢」は明確な「目標」として形を成していき、正しく具体的に努力を重ねた結果、最終的には夢物語を現実の出来事に変えてしまっています。

映画だから、と思いますか?

この映画は冒頭でも説明した通り、「実話」を基にした話です。

改めて言いますが、夢を実現するためには「具体性のある行動」「明確な目標設定」が不可欠で、この二つが揃っていればどんな夢でも実現可能である、ということをチアダンから学ぶ事ができると私は考えています。

チアダンの夢ノートから学ぶ目標を実現する方法!

コーチをしている方なら、夢の実現を目指す上で「目標の設定」がどれほど重要かは判っているかと思います。

例えば、先ほど例に挙げた「世界一周したいなぁ」という夢で考えてみましょう。

Aさん「いつかは世界一周してみたいなぁ」
Bさん「絶対に世界一周をする!」
Cさん「45歳で早期退職をして50歳までに世界一周を実現させる!」

上記の3人は、「世界一周」という同じ夢を持っていますが、その目標設定には雲泥の差があることが判りますよね。

Aさんは、漠然とした「希望」や「願望」を口にしているだけ。本気で世界一周をしたいのかどうかすら怪しい夢に見えます。

Bさんは、世界一周という夢に対する熱量や本気度は見えますが、具体性に欠けていて「夢の実現までのプロセス」がイメージしづらいですよね。

Cさんの場合ならどうでしょうか。

世界一周をする時期や、そこに至るまでの準備期間などが具体的に考えられる夢だと思いませんか?

夢を実現させる上で、目標設定をいかに「具体化するか」が最重要となるのはコーチングにおけるセッションと同じです。

チアダンで掲げた夢も、周囲からみれば途方もない夢物語でしたが、時期や目指すべき到達点という意味では具体性のある夢だったと言えます。

・出場予定の大会が決まっている(時期や期間の明確化)
・優勝をする(見据えるべき目標が定まっている)

しかし、これだけなら地方の弱小野球チームが「甲子園で優勝するぞ!」と言っているのと大差ありません。

彼女たちが、夢を実現した理由は目標設定の明確化だけではなく、夢ノートを使った具体的な行動があったからに他なりません。

チアダン流「夢ノート」の書き方①一人称の書き出しと時間軸

チアダンで部員たちが「今日、私は〇〇を達成した」と、夢ノートにその日出来たことを具体的に書いている描写をみることができます。

この、一人称(私は)をしっかりと書き記すことと、「達成した」のように過去形~現在進行形で”具体的な成果”を明確化することがとても重要なこと。

例:「私は◯◯年までに◯◯◯◯を達成している!」
→ここをとにかく具体的に、肯定的にイメージして描く。

また、夢という言葉は「未来」を意味していますが、書き方まで未来に向けた願望になってしまうのは絶対にダメです。

〇〇できるようになりますように・・・。

いわゆる、願掛けや神頼みのような言葉を夢ノートに書き入れることは厳禁です。

チアダン流「夢ノート」の書き方②具体性を意識して書く

チアダンの部員たちは、夢ノートを書きながら「自分たちが渡米して優勝する姿」をしっかりとイメージしていました。

夢が実現したときのイメージを強く持ち、具体性を意識しながら書き入れることは重要な要素です。

目標達成時のイメージを想像するだけでワクワクするような書き方がベストです。

目標の明確化にも繋がるので、夢ノートに書き入れる際は漠然とした「夢」を書くのではなく、具体的な目標を書いているのだと意識しましょう。

チアダン流「夢ノート」の書き方③感情や自分の考えを反映させる

夢ノートで具体的な目標や、実現できた”成果”を書き入れると同時に、その時に感じていることや考えていることを書き入れることも効果的です。

例えば、「〇〇を実行できた」という成果をあげた日なら、その成果を達成してどのような気持ちだったのか、どんなことを考えたのかを一緒に書くことで、感情の高まりが具体的な行動やモチベーションを上げる起爆剤の役割を果たしてくれます。

作中では、負傷したメンバーが悔しい思いや踊りへの渇望を感情のままに書いている描写がありますが、自分の感情や考えをアウトプットするという手法は、非常に有効な手立ての一つと言えます。

チアダン流「夢ノート」の書き方④毎日、何度でも見返す

夢ノートを活用した目標の実現までのプロセスは、コーチングのアプローチと非常に類似点が多いと感じます。

別記事で、私自身が目標に向けて努力し続けるための工夫として、目に付くところに目標を書いておき、毎日必ず見ているという方法を紹介したことがあります。

夢ノートで具体的な目標や、自分自身の感情や考えをせっかくアウトプットしても、見返すというプロセスが抜けてしまうと効果は半減してしまいます。

忘却曲線の発見で有名なエビングハウスも、「人間とは忘れる生き物」という言葉を残しているように、私たちは日々を過ごす中で様々なことを忘れてしまいます。

しかもそれは、昨日の昼食が何だったのか?という重要性の低い記憶だけではなく、時間の経過と共に「熱意」さえも忘れてしまう危険性があるのです。

だからこそ、私自身も常に自分の目標は目の届くところに掲げていますし、夢ノートを活用する場合でも「見返す」という作業が重要になってきます。

夢ノートを見返すことには、目標の再確認やモチベーションの維持という効果もありますが、前項にあった「感情」や「考え方」を客観的に観れるという効果も期待できます。

あの時、自分はこんな感情を持っていたのか。

こんなことを考えている時があったのか。

夢ノートで感情や考えを記しておくと、振り返ったときに自分を客観視して、より深く自分自身と向き合えるきっかけとしても役立ちます。

人間のモチベーションには2種類ある

私たち人間の行動(モチベーション)には、特性が異なる2種類があります。

1つは、追求欲求と呼ばれるモチベーションで、「何かを達成したい!」とか「何かを獲得したい!」のように、物事を追求したいという気持ちを背景にした行動全般を意味します。

追求欲求は、【持続力はあるけどパワーが弱い】という特性があり、イメージするならマラソンのようなモチベーションと言えます。

長距離を走ると、途中で嫌になったり辛くなって投げ出したくなりますよね。

だからこそ、給水ポイントのように「目標の再確認」「成果の見える化」というプロセスが重要で、これを怠るからこそ目標を達成できずに挫折してしまう人が多いのです。

今回紹介したチアダンの夢ノートなども、長いマラソンのような追求欲求を基としたモチベーションの維持に高い効果を発揮するツールだと言えます。

ちなみに、もう1つのモチベーションとは「回避欲求」と呼ばれます。

いわゆる「火事場の馬鹿力」などが当てはまり、望まない結果を”避けたい”という気持ちを原動力としたモチベーションです。

こちらは、いわば100m走などの短距離走のイメージがピッタリで、非常に強い瞬発力を発揮しますが「回避という結果」が得られれば失われてしまいます。

人が何か目標を掲げる場合、多くの場合は追求欲求です。

だからこそ、パワーダウンさせない”方法”が重要になりますし、映画「チアダン」に登場した夢ノートという手法は、目標実現に役立つツールだと言えます。

今回は、映画「チアダン」や作中に登場した夢ノートを中心に、目標を設定して実現する方法を紹介しました。

コーチとして実力を高めたいと考えている人も、コーチという職業とは無縁の人も、映画を見たり小説や漫画を読んで”感動”したり、考えさせられる経験はあると思います。

人が大きく成長したり、考え方が劇的に変化するときには、必ず本人が自発的に感じる”気づき””感動”が生じます。

もし映画や小説で心の底から何かを感じたときは、自分自身が大きく変わるチャンスが潜んでいるかもしれませんよ!

ちなみにチアダン自体、純粋に映画としても非常に面白いので、邦画で何か感動できる映画はないかな?と思っている方は、一度視聴してみてはいかがでしょうか。


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