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若手産業医になぜ営業活動が必要なのか?

産業医に営業は必要?

こんにちは。産業医たくみです。私は某地方都市にていわゆる独立系産業医をしています。

最近産業医のクライアントが少しづつ増えてくるようになりました。自分は若手産業医には営業活動オススメだと考えています。

今回はなぜ営業活動が産業医にとって必要という点に関して考察していこうと考えます。

これから産業医を始める先生よりはこれからもっとやっていこうという先生向きです。

特にノウハウはあまり書いていません。

なお産業医4年目の見識です今後の成長によって追記することがあるかと思いますがご了承ください。

仕事をどう探すか?

産業医をするにあたってまずは仕事を探さなけらば話が始まりません。産業医の仕事を得るためにはいくつか方法があるかと思います。

①医局経由
②医師会経由
③知り合い経由
④紹介会社経由
⑤営業活動

①医局経由
医局からバイトとして持ち回りでやっている案件です。任意で入手できないので若手でやっていくのに入手するのは難しそう。そもそもこれから専業でやっていくなら医局はやめていることが多い。

②医師会経由
医師会にも産業医の案件が集まります。もっともメジャーな産業医の探し方の一つです。しかしながら、わざわざ既得権益を若手のわけわからない個人産業医に振らない。あたりまえ体操。当然こちらも若手が入手でできる確率は高くない。

③知り合い経由
割と現実的な線。有名高校とか出身の先生は社長の友達とか多そうなのでうまいこと立ち回ると案件手に入りそう。先輩とか同門の知り合いの先生からいわゆるコネで仕事を探す方法。割とこの方法で仕事をゲットしている先生が多い印象。

④紹介会社経由
最近幅を利かせている紹介会社。仕事は回ってくるみたいなので若手御用達。欠点としては仲介料(下請けの中抜き率が高い)が高く。報酬が低くなりがちなこと。

⑤営業活動
会合や異業種交流会やら商工会とかに参加したり、名刺を配ったり色々活動して会社に自分からアプローチして仕事をとってくる方法。誰でもやる気さえあればチャレンジ可能。欠点は時間などのコストが高いわりに必ず契約できるわけではない。

紹介会社経由は実際どうなのか?

紹介会社経由での契約に問題はあるのでしょうか?これに関してはYesでありNoでもあると現段階では考えています。

紹介会社を使用するメリットとしては①紹介会社自身が営業を勝手にしてくれる②細かな契約書ややり取りなどを勝手にやってくれる③クライアント企業との間を取り持ってくれる④請求書業務など雑多な仕事を引き受けてくれる。と非常に有用です。

一方のデメリットとしては中間マージンの取られ方です。最近仲介会社の主流の仲介方法は業務委託の業務委託という方法です。いわゆる下請け状態です。

仕事があるごとに中間マージンを抜かれます。(そもそもの基本料金やバックエンド商品に関しては今回割愛します)。

中間マージン自体は仕方ありません。仲介会社も利益を上げながら、従業員の給料を払い、設備投資をし、宣伝広告費を投入してやっと運営できるからです。この部分が無ければそもそも先生に仕事が来ないのでしょうがないことはしょうがないです。

昔の相場を聞くと(筆者は4年目なので昔のことを知らないですが)30%ほどだったと聞いています。現在は50%近くなることもあるようで「おいおい高いな」という印象を受ける方も少なくないと思います。

自分が考えるにこの仲介手数料をどうとらえていくか?というところが紹介会社を利用する分かれ目になるなと考えています。

前述したように紹介会社はめんどくさいところをやってくれています。これはかなり助かることです。私は基本的に自分でやりますが正直費用と時間的なコストはかなりかかってしまいます。(医者のバイト換算でいうとかなりでかい。)

自分の中での線引きとしては産業医をいわゆるバイトでやる間は仲介会社を活用するメリットが大きくなるのではないかと考えます。(もちろん知り合いから案件受け取るのが一番アツいのですが。)

特に週1くらいの頻度であれば臨床のバイトに比べて遜色なく、なんなら割がいいこともあります。仲介料はかかってしまいますが紹介会社のメリットを最大限に活用することが有用そうです。

一方で、産業医の比率が上がってきて週の半分以上を産業医として活動するようになってくると話が変わってきます。

報酬自体のことは人それぞれですが、仮に仲介会社で1000万円の産業医報酬を受け取っていたとします。この時中間マージンが50%だったとすると本来は2000万円で仕事を受けていたはずです。1000万円を中間マージンで払い続けるのはさすがに厳しすぎる。ここまでくるとさすがにデメリットがメリットを上回ってくるのではないかなと考えます。

1000万円はさすがに許容できないので雑務でもしますというのが自分の考えです。

繰り返しますがバイトで仲介会社を活用するのは非常にメリットがあると考えています。せっかく仲介料がかかっているのでこちらも最大限に活用していく気持ちで臨みましょう。

じゃあ仕事どうやって入手するのさ?という話

自分は紹介会社でちょっとこりごりする出来事があったので、どうやってこの状況を打開するかと考えた時に自分で営業しようと考えました。

紹介会社のお兄さんたちだって営業してるんだし自分だってできるだろっていう理屈です。

どうせ仕事がなかったので会合とか商工会とかなんやらに顔を出し名刺を配り産業医はどういうものかどんな仕事をするのかプレゼンをして営業活動をしました。

チャンスがあれば会社にお顔を出す約束を頂いて話を聞いてもらいました。

正直最初は不慣れなことばかりです。会社に初めてご挨拶する方法など誰も教えてくれません。

医者が営業活動をすることは少ないので営業の本やYoutubeなどで営業方法を学びました。

ご縁を頂き様々な企業様やクライアント様に興味を持っていただけるようになりました。

もちろんすぐに結果が出るわけではありません。企業様には当然従来の産業医の先生がいるわけです。よっぽどのことが無ければ再選任する気持ちもエネルギーも工数もないです。

それでも様々な企業に声をかけていきます。諦めたらそこで試合終了です。

そんな中でいよいよ産業医を変えようかなという企業様がでると顔を知っている独立系産業医に声がかかるようになります。

契約の方法を提示し締結に持っていくことができれば無事にいわゆる直接契約という状態になります。

この時の契約は当然中間マージンもかかりません。わーいパチパチパチ。

あとは全力で産業医業務に取り組むだけです。

営業のデメリットは?

そんな夢(?)のような営業活動です。

ただ、みなさんやりますか?ハードルは低くありません。

個人営業のデメリットはこんなことがあります。

だれも医者だと尊敬してくれない

今まで病院で働いたり紹介会社さんはお医者様ということで非常に大切にしてくれますが、割と世の中厳しくてうろうろ営業している産業医(医者なのかよくわからない人)に優しくしてくれないことが多いです。

正直心折れることもあるし、せっかく医者になったのに何やってんだと思うこともかなり多いです。

このメンタルのダメージは特に初期にきやすいです。成果もなかなか出てこないので心折れること多数。辞めちゃう人も多いと思います。

そもそも個人で営業している医者に対する世間の評価が低い

また、そもそも仕事探して放浪している怪しげな産業医に仕事を頼むのか?という根源的な問題もあります。

せっかくならイケてるHPとか大病院の先生にお願いしたいですよね。

キミだれなの?となることが多く、こういう点でもダメージ受けがちです。

医師としてのプライドが傷つく

さらに、周りの目線も気になってきます。周囲の医師からはあいつ医者なのに何一般ピープルみたいなことやってんだ?プライドないんか?みたいなものです。

直接には言われてなくても受験王者で病棟の王さらに専門医とかだった医師からするとかなりつらいものがあるのが現実かもしれません。

成約しなければコストの無駄

しかも、結果として契約が一つも得られなければ時間とお金が無駄になってしまいます。

オールオアナッシングです。しかもナッシングがほぼほぼです。

時間は無駄になってもお金は無駄にならないじゃんと思うかもしれませんが医者が1コマ(午前中とか午後とか)バイトするとなると医者の給料のバイト代が発生していたはずですからお金がかかっているといって過言じゃありません。

ただやった人だけが得られるものもある

そんなメリットもデメリット大きい産業医の営業活動に関して今回は解説をさせていただきました。

何回も書いているようにバイトでやるなら紹介会社を活用するのが総合的にはメリット大きいかと思います。

ただ、専業にやるには中間マージンがあまりに大きいためどこかのタイミングでゲームチェンジをする必要があります。

 そのための方法の一つに営業活動があるかと思います。

ただ、あくまで一つの手段でありやってる人は多くはないと思います。クライアント が増えたり、産業医仲間が増えればリファラルの案件(コネクション)が自然と増えていくのです。

営業活動のメリットとしては気持ちと行動力と運があればクライアント企業を自分で探せるという点です。

人の行く裏に道あり花の山という言葉があるように人がしないことをやると案外面白いことが起こることもあります。

ぜひ今回の記事を参考にして少しでも仲介会社経由の契約の占めるパーセンテージを下げていただける先生が出てきていただければ幸いです。

ありがとうございました。

追記:産業医営業などに関するオンラインサロンを作りました。よかったらこちらのnoteも読んでみてください。

若手産業医が切磋琢磨して力を高めたり仕事を得ていくためのオンラインサロンを作りました|産業医たくみ (note.com)

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