内田拓海

作曲家・アーティスト。小中学校の9年間をホームスクーラーとして学校へ通わずに過ごす。孤…

内田拓海

作曲家・アーティスト。小中学校の9年間をホームスクーラーとして学校へ通わずに過ごす。孤独のなかで育った生育体験を出発点とし、ひとの哀しみや儚さをテーマに、音楽と言葉を用いた創作を行なっている。 Homepage:https://www.takumiuchida.com

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  • 和声

    和声の学習上のコツをまとめています。不定期連載です。

最近の記事

第一回内田拓海作曲個展「詩と歌」作品解説

初個展に向けてこの度、12月2日(土)に亀戸文化センターカメリアホールにて、初の主催コンサート「第一回内田拓海作曲個展『詩と歌』」を開催させていただくこととなりました。 そこで、コンサートをよりお楽しみいただくためにも、noteを使い特別企画として、個展で演奏する作品の解説記事を掲載することにいたしました。個展で演奏される曲順に合わせて各楽曲を解説いたします。 3つの詩と3つのピアノ独奏曲 (2020-2022)1.朗読 2.Prayer for Piano 3.朗読 4

    • 取手藝祭2023「犬みたいに吠える」

      東京藝術大学のもう一つの文化祭「取手藝祭」 藝大取手キャンパスに通う専攻生たちが、年に一度作品を発表する取手藝祭。上野の藝祭とは違い2日間だけ開催されるこのイベントに、今年グローバルアートプラクティス(GAP)に入学したということもあり、初めて出品者として参加。 上野での藝祭と違って、取手で行われるという場所柄「あまり多くの人が来ないのではないか?」というイメージがありましたが、それとは裏腹に多くの人で賑わっていました。 展示を行ったのは、入ってすぐの玄関ギャラリー。

      • 藝祭2023を振り返って。

        東京藝術大学の文化祭「藝祭」 今年3年ぶりに入場予約の制限等もなく模擬店(屋台)などもある藝祭が復活しました。藝祭全体の印象は、まだコロナ前ほど屋台の数もなく(いくつかの伝統的なお店もなくて…)これからという感じですが、何はともあれこのような形で開催できるようになってきていることをうれしく感じます。 さて、久しぶりにnoteをブログ代わりに使って、今年の藝祭について振り返ってみ ようと思います。私は、今年4つのイベントに参加しました。 第5回専攻外吹奏楽演奏会 一つ目

        • 和声の学習についての考え。

          はじめに。作曲科の受験において、どこの音大でもほぼ必須とされる和声。 その学習範囲はバロックから古典派、古典派からロマン派までと極めて膨大であり、習得にはある程度まとまった時間が必要です。そのため多くの学生は受験を意識した頃からレッスンを受け、年単位でじっくり学ぶことになります。 私自身も例に漏れず作曲科受験のために和声の勉強を始めた口ですが、学習当初はとても和声に苦手意識があり、赤点続きの状態を抜け出せずにいました。そこから色々と自分なりに学習法を考えたり、和声実施上のコ

        第一回内田拓海作曲個展「詩と歌」作品解説

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        記事

          和声覚え書きシリーズ 第4回・上がる第7音

          はじめに第4回では、Ⅴ度の第二展開形からⅠ度の第一展開形へ進む際によく用いられる、上がる第7音について解説します。 この第7音を上げる連結を使うことにより、Ⅰ度の第一展開形の上3声に第3音を入れない配置を使うことができます。 基本の連結 基本の形はこちらになります。長調、短調ともに使うことができます。 このようにⅤ度の第二展開形からⅠ度の第一展開形へ進む際に「内声にあって、導音より下にある第7音」は上げることができます。バスのDに押し上げられて、第7音が上に上がる連結で

          和声覚え書きシリーズ 第4回・上がる第7音

          保育園を辞めてから藝大作曲科に入るまでの話

          こんにちは。作曲家の内田拓海です。 自分は特別な音楽の教育を受けたわけでもなく、高校からピアノや作曲を始めて藝大の作曲科に入りました。今回はその経緯を自己紹介も兼ねてnoteにまとめてみようと思います。 また少し一般的な育ち方と違う部分があるので、そこも取り上げて書いてみることにします。 誕生、保育園を辞めるまで 1997年、神奈川県に生まれます。そのころは特段変わった様子もない普通の子どもでしたが、絵を描くことが好きで、父親のサーフボードに落書きをしたり、壁中絵を描きま

          保育園を辞めてから藝大作曲科に入るまでの話

          和声覚え書きシリーズ 第3回・フリギア終止

          はじめに第3回では半終止で使われることもある特徴的な終止をご紹介します。この終止は「フリギア終止」と呼ばれることもあります。 フリギア終止の基本 基本の形はこちらになります。 長調、短調ともに使うことができて、使い勝手の良い連結です。 また、直接的なフリギア終止ではありませんが、このようにフリギア終止の連結に、経過音が入ることもあります。またその響きを単体で使うこともできます。 右の例はドッペルドミナントの第二展開形の根音省略形の第七音重複(わかりにくい…)といわれ

          和声覚え書きシリーズ 第3回・フリギア終止

          和声覚え書きシリーズ 第2回・非和声音(掛留音、倚音)

          はじめに第2回では、非和声音を使うことで得られる響きや音の動きの一部を解説します。 また、課題旋律の非和声音の動きから「逆算して」和声付けしていくことも課題を解く際に大きな手助けになります。 譜例はC.D.(ソプラノ課題)の様式を想定しています。 根音への掛留音、倚音 多くの場合、どの和音にも根音への掛留を入れることは良好な効果をもたらします。 第5音への掛留音、倚音 Ⅴ度(借用和音、減七含む)で用いられることが多い響きです。ほかの和音に用いられることもあります。

          和声覚え書きシリーズ 第2回・非和声音(掛留音、倚音)

          和声覚え書きシリーズ 第1回・冒頭の定型

          はじめに和声について、ある程度習熟した学習者は知っているが、今まであまり明文化されてこなかった「パターン」のようなものがあると思っています。 このシリーズは、ある程度進んだ学習者のためのメモとして、また自分自身のためにも、そういったものをまとめてみようという試みです。 気に入ってくださったらシェアしていただけると嬉しいです。 また、この企画は決してすべてを完璧に網羅することを目的としているわけではありません。多少の不足や不備があることはご承知の上お目通しください。 (ミスを

          和声覚え書きシリーズ 第1回・冒頭の定型