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さよならバンドアパート番外編

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「さよなら、バンドアパート」の主人公である川嶋の10代の頃の短編です。
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#エッセイ

神戸に酒鬼薔薇が登場した時、小学三年生をやっていた話!

酒鬼薔薇事件を知っていますか。 時は1997年。近所の学校の校門に切断された首が置かれ、神戸…

takuro(juJoe)
2年前
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さよなら、バンドアパート2

1.嬉しさよりも安堵が先にやってきた 幕張のステージに立つと、八千人近いオーディエンスが溢…

takuro(juJoe)
3年前
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さよなら、バンドアパート1

1.キレる事前作法として、まず質問「バンアパは理想が低い!サザンを目指せ!」 マネージャー…

takuro(juJoe)
3年前
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中学のとき教室内にアイコラ会社ができた話

鬼束ちひろさんが好きだった。 アーティストとしてもだけど、もう女として好きだった。 会え…

takuro(juJoe)
6年前
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雨の日のアイスコーヒー

予感もあてにならない。 あの冬の日からずいぶん時間が経った気がしたけど、カレンダー上はま…

takuro(juJoe)
6年前
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寒い日のアイスコーヒー

「イマ歩きたかった道を歩いてる」 「いつからそうしたかったの?」 「金がとんでもなく無か…

takuro(juJoe)
6年前
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担任にムリヤリ魔女宅を見させられた話

学校の黒板の向きは法律で決まっている。 誰が決めたのか知らないが、窓が南側に位置するからだそうだ。ガラスからの採光目的、右利きが影を作りにくいという合理的理由があるのだと言う。 左利きの僕はその合理性から排他され、五年間、薄い灰色の光のもと、教科書を読み、ノートを取り続けた。 この「日本人の九割は右利きだから」という論理のおかげで、僕は『ひかり』に対して、やたらと過敏な少年だった。一割のマイノリティなのだという気持ちを抱えたまま成長した。 昨夜読んだ学園もののマンガで

僕たちは欲しいものが手に入らない国からやってきた

清冽な水で洗ったような秋空だった。今日も昨日も。ここのところ、毎日が毎日の続きみたいに晴…

takuro(juJoe)
3年前
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むかしのひとと上手に話せたい

むかしレーベルメイトだった『ゆれる』というバンドがいる。そこのボーカルあみさんと食事に行…

takuro(juJoe)
3年前
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我らmixi世代!

「mixi世代」なんて言葉があるのか分からないが、僕はたぶんその世代なのだと思う。 今のTwit…

takuro(juJoe)
3年前
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十三歳になると男はダンベルを買う

何を勘違いしたのかダンベルを買った。 たしか十三歳だった。何か特別なことがあったわけでは…

takuro(juJoe)
3年前
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川嶋vs御曹司

8歳か9歳のときだっただろうか。 僕はブラックバスを釣るのが好きで、よく近所の『ため池』…

takuro(juJoe)
5年前
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2007年トリップ体験記

「もっと忙しくしないと壊れてしまう」と思ったりもする。 感傷的になったら、一気に持ってい…

takuro(juJoe)
4年前
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大阪十三のバーに通っていた

実社会では分かりやすいこと、明確であることが求められる。 それでも世の中には、曖昧さを持ってしか話せないようなものもある。 その中にこそ、本当に大事なものがあるんじゃないだろうか。 あの頃、そんな曖昧さを求めて逃げ込む場所があった。 商店街の中にある小さなバーだった。 ジャックジョンソンがいつまでも流れていて、マスターは無口だったが、綺麗な店だった。 明け方まで飲める店が少なかったせいもあって、僕はよくここに通っていた。 この店で仲良くな