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なんで400の動員しかないのに800キャパでやるん?

バンドをやっているとスーパースターを目指しているのがベーシックなのだろうか。いわゆるミスチルやスピッツやワンオクのような。何ならそれぐらい目指していると公言しないとダメバンド扱いされることもある。

だけど僕はもう少しインディーライクでアングラな存在が好きだった。

起業してもう5年になるけれど、これまた孫正義やイーロン・マスクみたいな壮大なビジョンを持っていると思われる。時には「無いとあかんぞ」ばりのムードを食らわされることもある。

だけど僕は「見知らぬ誰かが作った仕事で給与をもらう」よりはいいと思って、会社を作っただけだ。時給の安くて融通のきかないバイトより、時給が高くて融通のきくバイトを選ぶのと変わらない。

この『わけのわからん競争意識の高さ』というのにやられているひとがいる。「上を目指していたい」というよりは「上を目指していないことは悪」みたいに論理がすり替わってしまっている。

笑えることにこういう上昇脳死タイプほど自分では大して何もしていないのが始末に終えない。「上を目指せ」と違和感があるぐらい干渉してくる人間は基本的に縁を切っている。

不完全なものが存在しちゃいけない理由もないし、サザンよりバンアパのほうが僕の中では偉大であるし、上場企業より非上場企業ということなのだ。
※サントリー、DMM、YKK、小学館、ロッテ、レゴ、カルピスなんかもじつは上場していない。

別に海賊王にならなくたって海賊になってもいいし、大成功しなくても不幸にならないことはそれなりに素晴らしい。

意識低くてドラマやマンガとしては手ごたえがないかもしれないが、生ぬるくサボっているわけでもない。
僕は僕で自分のできることをしながら、それなりの使命感に追われながらミッションに挑んでいる。

「上を目指していない」というより言われて足もとを見失うのが嫌なのだ。もちろん投資家を募ったり株主にいい顔しなきゃいけない上場企業などは言わなくてはいけないかもしれない。そんなのはダルくてやってられない。

ややこしい話だが、僕にとって一番大事なのは税引後の純利益なのだが、上場企業では株主に見せる手前、営業利益が重視されがちになる。
「営業利益を上げてます」と言うと、社長もちょっとイキっていられる。

これをやることで手に入るものと失うものがある。

音楽も近いものがある。
たとえば「800キャパでワンマンをやらないけど動員が400人しかないバンド」がいるとする。

普通に考えたら800のキャパでやる必要はない。300ぐらいをソールドアウトしてもいいし、500ぐらいでやって9割埋めるというのでもいい。

だけど意識が「フェスの上のステージ」や「メジャー」だったりがチラついていると800のハコを押さえてワンマンをやる。やったほうが政治的にいろんなものが手に入る確率が如実に変わるからだ。

「え…?なんでこのキャパでやったんやろ?」というガラガラのライブを見たことがあるひともいるかもしれない。あれにはそれなりの理由があるのだ。

もちろん純利益で言えば、損をしているし、巻き返せればいいが寿命の前借りに近い。まぁ投資しまくってもらう企業も信用の前借りなので遠からずだ。

「上を目指す」と軽々しく言うと地獄を見る。下を見る必要はないが、歩いているかどうかを確認しながら登っていかないといけない。

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