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無意味なURLを貼る人たち



僕は寝つきが悪く、うまく入眠できないことは何度かこのnoteに書いてきたが、最近新たな事実が発覚した。僕はどうやら睡眠に繊細なのではなく、数字に繊細なようだ。

安心してください。説明いたします。
僕が眠れない時というのはだいたいが次の日の朝が早い時だ。今やっている仕事は朝4時起きなので、前日の夜は「起きなあかん」というプレッシャーや仕事が始まる憂鬱さなどを抱えながら目を瞑る。眠れない時、考えるのは「うわー、これ寝れんやつやん。いまが23時やから、24時に寝れたとしても4時間しか寝れへんやん」とか「というか今日起きたの12時やん。11時間しか活動してないやん。今日歩いた歩数も2000歩とかやろ。そら寝れんわ」とか「もし寝れんかったら30時間連続で起きなあかんことになるぞ。帰りの車で事故ったらどないすんねん」てな具合だ。

子供の頃から数字でいろいろと分析するのが好きだった。特に通りかかる車のナンバーで遊ぶのが好きだった。例えば「48-12」なら、約分したら4-1になって綺麗だなとか考えていた。「52-96」は十中八九コブクロのファン、「1-75」はもしかすると175Rファンかメンバーかもしれないな、「7-73」はナナミという名の娘でもいるのかな、という具合だ。中学の野球部で顧問だった石原先生や担任だった別所先生のナンバーは今も覚えている。とにかく数字への謎の執着があるのだ。

僕が野球を観るのが好きなのも、数字の美しさがあるからだろう。特に阪神の選手のデータなんて自分でも困るくらい頭のメモリを埋めてしまっているから大変だ。たまに自分でも引いてしまう時がある。ちなみにプロ野球において一番美しい数字は「2005今岡 .279  29  147」だと思う。分かる人にだけ共感してもらえればいい。

西暦何年にこんな出来事があったとかも結構覚えている。島田紳助さんが暴行事件を起こして謹慎になったのは2004年、安倍晋三一時政権から福田康夫氏になったのは2007年、地デジに完全移行したのは2011年、島田紳助さんが暴力団絡みで引退したのも2011年、いいとも最終回は2014年、というふうにスラスラ出てくる。しかしこれがおもしろいことに、歴史の年号などは全く覚えられない。僕の記憶力は思い出付随型なのだ。

言わば、数字は自分の現在地を確認するためのものだ。1日くらい寝なくても大丈夫というのなら、睡眠をとった時と徹夜明けの集中力の違いをデータ化して見せてほしい。そこを確認しないと僕の夜は数字に踊らされ続ける。

眠れない夜、本当はいけないと知りながらもスマホを開いてしまう。インスタを覗く。友達や芸能人の投稿がタイムラインに流れてくる。何かの宣伝で、URLを投稿欄に貼っている人がいるがそれを見ると無性に腹が立つ。なぜなら、インスタの投稿ページからはリンクに飛べないからだ。長押ししてもアプリの構造上、コピーもできない。無意味なのだ。無意味なアルファベットと数字の羅列。
「新刊出たのでサイトから買ってくださいねー。URL貼っておきます。http://unkoshitai20230629.com」
美しくない。あとハッシュタグのあとに1マス空ける人を見ても腹が立つ。#note にしてこそ、ハッシュタグは初めて役割が果たされる。# note なんかにしてしまうと、やはりそれはただの記号と文字の羅列である。頼むからその辺ちゃんとしてくれよと思ってしまう。こういう輩は自分の投稿を見直さないのだろうか。見直しても「美しくない!」と恥ずかしくならないのだろうか。それくらい鈍感な方が人生楽しいのだろうな。彼らはきっとすぐに眠れるはずだ。

数字やインスタヤクザが僕の睡魔を吸収し、「あー、2時間しか寝れへん」と僕をぼやかせるのであった。

サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。