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きょうの難経 九難〜十四難の一部 2021/10/7

脈診についての話が進んでおります。
九難は短いですね。

九難曰
何以別知藏府之病耶


數者府也
遲者藏也
數則為熱
遲則為寒
諸陽為熱
諸陰為寒
故以別知藏府之病也

ここでは、
数ー府ー熱ー陽
遅ー蔵ー寒ー陰
と二系統に臓腑、寒熱、陰陽を分けています。
単純化しすぎ、な気もしますが、基本原理をまず確認しているとも言えそうです。

十難では「脈の十変」として、五臓が邪の影響を受けたときの脈の状態と、その伝わるルートを述べています。

そのうえで、十一難では、脈拍の休止と五臓の気の状態の関係について述べています。

十一難曰
經言脈不滿五十動而一止 一藏無氣者 何藏也


人吸者隨陰入 呼者因陽出
今吸不能至腎 至肝而還
故知一藏無氣者 腎氣先盡也

この難では、50回の脈の拍動の間に1回の休止は腎の気が尽きているとしていますが、『霊枢』の根結には更に詳しく述べられています。

五十動而不一代者 五藏皆受氣
四十動一代者 一藏無氣
三十動一代者 二藏無氣
二十動一代者 三藏無氣
十動一代者 四藏無氣
不滿十動一代者 五藏無氣

休止の間隔が短くなるほど、気が尽きた臓が増えていき、状態が悪化しているのが見て取れます。

続いて十二難は五臓の虚実補瀉の誤りについて述べています。

陽絕補陰 陰絕補陽
是謂實實虛虛
損不足益有餘
如此死者 醫殺之耳

ここも、『霊枢』の九鍼十二原に同様の記述があります。

五藏之氣 已絕於內 而用鍼者反實其外 是謂重竭
重竭必死 其死也靜
治之者輒反其氣 取腋與膺
五藏之氣 已絕於外 而用鍼者反實其內 是謂逆厥
逆厥則必死 其死也躁

十三難は、顔色と脈と尺膚の対応について述べられていますが、今回は割愛します。

十四難は、損脈と至脈について、冒頭の定義部分です。

十四難曰
脈有損至何謂也


至之脈
一呼再至曰平
三至曰離經
四至曰奪精
五至曰死
六至曰命絕
此死之脈 何謂損
一呼一至曰離經
二呼一至曰奪精
三呼一至曰死
四呼一至曰命絕
此謂損之脈也
至脈從下上
損脈從上下也

1回の呼吸の間に脈動が増えていく「至脈」と、
1回の拍動の間に呼吸数が増えていく「損脈」の各段階の状態が定義されています。
至脈は下から上にのぼり、損脈は上から下にくだる。
先に心臓に問題が出て、上行性に脳に障害が広がって呼吸に影響が出るケースと、先に脳の呼吸中枢に影響が出て、下降性に心臓に影響が出るケースと関連しているのではないかという指摘があり、大変興味深かったです。

十四難は長いので次回に続きます。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。





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