TOKYO COMPLEX「ゲームセンターの夢」

大学に入学した当初、授業と授業の合間に空き時間があり、友人とゲームセンターに行くことがあった。
その時、よく遊んだのが「太鼓の達人」だった。
浪人生活をしていたとはいえ、まだまだ子供じみていた僕ら(今も十分に子供じみているが)は太鼓の達人を遊んでは各々のスキルを高めあっていた。
一時、「太鼓の達人倶楽部」みたいなノリもあった。
しかし、我々のプレイが終わるのを今か今かと待っていた高校生らしき人たちがいざ自分の番が来た際、鞄からオリジナルのマイバチを取りだし、そのバチを使って鬼難易度を鮮やかにプレイをしている姿を見て、太鼓の達人倶楽部はあたかも消滅した。

ゲームセンター。
昔は不良たちが集う場所というネガティブなイメージがあったが、その一方で憧れもあった。
家族で温泉に行った際においてあるゲームコーナーに目をキラキラ輝かせていた時。
今でこそ遊ぶことが極端に少なくなったが、もともと僕はテレビゲームが大好きな人種であり、ゲームセンターも自ずと好きな場所ではあった。
しかし、真面目に過ごした高校時代はそうした娯楽施設に下校時に寄ることはなかった。
サブカルを拗らせていた僕はビレバンによく行っていた。それか本屋。

ゲームセンターに通い始めるようになったのは大学2年の終わり。
所属していた放送研究会のメンバーがこぞってハマっていたリズムゲームがあった。
「jubeat」と呼ばれるゲームだ。「ユビート」と読む。
正方形のパネルが4×4で並んでおり、タイミングに合わせてそのパネルを押す、という音ゲーだ。
こうしたリズムゲームはゲーム会社によるオリジナルソングばっかでとっつきにくいと思っていたが、jubeatに関してはJ-POPも多くそろえており、中には僕が好きなロキノン系バンドの曲も入っていた。
特にビックリしたのがフジファブリックの「銀河」が入っていたこと。
僕が愛してやまないバンドの曲が沢山入っていることもあり、このjubeatにはかなりハマった。
仲間たちとスコアも競ったりもした。
ゲームの良いところは成長することができること。
そこから生まれる達成感は爽快だ。
そして、どんどんとハマっていく。
テレビゲームだとエンディングがあるが、音ゲーは終わりがない。
だからとことんハマっていった。
一時、物凄くゲームセンターに通っていた。

ただ、あることをキッカケにゲームセンターから遠のくようになる。
jubeatのプレイ履歴が残せるIDカードがあるのだが、それを紛失したのだ。
そのお陰で今までのランクや称号は無くなってしまう。
こうなると一気に覚めてしまい、あんなにハマっていたjubeat、ひいてはゲームセンターへ足を運ぶことがなくなった。

まるで、夢を見ているようだ。
何かにハマっていると視野が狭くなることがある。
一点集中。
ただ、何かをキッカケに急に冷めてしまう。
いや、夢から醒めてしまう、という言葉のほうが正しいのかもしれない。
熱しやすく、冷めやすい。
そして、醒めやすい。

昨年、久々にゲームセンターに行き、jubeatをプレイしたが、意外と体は覚えていて驚いた。
ただ、前みたいにのめりこむことはなさそうだ。

PS
約1年ぶりの更新。もっと書かなくては。。

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