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顧客が行う試行錯誤

 アイデアに欠かせない課題。その課題が本当に解決に値するものであれば、人は試行錯誤を行っている。というのは有名なお話。では試行錯誤を行っている状態というのはいったいどんな状態なのかを簡潔に説明してみたいと思う。

 一つ目のポイントは、解決を求めずにはいられない強い気持ちがあること。ネガティブな課題が発生していて、それを「ま、いいか」と放置で終わらせることができず「また!やってられない!」と心底思ってしまう状態だ。

 例えばミカンを食べる時に手が黄色くなってしまった時「ま、いいか」で終わらずに「ミカン大好きなのに!けれども毎回黄色くなっちゃって!本当に嫌になる!という心の状況。

 二つ目のポイントは、既存の解決策を試しても上手く問題が消え去っていないこと。人は放置できないネガティブな課題に出会うと、色々な解決策を導入して、心をマイナスからゼロへと戻そうとするが、それが叶っていない状態だ。

 例えばミカンで手が黄色くなる問題に対し、「色が落ちるハンドソープは強過ぎて手がカサカサになっちゃう。弱酸性の肌に優しいのは色が落ちない。手袋を付けて食べるとミカンを食べ辛くなっちゃってリラックスできない」という心の状況。

 三つ目のポイントは、課題解決のためなら新しい解決策に対してお金を払う意欲があること。人は試行錯誤して上手く解決できていない課題に対して、自分自身が持っているものを差し出して解決したいと願っている状態。

 例えばミカンハンドイエロー問題に対し、「色がきちんと落ちて肌荒れしない」という解決策に対してお金を払うかもしれないし、「食べ辛くならなくてリラックスできるミカン専用手袋」という解決策に対してお金を払うかもしれない。解決策はどんなものであれ、自分自身のネガティブな状態が消え去るならお金を払うことは厭わない、という心の状況。

 残念なことに「あ、困ったことあります」という感情はアイデアの起点としては弱い。放置できない気持ちがあり、試行錯誤を重ねており、上手くいっていない状況を改善するためお金を払う準備があること。それこそが真に解決する課題。アイデアをカタチにしたいと願う皆様の一助となりますように。


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