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同性婚について考える #5 カムアとアウティング

性的少数派がそれを他の人にカミングアウトすることをカムアと呼びます。
同性婚法案が可決した場合、同性婚のためにカムアする人が増えると考えられますので、カムアについて、カムアされたときにどうすべきか、そしてアウティングについて考えていきましょう。

カムアについて

性的少数派はそれを他の人にカミングアウト、通称カムアをします。
その理由は様々です。
例えば、親友のあなたに知ってもらいたかったから、隠すのが面倒だったから、言う流れになってしまったから、そしてあなたのことが好きだったから…。

親友のあなたに知ってもらいたかったから
以前、性的指向(LGB)と食べ物の好き嫌いを同列に話しましたが、当然ながら実際には同列ではありません。
食べ物の好き嫌いで人生が変わるのは料理人などの食べ物に関わる仕事をしている人くらいのもんで、友人の好きな食べ物や嫌いな食べ物がなんであろうと、店選びが面倒になるだけであなたは気にしませんよね。
しかし、性的指向や性自認が他の人と違う、つまり性的少数派においてはそうはいきません。
だってそれは私自身の根幹に関わることですから。
自分という人間をよく理解してもらうためにはこれについて話さなければなりません。
それに、人は恋愛の話をよくしますよね。
昨日も美容院で「彼女いるの?」って聞かれましたし。
親友のあなたに知ってもらうというのは、あなたに対してパートナーのことを遠慮なく話すことができ、そしてパートナーについて嘘をつく罪悪感をなくすことができます。
だから、親友のあなたにカムアします。

隠すのが面倒だったから
これは上のと同じで、あなたに対してパートナーのことを遠慮なく話すことができ、そしてパートナーについて嘘をつく罪悪感をなくすことができるためです。

言う流れになってしまったから
残念ながら、これはよくあることです。
他の人はどうか知りませんが、私はカムアする対象を考えています。
具体的には、カムアしたとしても今後も変わらず付き合ってくれるか、後述のアウティングが発生しにくいか、発生したとしても自分への影響が少ないかなど、カムアして大丈夫かを考えた上でカムアしています。
つまり、自分への影響範囲とメリット・デメリットを考えた上でカムアする範囲をコントロールするわけですね。
そうしたいにもかかわらず、あまり言いたくない人の前で言う流れになってしまうということはよくあります。
実体験です。
やられたことあります。
できればこのような流れは作らないであげてください。

あなたのことが好きだったから
言わずもがなですよね。
「カムアされたってことは…もしかしてあいつ…俺のこと…?」とか考えましたか?
大丈夫です。
大抵の場合は告白とセットですから。

理由は何であれ、性的少数派にカムアされることがあります。
そんなとき、あなたはどうしたらいいのでしょうか。

カムアされたら

私からカムアされた人の多くは、酒を飲んだときにされてると思います。
なんでかって?
怖いんですよ。
普段性的少数派であることを隠している人にとって怖いことの1つ、それはカムアしたときに疎遠になってしまうことです。
カムアは当たり前ですが人間関係を壊すことが少なくありません。
私の場合、カムアするときは今後その人と話せなくなるかもという覚悟の上でしてます。
だから親にはまだ言ってませんね。
家庭は壊したくない。
このように、程度はともかくカムアには勇気がいります。

では、そんなカムアをされたとき、あなたはどうするべきなのでしょう。
今までと変わらず接するか、関係を断つかはあなた次第です。
どうせ覚悟はできています。
無理して受け入れる必要はありません。
ただお願いですから言葉はしっかりと受け止めてください。
勇気を振り絞った結果のカムア、しっかりと受け止めてあなたなりに返してあげてください。
正直にカムアするのですから、私的にはあなたの正直な気持ちが聞けたら嬉しいなと思います。
ただ断言できることとして、「同情する言葉」はやめてください。
お前に何がわかると思われるだけです。
そして私はわりとウェルカムなんですけど、性的少数派についてあれこれ質問するのはあまり良くないみたいですね。
カムア=あなたになんでも情報開示するよってことじゃないよ…ってこと…?

あと、アウティングは絶対ダメ!!!

アウティングとは

本人の了承のないまま、公にしていない性的指向や性自認等の秘密を暴露することですね。
要は、「本人に聞いたんだけどさ、あの人ゲイなんだって!」ってやつですね。
これは絶対ダメです。
私とかはカムアの範囲コントロールしてますし、普通に困ります。
差別的な扱いによって、仕事や生活に支障が出ることだって少なくないんですよ。
カムアの範囲が制御不能になることは、私から平穏な生活を奪うことを意味します。
アウティングは、人を社会的に殺すものです。
アウティングが実際に何を引き起こすか知りたい人は、一橋大学アウティング事件について調べてみてください。
これ、アウティングによって社会的にだけでなく、本当に命が失われた事件です。

そもそも多くの人はアウティングのリスクを考えた上で行動しています。
例えば私はカムアする対象を選ぶのはもちろんのこと、カムアした人が抱えきれなくなったときにアウティングしないように、カムアした人には他にそのことを知っているのが誰なのかをなるべく言ってるんですけども…。
ただ結局はあなたがアウティングしないという信頼のもとでカムアしています。
アウティングはしないこと、もし抱えきれなくなったら本人に相談することを絶対に守ってください。
お願いします。

ウティングされるのが嫌ならカムアしなければいい?

そんなこと思いますよね。
でもカムアしないことってそれはそれで意外と大変なんです。
例えば、

友「彼女いるの?」
私「(彼氏だけど)いるよ」
友「写真見せて」
私「ごめん、写真苦手だからって撮らせてもらえないんだ笑(嘘)」

友「彼女の好きなところは?」
私「優しくてかわいいところ(ほんとはかっこよさに惹かれたんだけど、バレるから言えないな…)」

というような会話が繰り広げられます。
このように常に嘘を吐き続けるのです。
罪悪感を感じつつ、そして本当は言いたいことも言えない。
これ意外と辛いもんですよ。
それに相手に告白したらカムアがセットになりますし。
カムアしないことってそれはそれでいろいろと大変なのです。

まとめ

今回わりと大事なのに話がグチャグチャになったのでまとめますね。

・カムアはいろいろな理由でされる
・正直に返すべき
・同情する言葉は言わない
・カムアされても他の人に言わず、抱えきれなくなったら本人に相談する(これ絶対)
・アウティングは人の命を奪う行為

カムアする人、カムアされる人、みんなが幸せになれますように。

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