カナブンとYAZAWA

晴れ。
バイト。
ワッフルをもらった。
神社の境内でひっくり返ったカナブンを起こしてやった。
いちょうの若葉で。
わたしが神前で手を合わせてうつむいている真下で手足をバタつかせているのだから、にくいカナブンだ。
今日はみんな猫をたくさん見たらしい。
猫らも集会の季節になったのだ。

私は、出勤前に見た仙台上空の未確認飛行物体のニュースが一日気になっていた。
白い風船の下に十字の骨組みみたいなものがぶら下がっていて、それにはソーラーパネルのような板がいくつも付いているように見える。
観測気球でもないらしく、結局まだ何なのか分かっていないとか。
一時は飛行機(高度1000)よりも上を飛んでいた(あるいはそれ以上)というから、それが地上から月くらいに見えるとは、かなり大きな物体だ。
気象台も警察も自衛隊も分からないというから、時期ということもあって日本の防衛意識を心配する声が多い。
しかし、防衛云々以前にもドローンとかの飛行物は取り決めや取り締まりが厳しいと思っていたから、これでは色々と不安が起こるのも仕方ない。
なんやかんや人間が工作した観測気球に見えるから、誰かが作って飛ばしたのだろうけど、あんなデカいのを誰が何のために飛ばしたのだろう。
それとも人口物に擬態しているだけで、変形したら面白いけど。

あと永ちゃん(矢沢永吉)が、会社のみんなを食わせるために過去のライブを有料配信するらしい。
まったく世代でないけれど、両親は永ちゃんの影響バリバリの世代なので、私もわりかし影響バリバリである。
いまだに、あれこれが男だ!という感はある。
永ちゃんは「足踏みに飽きた」らしい。
永ちゃんの「足踏み」、タップダンスみたいだろうな。
曰く「人生は失うものを増やしていくゲーム」らしい。
かっけぇ。

そういえばユニクロのエアリズムマスク欲しいな。
接客業はどうしてもマスクをしないといけない。
これが非常に苦しい。
暑いし、掃除などでちょっと激しく動くと窒息感があって身体に悪い。
そういえば今日マダムお二人の席に伺ったときに片方のマダムが咳をされた。
『花粉症なのよ、わたし。ごめんなさいね、おでこに花粉症って書いておかなきゃ。』
私を気遣ってというより、私の心のうちが怖くてという方が本音に近そうである。
ご友人も手慣れた様子でフォローされていた。

これは生ける伝説YAZAWAも困るはずである。
事情は変わった。
されどライブ映像は動かない。
いや、画面の中の永ちゃんはやっぱり今よりは活発に動くだろうけど、画面の中の永ちゃんは、その時の永ちゃんのままである。
映像の中でカナブンがひっくり返っていても、私は何もしてやれない。
しかし、現実は、そこにお互いの心があって手が伸びる。
たとえ大変な虫嫌いでも、近くにいちょうの葉を見つければ、これで助けてやらんこともないと思うのだ。
別にそれで自分の人格がどうとか、そも善行がどうとか言うわけではない。
ただ、そういう現実の「事の起こる」迫力が、人生の妙なところで、この奇跡のような当たり前の連関の出現なくして、生きていることの不思議に圧倒されることはない。
また偉そうに!