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ボール運びは難しい。

あけましておめでとうございます!

2020年バスケ初めはハンナリーズの名古屋アウェイ。行ってきましたよ〜 。2連勝!!

ハンナリーズは新たに寺嶋選手、大庭選手が加入し、ガードの競争が激化しそうです。

そこで「ボール運び」ということに注目して記事を書いてみることにしました。
(初めてnoteで書いてみます)

目次
1.ボール運びは簡単?
2.ボール運びに必要なスキルとは
3.ボール運びが担う役割
4.ボール運びの駆け引き


1.ボール運びは簡単?

将来性のある大型ガードとして今季加入した中村太地選手が堂々とハンナリーズの正ポイントガードに抜擢されましたが、相手チームのプレスでボールを奪われるシーンが多くなってきました。

昨日の名古屋戦でもターンオーバーがあり、やはりサイズがある分ボールハンドリングに難があるのか?という意見もあります。

(そのへん自分もポイントガードだったので色々思うことはあります)

まず「ボール運び」の定義ですが、ここではエンドラインからフロントコートまでドリブルで進むこととします。文字通りボールを運んでいるということですね!

8秒ルールの制約もあり、主にガードの選手がディフェンスを突破しフロントコートでのオフェンスを展開するわけですが、当然コートの半分も進めないようではゴールを奪うための攻撃も始まらないわけで、これは「できて当然」のプレーだと思われがちです。

そこがまず難しい。

できて当然だから、余計な力は使わずやりたい。そこでこの仕事はポイントガードに一任されることが多いです。残りの4人はさっさとフロントコートに入り攻撃の準備をします。

ポイントガードは孤独にこの仕事を遂行しないといけないわけですが、ディフェンスとしてはそれは狙い目となります。プレッシャーをかけてボールを奪えなくても8秒バイオレーションを取れるかもしれない。

そのあたりのベンチワークの駆け引きがあるわけですが、あくまでボールを運ぶだけのこと。確実に、ミスなく、そして簡単にやりたいというのが共通認識。ガード選手の責任とスキルが問われるところです。

2.ボール運びに必要なスキルとは

ではそのボール運びのためのスキルについて考えてみましょう。

ちなみにボールの扱いが上手い=ボールハンドリングのスキルがある、ということになりますね。

昨季まで京都に在籍した伊藤達哉選手はリーグでも屈指のハンドリングスキルを持っていました。スピードとハンドリングでディフェンスを置き去りにできればやはり優位に立てます。

ただしボール運びに関しては単純にドリブルやハンドリングのスキルだけでは足りないと思います。

中村選手は決してハンドリングスキルが劣るとは思いませんが、ボール運びに関してはまだ学ぶことが多いように思います。

伊藤選手だけでなく、村上直選手や綿貫瞬選手ももちろんハンドリングスキルはありますが、バックコートでボールを奪われることは少ない。

そこにはボール運びのためのスキルがあると思います。

具体的には縦(上下)のチェンジオブペースが鍵を握っていると思います。村上選手や綿貫選手を見てると上手いなと思うのが、「行くと見せかけと止まる」という技術。

普通1対1では左右の選択肢が大事になるますが、ボール運びに関しては、いかにディフェンスを離すかが重要です。

ディフェンスが離れれば視野も保て、パスコースは広がります。また、より広くスペースを使った方がディフェンスは守りづらい。

中村選手はマブンガ選手をお手本にしてるという話しがありますが、よりサイズがあるマブンガ選手にはビッグマンがディフェンスすることが多く、突破にそこまでの技術が必要ないケースが多いです。
(ディフェンスが深追いしないことを理由にマブンガ選手がボール運びをするパターンも非常に多いところです。)

マブンガ選手はハンドリングスキルというよりは身体の使い方というところで異次元の技術があるのでなかなか参考にするのは難しいかな…とも思います。村上選手や綿貫選手から学んでほしいところです。

3.ボール運びが担う役割

ところで名古屋戦day2で大活躍だった寺嶋選手はスピードで左右に振り切るスタイルで、これもバックコートのスペースを広く使うやり方と言えるでしょう。

寺嶋選手の良さはトップスピードでドリブルし速攻に結び付けるボールプッシュ。

これもボール運びという役割に密接な関係があると思います。より早くボールをフロントコートに運びオフェンスを展開すれば、24秒という制約の中でも使える時間が多くなり、それだけ余裕が生まれます。
なんとかフロントコートに入って、さて攻撃するぞとなっても残り15秒くらいしかなければなかなかしんどい。

ポイントガードから攻撃がはじまるということを考えると、しっかりボールをフロントコートに持ってくるところから攻撃のリズムが生まれるという観点は自然かと思います。

日本代表を歴任したレジェンドである佐古賢一氏は、センターラインをいかにして跨ぐかという意識がポイントガードには重要であることを説いていましたが、それくらいボール運びがゲームコントロールに重要であることを示すエピソードだと思います。

4.ボール運びの駆け引き

駆け引きというところに話を元に戻すと、ディフェンスは人数をかけてボールを奪いにきます。そうであれば攻撃側も人数が余るのでサポートすることが考えられます。

そもそも1人はエンドラインやサイドラインからまずガードの選手にパスして時計は動くので2対2の状況から始まります。

永吉選手やサイモン選手が出すことも多いですが、そこでしっかりパスを出せないとディフェンスにカットされてしまいます。

つまりボール運びの勝負はそこから始まっています。

パス出しの呼吸はもちろん、その後どう動くのかというところも重要ですしチームでの約束事があると思います。永吉選手を壁にしてガードがボール運びをするパターンもよく見ますね。KJや岡田選手がパスを受けてポイントガードが後ろを回ってさらにパスを受けるパターンもあります。

ハンナリーズのディフェンスはあまり人数をかけて前から当たることは少ないですが、相手ガードがフロントコートに入った瞬間、プレスを掛けるというトラップディフェンスがあります。
一度フロントコートに入れば戻れないしターンオーバーを誘発することもできます。上手くパスを出されてもすぐ戻れるのでリスクも小さい。たまーーにしか出ませんが注目してみてください。

こういった駆け引きは見てて面白いですよね。

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まだまだネタはありそうですが例によって長くなってきたのでこのへんで。

2020年もよろしくです!

ではまたー


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