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今シーズンにマラソン大会で感じた違和感・・・

マラソンシーズンが終わりました。
自分はレースには出ませんでしたが、手賀沼・千葉アクアライン・東京・熊谷さくらという4つの大会に、医療支援走(ドクターランナー)として参加させて頂きました。

久々に戻った大会やランナーの活気と、まだまだ戻らない自分の情熱との距離感に悩みました。

そして一つ違和感を感じました。
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「あれ!?ランナーが高齢化してない?」

そう自分が感じた手賀沼マラソンから調べてみましょう。

1.マラソン大会の高齢化の割合

1-1.手賀沼エコマラソンの若年者・高齢者の割合

手賀沼エコマラソンは、Runnetで年代別の完走者人数が分かるのでそれを集計してみます。年代別の完走者が分かる2009年以降で、39歳未満の割合と50歳以上の割合を調べてみます。

手賀沼マラソンの男女別完走者における30歳未満、50歳以上の割合:データはRunnetより

2009年以降、だんだん高齢化してきます。特に女性の高齢化率が顕著に見えます。自分がマラソン大会で感じた高齢化の感覚は、正しかったようです。

では他の大会はどうなのでしょうか。

1-2.その他のマラソン大会では?(春日部大凧マラソン、福知山マラソン)

先月行われた春日部大凧マラソンのハーフマラソンの部と、関西の老舗のフルマラソンの福知山マラソン調べてみました。

上:春日部大凧マラソン、下:福知山マラソン
春日部大凧マラソン・福知山マラソンの男女別完走者における30歳未満、50歳以上の割合:データはRunnetより

関東・関西に限らず、やはり手賀沼と同様に高齢者の増加、若年者の減少がみられます。
いずれもコロナ後に加速した感があります。

2.若い世代のランニング人口が減少したのか?

では若い人はランニングをしなくなったのでしょうか。
そんなことはありません。

年代別のジョギング・ランニング実施率:笹川スポーツ財団のスポーツライフに関する調査より

笹川スポーツ財団の調査では、割合としては20-40代はランニング高い傾向にあります。そして若年者も高齢者もジョギング・ランニングをする人の割合は増加しています。

人口はともかくとして割合でみると、若者のランニング離れという訳ではなさそうです。

3.ではなぜ?

3-1.若い世代の減少

そもそも日本では若者の人口は減少しています。ですがここまでの減少にはならないようです。
総務省の人口推計の数字を用いて計算すると、2012年の20-40歳未満の人口の割合は24.0%でした(2012年のデータ)。そして2022年の20-40歳未満の人口の割合を計算すると21.0%で(2022年のデータ)、3%減少していました。

20-40歳未満の日本の人口の割合は減少しているものの、15-29%低下している20-40歳未満の完走者の減少の一因に過ぎないと思われます。

3-2.マラソン参加費の高騰

20代や30代のランニングを始めたばかりのランナーは、おそらく走ることへの意欲はまだ低く、1万円前後かかる大会への参加費はネックになるのではないでしょうか。

また、ランニンググッズも高性能になるとともに高価格となっています。GPSウォッチやカーボンシューズなど・・・。若くて結婚や出産に色々と出費がかさむ年代の方は、マラソンをガチでやるのは経済的も厳しいのではないでしょうか。

3-3.会社などの上下の繋がりの薄れ

そして気になるのが、職場の仲間や、地元のつながりのチームの元気がない印象です。
「職場の上司に出ろと言われて」「飲み会で軽はずみに出ると言ってしまって」はマラソンを始めるきっかけにありがちです。会社での飲み会や懇親会が減り、段々とそんな世の中ではなくなってきてしまったのではないでしょうか。

また以前はよく見られた、世代を超えた地元の繋がりでできた走友会のようなチーム・参加者が少なくなってきた印象です。変わって同世代がSNSで繋がった集団を多く見かけるようになりました。
年配者は年配者で、若者は若者でコミュニティーをつくってランニングをする。その中で大会参加以外のお金のかからないランニングを、若者は楽しんでいる印象があります。


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